プランバナンのルンブン・ブブラ・セウ寺院

ロロ·ジョングランを後にして、プランバナン史跡公園の北側に残るルンブン寺院、ブブラ寺院、セウ寺院を目指す。公園最北端にあるセウ寺院まではロロ・ジョングランから1Km程度と距離がある為、園内を走るミニトレインが用意されている。


ミニトレインで最北端のセウ寺院まで行き、そこからブブラ寺院⇒ルンブン寺院と南下したかったのだが、いつまでたっても発車する気配がない。車掌的な係員に問い合わせると、無情にも一定数の乗客が集まらないと発車しませんよ、と。誰も乗ってない+周囲に人気0という絶望的な状況でそんなこと言い放つとか、出発する気サラサラないじゃん!結局、待ちに待った挙句に痺れを切らして炎天下の中を歩いて向かうことに。

整備された遊歩道もあるのだが、直射日光が殺人的なので敢えて未舗装の木陰道を突っ切っていく。

樹木が茂る遺跡公園内を北に向かって進んでいくと、木々を切り開いてできたスペースにルンブン寺院が現れた。ロロ・ジョングランにあれ程いた観光客はここには皆無。不気味な静けさが遺跡に漂う物悲しさを助長する。

ルンブン寺院はマタラム王朝によって850年頃に建立された仏教寺院で、主堂とそれを囲む小祠堂16基で構成されている。
ひだり みぎ
原型を留めているのは主堂と五基の小祠堂だけで、その他は絶賛修復中。


主堂は辛うじて寺院の体を成しているが、上部の岩の積み上げがてんでバラバラなので、ジェンガのタワーが崩壊する要領で瓦解しやしないか冷や冷やもの。


主堂内部。龕だろうか、ストゥーパを嵌め込むような窪みが壁面に設けられている。祭事に使われていたというよりは、蔵みたいな形で利用されていたのだろうか。スーファミのゼルダの伝説の謎解きみたく、何かをはめ込んだら隠し扉が出現するみたいなパターンなんだろうかと思えてくる。

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本堂以外はまだまだ修復が待たれるところ。


続いてルンブン寺院の北にあるブブラ寺院。こちらは石造の基壇部分だけが残っていて、上部はほぼ跡形無しの酷い状態にある。崩壊した岩の欠片を一個一個つなぎ合わせる作業が行われているようだが、まだまだ完全に修復されるには長い年月が必要になりそうだ。なんせ石職人が人目を憚らず思いっきり昼寝してるくらいだから。


〆はプランパナン遺跡群の中の最北端にあるセウ寺院。名称の「セウ」が数字の「千」(無数)を表すというくらい巨大な寺院で、9世紀頃に建立されたと推定される多数の小寺院が無数に集まって構成されている。なんでもシャイレーンドラ朝の王女プラモダワルダニーとサンジャヤ朝のピカタン王の結婚を記念して建造されたそうだ。


残念ながら南口からは入れないので東口へと周る。ロロ・ジョングランの神殿よりは丸みを帯びた形状となっているが、それにしても異様なシルエットだ。


南東から。見る角度によって形を変えるのがまた神秘的。手前の瓦礫の山は249基あったとされる小祠堂の崩壊跡。周辺の荒廃ぶりを見るにつけ、諸行無常という言葉が心に浮かんでくる。


ひたすら瓦礫の山が積まれてる。これでも災害廃棄物として処分できない貴重な遺産なのである。

入り口の両脇では武装した巨人・クベラの像が神社の狛犬のように鎮座してる。恐ろしく厳めしい表情とぽっちゃりと出たビール腹がどうにも釣り合わないというかアンバランスで、思わずギャップ萌え。
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今だって神社の両脇の狛犬や仏教寺院の仁王像がフル活躍しているし、世界中に残された殆どの遺跡の入り口の左右に守護神らしき像が建っているというのは、時を経て時代を変えても人類の心理の深層にある美や調和の在り方は不変ということを示しているのだろう。

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中は主堂を中心に仏教的要素の強い小祠堂が建ち並んでるが、その殆どは未だ朽ち果てた痛々しい姿のまま。これら廃墟が醸し出す歴史の重さを感じながら時代を超えた迷宮探索を楽しむことに。他に観光客はいないけど、荒涼感が漂う遺跡然とした遺跡で、私的には非常に好き。

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こちらは一際目立つ中央祠堂。威風堂々としたもんだ。

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回廊からの景色。一部の祠堂は精巧に修復されている。

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祠堂内にはただただ縦に長い空間が。


ルンブン寺院の本堂と同じく、やはりここも壁面に特徴ある窪みが見られる。霊廟として棺でも嵌め込んだのか?どうも新婚記念に建てられた感じがせん。ここを建てた労務者の辛苦なのか、永遠の命が叶えられずに未練たらたらで死に絶えた歴代の王達の無念なのか分からぬが、中央祠堂の中に居ると負のオーラばかり感じてしまう。

結局、セウ寺院には1時間近く滞在したかな。これだけの規模の寺院廃墟の中に一人、静寂の中を歩いているとタイムスリップしたような錯覚に陥ってしまうから不思議なものだ。

3つの寺院の見学を終え、徒歩で来た道を引き返す。

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考古学博物館。


クペラ。タスキにフンドシ姿で迫真顔なんて反則だ。モーツァルトみたいな髪型もおもろいし、古代ジャワ島の石職人のユーモアレベルの高さが感じられる。


プランバナンが発見された時の様子。

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鹿。


出口には食堂がズラリ。 みんな同じメニューで客の奪い合いwww前を通ろうものなら全呼び込み攻撃の集中砲撃を受けることになる。

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最後に永遠と続く土産物アーケードを通らされて終了。駐車場にはベチャの運ちゃんが屯しているので帰りの足に困ることはない。



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