コンコルドルームでの非日常的なひと時を堪能し、いよいよ今回の旅行の締めとなるブリティッシュエアウェイズA380のファーストクラスで飛び立つ時間がやってきた。
やはり旧英領路線は需要があるのか、アジアではシンガポールと香港のみが巨艦A380の就航路線となっている。
時代が時代ならスエズ・アデン・セイロン・マドラス・シンガポールを経由して命懸けで香港を目指す船旅に出ることになったのだろうが、幸いにして21世紀に生きる我々は飛行機でひとっ飛び。僅か12時間でロンドン-香港を移動できる。
文明の発達に感謝しながら御搭乗w ロンドン時間は19時前だけど、香港は夜中の2時前なので眠い眠い。
*画像はブリティッシュエアウェイズ公式サイトから拝借させて頂きました。ファーストクラスはメインデッキの先頭部分。1-2-1の並びで全14席の設定となっているが、それでもこの日はほぼ満席であるようだった。
クールなライティングの機内にドキドキワクワク感が高まってきたところでロンドン出身のドSなマダムCAによる挨拶を受ける。
今回の座席は窓際最前列の1K。
何これリバースヘリボーンのビジネスクラス?というのが率直な第一印象。なんだろう、このファーストクラスじゃない感。
キャセイパシフィックB773ERのファーストクラスのような優雅でゆっとりといった感じは微塵もないが、黒を基調にモノトーンでクールな空間に纏まっている。
英国らしいシンプルモダンな設計というか。他社と比べて手狭な感は否めないが、スタイリッシュ且つ機能的でなんとなくヨーロッパ車かのようなデザインコンセプト。ちょっと狭いながらもシート生地は上質で座り心地・寝心地は悪くないかな。いざ座ってみたら思ってたより仕切りが高くて他の人の目も気にならないし。
テーブルも真っ白でクール。手前中央の部分をカパって開けばダイニングテーブルを取り出せる。
テーブル横で様々な色に光るジョグダイヤルは照明調整洋のつまみかと思いきや、まさかのリクライニング調整用。これはこれで斬新でお洒落なんだけど、背もたれと足元を分けて調整するような操作はできなかった。
お隣の収納スペースの蓋を開けてみると、中には機内エンタメ用のリモコン・USBポート・コンセント差し込み口が収納されていた。RCAジャックもあるのでカメラの画像をスクリーンに映したりといった楽しみ方もできる。
また、座席の前方部分にはパーソナルクローゼットも完備。機内預入サイズのスーツケースやジャケットなんかはこちらにまとめてぶっこめる。
搭乗から10分弱ほど経っただろうか、ファーストクラスは搭乗が完了したようで、パジャマとアメニティポーチを持って挨拶がてらに担当CAの方々が席を回ってたんだが、乗客の皆さんやっぱりウィットに富んだ返しをしたりして、日系やアジア系キャリアでの乗客の会話との質の違いに驚かされた。他の乗客の会話を盗み聞きするだけで新鮮な気分を味わえたわw
こちらはペイズリー柄のいかしたリバティロンドン製のアメニティポーチと胸元にFirstの文字が踊る濃紺Vネックの囚人服。残念ながら「First」の下に「A380」の文字が入るA380限定囚人服はとっくの昔に売り切れてしまったとのことだった。
夕食の時間帯ということもあり、シートベルトサインの点灯が消えると直ぐにミールタイムが始まった。香港の時間的にも早めに食べて寝たい乗客が多いという事情もあったのだろう。ついさっきラウンジで食べてきた自分ももちろん寝ずに参戦する。
【ワインリスト】
Champagne and Sparkling Wine:
– Kir Royale
– Laurent-Perrier Grand Siecle
– Camel Valley Cornwall Brut 2013
– Jacquart Rose Mosaique NV
White Wine:
– Chablis Grand Cru Bougros 2012
– Pine Ridge Chenin Blanc/ Viognier 2016
– Craggy Range Te Muna Sauvignon Blanc 2016
Red Wine:
– Chateau Lagrange 2007
– DV Catena Tinto Historico 2015
– Sokol Blosser Dundee Hills Pinot Noir 2013
Dessert/ Port Wine:
Royal Tokaji Blue Label 2009
Warre’s 2000 Colheita Tawny Port
【ディナーメニュー】
Pre Appetiser:
– British Farm Cauliflower, Shaved Montgomery Cheddar Cheese
Starter:
– Warm Seared Scottish Scallops
– Aubergine Filled with Yam, Carrot and Celery with Szechuan and Tomato Sauce
– Celeriac and Granny Smith Apple Soup
– Fresh Seasonal Salad
Main Course:
– Seared Fillet of Heritage Black with British Wild Mushroom Sauce
– Seared Isle of Skye Fillet of Salmon
– Wonton Soup with Char Siu Pork, Pork Dumplings, Noodles and Pak Choi
– Asparagus and Cheese Tenderloin inLemon Caper Cream
– Lemon Poached Atlantic Prawns with Sweet Brandy Dressing
シャンパンと共にやってきたアミューズをささっと片づけ、スコットランド産ホテタ貝のサラダを迎え撃つ。爽やかなクルミドレッシング帆と良くマッチしてて、残念なBA機内食のディナーの中でもこいつだけは合格。
ここからは眠気との戦いで、スターター後に30分待って漸くスコットランドはスカイ島で上がったサーモンフィレのソースヴィエルジュ添えがやってきた。ただ、これがすっごいしょっぱくてしょっぱくて、もう何も食べる気が起きなくなったのでここでギブアップ。2/3程頂いたところで完食を諦め寝支度をすることに。
さーて寝支度寝支度とラバトリーに入ると、エコノミークラスと大差のない造りにびっくりする。先に乗ったカタール航空のA380ファーストクラスのラバトリーとは大違いである。
お手洗いで寝支度を整えている間にベッドメイキングをしてくれていたので、時間を無駄にすることなく直ぐにぐっすり眠りにつくことができた。就寝用のマットレスとコットンも素晴らしい肌触りで寝心地良かったし、食事中にドSなBBBAが何度も注いでくる高級酒を喰らってたので気持ち良く爆睡。
旅の疲れもあって8時間はばっちり寝たでしょう。朝になり何やら足元でごそごそばたばたと物音がするので起きてみたというか起こされた。ババアお前か!と怒りそうになるも、ちょうど朝食前に起きれたとのプラス思考で感謝することに。
って、フライトマップ見たらもう桂林だし!と焦って朝食の準備をしてもらう。
BAのロゴがエンボス加工されたノイズキャンセリングを着想してBBAお勧めのNew British Talentの音楽を聴きながら朝食を待つ。
ギンギンに冷やされたフルーツと果肉たっぷりのオレンジジュースで始まる朝。
朝食のメインはお粥や凝った卵料理も選択できたけど、ここは敢えてTraditional British BreakfastとEnglish Breakfast teaの王道コンボをお願いすることに。まぁこんなものでしょうといった味でしたわw
最後に時間と胃袋に余裕があったのでデザートワインとチーズプレートまで。
あ~、よく寝たし食ったわ~という満足感と共に香港着!シートの狭さやミールの味はさておき、これだけ食べて飲んで寝れたんだから最高のフライトだったという評価をせざるを得ないでしょう。ブリティッシュBBA、ありがとう!