ガルーダ航空国内線ビジネスクラス B737-800

定刻通りに搭乗開始となったジョグジャカルタ行きGA202。外は未だ真っ暗闇の中、ボーディングブリッジを通り機内へと進む。初のガルーダ・インドネシア航空だ。社名の「ガルーダ」は、言わずもがなインドネシアの国章でもあるヒンドゥー教の神鳥ガルーダに由来するもの。ヴィシュヌ神を乗せ、炎のように光を発しながら天空を駆け抜けたと言われている伝説の鳥・ガルーダだが、今日では神ではなく普通の一般客を運ぶ役割へと都落ちしてしまった模様。

さて、こんなガルーダ航空、だっさい名前とは裏腹に、2014年に英国の格付け会社スカイトラックス社から栄えあるThe World’s Best Airline Cabin Crewを受賞し、CXやSQ、QR、NHなんかと共に世界の5スター航空会社7つの内の1つに認定されている。そんな世界的にも一流の素晴らしい航空会社であることも付け加えておこう。ANAまでこっそり5スター認定を受けてることからも評価の制度や定義そのものが疑わしいと思わざるを得ないが

さて、GA202の機材はアジア内の短・中距離路線を担う小型機B737-800。座席配列はCクラス=2×2が3列の12席、Yクラス=3×3が24列の144席で合計156席。Cの乗客は3名のみだが、Yの方は見るからに満席のようだった。皆さま朝一で移動して丸一日観光するパターンなのだろう。
ひだり みぎ
シートはA330-200やA330-300のライフラットにも似ているが、こちらは残念ながら殆どリクライニングしない。CXのプレエコ以下。


リクライニングはもちろん手動。


反対側にはモニターのリモコンとイヤフォン用プラグ穴。足元にはPC用の電源も備わっている。


シートポケットは機内誌が豊富だし、着席後には新聞や雑誌まで配布される。英語版はTIMEとエコノミストが一部ずつ。

機内誌拝見。世界中から乗客を呼び込むことでローカルブランドから脱却したいとの決意から、2009年にサービスコンセプトが刷新されている。国内外の乗客に最高の“インドネシアネス”を体験してもらおうと、インドネシア独特の色彩とモチーフを配したキャビンのインテリアデザイン、民俗音楽の独特な音色、エキゾチックな花々の香り、伝統料理が楽しめる機内食など、インドネシアの温かいホスピタリティを五感で楽しませるための工夫を随所に盛り込んでいるらしい。
ひだり みぎ
ケバヤとバティックサロンの制服がエキゾチックで魅力的。カラーバリエーションはオレンジ・トスカグリーン・コバルトブルー・紫の4種類で、それぞれに意味合いがあるそうだ。
コバルトブルー:FSM用。落ち着き、確かさ、信頼などを意味。
オレンジ:CA用。温かみ、友好性、ダイナミックさを意味。
トスカグリーン:CA用。瑞々しさ、トロピカルフレッシュを意味。
紫:アシスタント用。エレガントさ、創造性、インスピレーションを意味。
それぞれがテラコッタブラウン、オレンジ、ブリックレッドを基調としたキャビンカラーともマッチするよう配慮されている。その上、全てオーダーメイドで支給されているため、一人ひとりのシルエットや立ち居振る舞いの美しさが際立って見える。素晴らしい。


搭乗客の流れが止まったところでドリンクとおしぼりの配給。ドリンクはオレンジジュース・アップルジュース、飲料水の三種類。ふくよかで包容力のありそうなムチムチチーフパーサーの笑顔がゴージャスで、エキゾチックなユニフォームも相まって、思わずドキッとしてしまう。流石はThe World’s Best Airline Cabin Crew、セクシー極まりない。


出発前には前方スクリーンが降下して、チープなメロドラマ風のセーフティービデオが放映される。

その後、陽が昇ったくらいの時間に駐機場を出発。

ランウェイに近いスポットだったたしく、ブロックアウトするとすぐに離陸。テイクオフとほぼ同時に速攻で右に100度以上のド旋回し、真下に見えるオレンジ屋根の家々がぐんぐんと離れていく。


朝日がえらく眩しい朝。雲海の上まで上昇したところでテーブルクロスがセットされ、間髪入れずに機内食が配られる。


朝食仕様。1時間程度の国内線でもホットミールが出てるようだ。平凡な味付けの焼きチキンビーフン一択で、水とフルーツが付いてくる。美味しくはないけど完食したろうと頑張っていたら、もう降下開始。


外を見ると、737-800の大きな特徴である翼の先端につけられたブレンデッドウイングレットが良く見える。設備が貧弱な地方の中小空港や、騒音規制の厳しい大都市の空港間を頻繁に離着陸する短距離路線で使用されることを想定し、短い滑走路での離着陸や短時間での巡航高度への上昇ができる為の高揚力装置として装備されている。主翼とウィングレットがブレンドされたようになめらかに成型されていて、翼根からウィングレット先端まで一体の翼のような形になっているのが特徴だ。そういや子供の時に作った紙飛行機でも翼の先っぽを少しだけ折り曲げてたわ。

ひだり みぎ
飛行機は順調に高度を下げ、雲海を突き抜け暫くしたらジョグジャカルタの街並みが見えてきた。ジャカルタへの一極集中が問題視されていることからジョグジャは辺鄙な田舎町程度かと思っていたが、それは大きな間違いであるようだ。決して都市規模が小さいわけではなく、都市域の裾野は決して狭くないのである。もちろんジャカルタと比べれば規模は劣るが、パッと見たところジャカルタとの大きな違いは高層ビルが無いことぐらいのようにも思える。それくらい都市の範囲が広いように思える。

着陸。

ジョグジャカルタのアジスチプト国際空港は密林の中を切り開いて出来たような小規模な空港だ。エアアジアがクアラルンプール便を、インドネシア・エアアジアとシルクエアーがシンガポール便を運航しているので辛うじて国際空港という名を保ててているが、片田舎の地方空港にしても貧弱すぎる設備しかなさそう。


ズームしたんで画像が粗いが、経営破綻して運航停止となって久しいバタビア航空の乗り捨てられた(?)機体が放置されている。もう塗装もハゲハゲだけど、ジョグジャで一体何やってるのか。

ひだり みぎ
しょっぱすぎる空港。


マーシャラーに導かれスポットイン。


ボーディングブリッジはなく、タラップで陸に降り立ってからスタッフの方の先導により歩いてターミナルビルに移動する。

ひだり みぎ
ここにもポーターが生息しているが、「早足で歩く、声がする方向を見ない、眼を合わせない、何もしゃべらない」を実践していれば大丈夫。


バゲージクレームを出たところでシェラトンの係員に迎えられ、車で宿泊先へ。シェラトンムルティカは空港⇔ホテル間の送迎が無料なので助かります。

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こいつにのって初日の宿泊先へと移動。金曜日の退勤から13時間、計画通りにジョグジャカルタに到着だ!



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【2015年ジョグジャカルタ・ソロ旅行記】






























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