イエティ航空のマウンテンフライトでヒマラヤ山脈を遊覧飛行

この日はネパール旅行の最終日。ただ、ネパール発が深夜になるので、それまでは変わらず全力投球で観光を!ということで朝早くに起きマウンテンフライトを楽しんできた。

ネパールと聞いて真っ先に想起するのはヒマラヤ山脈にエベレスト。できることならヒマラヤ山麓のトレッキングツアーにでも参加したかったところなのだが、しがないサラリーマンには登山体験を楽しめるだけの時間を捻出することは難しく。かわりに、てっとり早く世界最高峰のエベレストを拝めるマウンテンフライトを予約したったろうと。トレッキングなら数週間かかるところ、マウンテンフライトなら空港での待ち時間も含めて数時間で済みますんで。


各運航会社のプロモ画像や動画を見てもすっごい面白そう。こんなん目にしちゃったら予約しないわけにはいかないっしょ。

運賃はイエティ航空ホームページでの発券でUS$181.6。イエティエアラインズ(Yeti Airlines)ブッダエアラインズ(Buddha Airlines)シムリクエアラインズ(Simrik Airlines)とマウンテンフライトを飛ばしているが、どの航空会社も申し合わせたかのように同じ価格だった。

自分はもちろん前日にもお世話になったイエティ航空を選択することにしたのだが、いくらイエティ航空のオフィシャルサイトで探してもマウンテンフライトの予約ページはみつからない。分かりずらいのだが、Departure(出発地)=Kathmandu・Arrival(到着地)=Kathmanduを選択するとマウンテンフライトが選択できる仕様になっているようだ。

空港へ


06:30の出発に合わせて05:00過ぎにホテルを出発、強烈なおんぼろタクシーで二日連続の空港へ。天候次第では欠航となるそうだが、この天気なら大丈夫そうで一安心。


前日はワールドカップの日本対コロンビア戦がありましてね。空港に着くなり、チェックカウンター周辺の皆さまから一斉にコングラチュレーションと握手を求められるw 皆さまサッカーお好きなのなw

ただ、YT301便を予約したのに、参加者不足で便数を間引かれたのか、出てきた搭乗券を見るとYT302に変更になっている。出発時間も06:30ではなく06:45になってるし…何故なのかわからないが、ここネパールでは「なぜ?」とか深く考えないことが重要。一々考えても仕方がないんで。
ひだり みぎ
行先はMountain。早朝の時間帯は複数の航空会社が一斉にマウンテンフライトを飛ばしてるために大混雑。季節的にオフシーズンだからか西洋人は殆どおらず、目立つのはインド人。石を投げればインド人にあたるような(匂い的に)スパイシーな状況のなかフライトの出発を待つ。


早くカオスから離れて搭乗したいのだが、残念ながら山の気象情報待ちでウェイティングが続く。カトマンズが快晴でもヒマラヤ山脈方面の天気が悪ければ運航されないっすからね。逆にヒマラヤの天候が良くてもカトマンズがダメで離陸できなくてもアウト。こればっかしは運次第というかイエティの気分次第というか。

いざ搭乗!


定刻より10分ほど遅れてFlight to mountain is now ready for boarding!ということで、雪男イエティの翼に乗ってエベレストに向け飛んできます。


ねっとり笑顔でナマステ~と迎え入れてくれる客室乗務員。他のインド人は機体の前で自撮りを楽しんでて中々乗り込んでこないw


満足のいく一枚が撮れたのか、やっとこそインド人たちが乗り込んできたのだが、機内はガラガラ。それもそのはず、乗客全員が平等に窓の外の景色を楽しめるよう、窓側席のみが使用されるようになっている。これで皆平等、進行方向に向かって左側の席は往路、右側の席は復路にヒマラヤ山脈ビューを楽しむことができる…ということにはならず、プロペラ横の席だとプロペラが邪魔になり景観が損なわれてしまうので、できれば前方または後方の席をおとりになられた方が宜しいかと。


前日のフライトみたく、こんな席になったら悲しいっしょ。この席でも運賃は等しくUS$181.6ですからね。


それにしても、窓ガラスは汚いし、大気汚染に侵されたカトマンズの町はガスってしまっているし…こんなんで大丈夫だろうか。という不安を頂きつつ出発。

しかし、いざ出発してみるとあっという間に雲を突き抜け真っ青の空へ。離陸から10分ほど、窓の外にヒマラヤ山脈が広がったらインド人大フィーバ、一大自撮りショーの幕開けだ。

晴れ渡る絶好の飛行日和にヒマラヤ山脈上空を遊覧できる贅沢。カトマンズを離陸した飛行機は高度をあげつつ、威風堂々に聳え立つ世界の屋根ことヒマラヤ山脈を眼下に見つつ一路エベレストに向け東へと飛んでいく。



フライトは、飛行コースの山脈マップとCAによるガイド付き。窓から見える山の名前や山にまつわる蘊蓄なんかをCAさんが一人一人に説明して回るのだが、空気の読めないインド人が一々突っ込んだ質問とかするので時間がかかるw


高度6000mまで上昇。ヒマラヤはエベレストだけではないですからね。上空から眺める一座一座異なる山々はいずれも神秘的で、まるでのみで荒々しく削って作られた彫刻作品のよう。



飛行が安定し、ヒマラヤ撮影も落ち着いてくると1人ずつ順にコックピットに招かれ、パイロットの解説付きで操縦席からの展望を楽しむことができる。更に、聞きたいことはないかと言ってもらえたので、イエティが実在するのか伺ってみたのだが、言葉を濁して回答されたw

そして、遂にやってきたこの瞬間。このフライトで見る山々の中でも最も高く鋭く聳え立ち、1979年まで登山家たちの挑戦を拒み続けてきた世界最高峰。それがマウントエベレスト…なんて解説をしてくれた。


ちょうどピラミッドの頂点のように突起した山がエベレスト。周りの山も7,000-8,000m級の山が並ぶので直ぐには分からなかったが、パイロットが指を指して教えてくれた。

ひだり みぎ

これは世界の屋根ですわ。



自席に戻ると、エベレスト上空にて記念のシャンパンが振る舞われたのだが…こんなに優雅な気持ちにならないシャンパンを頂くのは初めてで逆に凄く印象的だったw

エベレストがほぼ真横に見えるくらいのところでターンし、カトマンズへと引き返す。


復路の方が山に接近したルートを飛ぶので、進行方法に向かって右側の席の方がはっきりとした山容を楽しめるかと思う。


降機前にはフライトの搭乗証書が発行されてツアーの終了。幸いにも天候に恵まれ、ヒマラヤ山脈の8,000m級の山々を全て拝むことができた。フライトの時間は1時間足らず、サクッと楽しむのにちょうど良いフライトです。


昨日の日帰りルンビニ旅行からマウンテンフライトまで、沢山の思い出をありがとうイエティ!



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ルンビニ日帰り旅行を終え、イエティ航空便でカトマンズへ

無事に(?)仏教四大聖地の一つであるルンビニの見所周りを終え、少々予定より早いがカトマンズへと引き返すことに。もう少しルンビニにいたら悟りを開けてたと思うんですけどね。今必要なのはニルヴァーナよりもスリープなもんで。


先ずはルンビニからバイラワ空港へ向かうバスのターミナルへ、相変わらず歩いた方が速いようなゆっくりペースで凸凹道を走る。この細身でか弱いご老人、職業と自身の能力がマッチしてなさすぎるんだよなぁ。幼い頃からリキシャを漕ぐことしかやってこないままこの年になってしまったのかなぁなんて考えると居た堪れない気持ちにさせられる。観光地を縄張りとして営業してるのに英語も話せないので、他の競合となる車夫と比べて競争力なさすぎだし。


ルンビニ博物館から15分ほど走り、ここで降りろ的なジェスチャーをしてリキシャを停める汗だっくだくの車夫。それらしき看板等も見当たらないし、明らかにバスターミナルには見えないのだが…。


近くの食堂で英語を話せそうな若者に確認すると、確かにこの食堂の前がバス停になっているらしい。因みに車夫は、代金を受け取って1秒後に直ぐ他の客を見つけにリキシャを漕ぎ去っていった。その背中とハゲかかった後頭部にプロフェッショナルの精神を見たね。生涯現役で頑張ってくれ。


念のためにバス停のマップを貼っておきます。Taulihawa RoadとVishnupura Roadが交わる交差点近くにある、Lumbini Tandoori Restaurantというレストランがバス停の目印。

ちょうどレストランの中からバス停が見える位置関係にあるので、先に会計を済ませてバスが来た瞬間に外に出れるようにして食事を摂る。

注文した揚げ餃子、インド文化圏だけあってノンスパイシーと言ってたのに辛くて涙する。生地にスパイスを練りこんでるからのようだが、餃子を食べてるというよりもスパイスの塊をかじってるようで一口食べてヨガファイヤー!そりゃあこんなもんばっか食べてたらヨガファイヤーとかヨガフレームとか出せるようになりますわ。


そうこうしてるうちにバスが来た。「ミスター、バスが来た!あれに乗れば空港に行ける!」流暢な英語でフレンドリーな店員が教えてくれ、廃車寸前のおんぼろローカルバスに飛び乗った。

ひだり みぎ
意気揚々と乗り込んだワイに対して一斉に向けられる乗客の皆様の好奇の視線。何やら周りの人に声をかけてもらえるのだが、一切言葉が分からない。辛うじて少々の英語を話す運賃回収係の兄貴に空港の最寄地点で降ろしてもらえるようお願い、「了解。」と心強いサムズアップを返してくれた。


ひだり みぎ
ドアを開けっぱなしでノロノロと走り出したバスの中は、まるで動く蒸し風呂のように蒸し暑い。運賃は40ルピーと安いけど、乗客が乗り降りする度に荷物の積み降ろしがあるのですこぶる遅いのと、車内を飛び交う無数のハエのと様々な物が混ざり合ったような異臭が本当にきつく、まさに苦行といった感じ。


苦行に耐えること1時間超、空港に近づいたら教えてもらうことになってたのに…「あっ、空港通り過ぎててたわ」とまさかの事後報告を受け、来た道を引き返す羽目に。

ひだり みぎ
こんな何もないところで降ろされて絶望しかない。


10分ほど空港方面に向け歩いただろうか。ヒッチハイクでもしてやろうかと思い始めた矢先にバイラワ方面に向かって走るバスが到来。手を挙げてバスに飛び乗る。運賃10ルピー。中の人口密度が高くなければローカルバスの移動でも全然いけますね!私が座った進行方向と逆向きの席なんて、JALのエコノミークラスのバルクヘッド以上のシートピッチですわ。

ひだり みぎ
5分ほど走ってこの三叉路を過ぎたところで下車。バイラワ空港からルンビニに向かう場合も、この三叉路に来ればルンビニ行きのバスに乗れると思います。


空港を出て正面突き当りの道路を左っすね。ここでバスに乗るか、白タクもしくはリキシャを利用するか。バイラワ空港とルンビニ間を移動する交通手段はこのバスを含めて主に3つ。

白タク:1,000ルピー
電動リキシャ:600ルピー
ローカルバス:40ルピー

バスは乗り換えもないので比較的イージーだけど、空港から向かう場合、炎天下でバスを待つのがきついと思うのでお勧めはしない。とにかく、くっそ暑いですタライ高原。下手したら熱中症を拗らせて自分が成仏してしまう可能性もあるのでお気を付けください。


ひだり みぎ
遠回りをしながらもバイラワ空港に無事戻り、予約便より一本早い便への振替手続きも完了。欠航で灼熱のルンビニに足留めという最悪の事態も免れられ本当に良かった。釈迦よありがとう。

ひだり みぎ
空港に着いたのは14:20過ぎだったが、14:30発の便に乗らせてもらうことができた。融通がきくというか適当というか。こんな何もない空港で次便までの3時間をつぶすのは苦痛以外の何物でもないので、助かりました。


機体は往路便と同じくプロペラ機。安全性一つ星のイエティ航空だけど、往路便で免疫ができたのか、仏陀の教えのお陰で恐怖心から解放されたのか、はたまた異常な暑さから感覚が麻痺したからなのか、もはやなんとも思わなくなった。


お隣にはブッダエアの機体が駐機。仏陀の聖地で仏陀エアを見て、何か込み上げてくるものがありますね(棒読み


ひだり みぎ
搭乗。往路の機材と違ってシートがレザーでちょっと綺麗!これも聖地まで来た巡礼者を労いたいという仏陀の思し召しによるものなのか。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
機内サービスも往路同様に全力対応。同じくらいの飛行時間で同じような機材で飛ぶJALの大阪伊丹-但馬便でも離陸前に飴が配布されるだけだったというのに。

フライトの方も全く問題なく、特に大きな揺れもなくナイスランディングでカトマンズ着。

無事に本日の仕事を終えたイエティ航空機。イエティの足跡がどこか誇らしげに見えますね。

と、いうことで、カトマンズからの日帰りルンビニ観光、時間的には余裕でした。


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イエティ航空ネパール国内線 カトマンズから仏陀生誕の聖地・ルンビニへ

前回のエントリーに記載した通り、安全性ランク一つ星評価のイエティ航空便を利用して日帰りでのルンビニ観光に行くことにしたワイ。

仏教の開祖ブッダの生誕の地で、成道の地ブッダガヤ、初めて説法をしたサールナート、入滅の地クシナーガルと並ぶ仏教四大聖地の一つとされるルンビニ。自分は巡礼意欲ある意識高い系の仏教徒というわけでもないし、それどころか仏教徒ですらないのだが、聖地と言われれば行ってみたくなるタチなんでね。カトマンズからルンビニへの最寄空港であるバイラワまでは飛行機で30分ほどの距離なんで、日帰りでの聖地お気軽体験コースを楽しんでこようと軽い気持ちで発券した。

四大聖地の中で唯一インド国外にあるとはいっても、位置的にはもう殆どインド。というか、ルンビニって寧ろインドにあると思ってたので、ネパールにあることが驚きだった。逆にどういった経緯でここがネパールに帰属するようになったのか知りたいわ。当時はインドもネパールも無かったとはいえ、お釈迦様の今日で言うところのご出身国がネパールというのはちょっと違和感ある。


ちな、四大聖地の位置関係はこんな感じ。北からルンビニ、クシーナガル、サールナート、ブッダガヤとなる。生誕の地ルンビニから悟りを開いたブッダガヤまでの距離は419kmで、不眠不休で歩き続けて3日と12時間45分もかかるのだと。飛行機や車がある時代に生まれてほんと良かった。


ということでいざ出発。往路の飛行機は07:30カトマンズ発ということで、気合を入れて05:30にホテル発。朝早くから通りに屯していたタクシーのうち1台を捕まえ空港へと向かう。運賃600ルピー。

カトマンズ トリブバン国際空港


国際線ターミナルに負けじとさらにこじんまりとしたカトマンズのトリブバン空港国内線ターミナル。こんなんバスターミナルレベルやんか。


ひだり みぎ
ただ、国内線の新ターミナルは2016年5月に操業開始となったばかりらしく、建物の中は思いの外ちゃんとしてた。ただ、インド人の乗客マナーはちゃんとしてなくて、割り込みが露骨すぎてえげつなく、前方に少しでもオープンスペースを許してしまうと強引に突っ込んでくる。いくらYeti Airlines You Come Firstと書かれてるからって、それはないよ!

ひだり みぎ
カフェやコンビニ的なお店もあるが、ビジネスクラスラウンジは無い。そもそも飛行機にビジネスクラスがないんだから仕方無いっすね。

ひだり みぎ
空港に早く着きすぎたのでコーヒーでも…と思って値段を見るとびっくり。空港内市内の物価感覚との乖離が激しい値付けになっているので要注意。缶ジュースやペットボトルの水ですら400円ほどと、町中の10倍ほどのアコギな価格設定になっている。市内で400円出せば腹いっぱい旨い飯を食べれますからね…


閑古鳥無くカフェの隣で大行列を見せる仏陀エアのチェックインカウンター。いくら今やネパールはヒンドゥー教国になったとはいえ、やぱり人気では雪男より仏陀ということだろう。雪男なんか信じててもご利益なさそうだからまぁしゃーない。

ひだり みぎ
出発1時間前となったので、チェックイン開始。搭乗券もしっかりしていて印象は悪くない。座席も自由席じゃなかったしw 搭乗時に全力ダッシュして特等席を確保できるよう丹念に足回りの筋肉をほぐしてきたんですけどねw

イエティ航空NYT891便 カトマンズ⇒バイラワ


機体までの移動はもちろんタタ製のランプバスで。インド国境から数キロのバイラワに向かう便だからか、バスの中は圧倒的なまでのインド臭に支配されている。


本日の機材はイエティ航空の主力であるATR-72。もっとおんぼろで小さなボロ機材かと思っていたので、これは嬉しい誤算。


客室乗務員さんもまともだし。中々良いじゃないかイエティ航空君。

ひだり みぎ
ひだり みぎ

座席に着くと、朝一の便のはずなのに既に床にゴミが落ちてたりと汚いw 座席スペースが狭いのは仕方がないとはいえ、これだけ汚いと、ちゃんと整備されてるのだろうかと少々不安になる。離陸前からそんなにまざまざと一つ星航空会社の実力をみせつけないでくれよw

ひだり みぎ
しかし、そんな不安をよそに、飛行機はノイズキャンセリングイヤホンの効果を無力化する程のけたたましいプロペラ音とともに無事にテイクオフ。インドとの国境を目指してタライ平原を西へと飛んでいく。


30分の短いフライトにもかかわらず、上空ではキャンディ、ピーナッツ、耳栓代わりの綿が配布され、ピーナッツをぽりぽりとつまみながら隣のインド人主婦と話してる間にバイラワへと到着した。

ひだり みぎ
まさかまさかのオンタイムの到着に歓喜!これで17:25バイラワ発の復路便までバイラワを満喫する時間が十分に取れそうだ。雪男もやればできるんだよ。

ひだり みぎ
タラップを降り、カトマンズのトリブバン空港が立派に思えてくるような、くっそしょっぼいバイラワ空港のターミナルへは汗びちょになりながら徒歩での移動。仏陀生誕の地の玄関口として相応しくする為にと新しくゴータマブッダ国際空港の工事が始まっているらしいのだが、地震やらインドからの経済封鎖やら、元受けの中国企業の契約違反やらで完成が遅れに遅れているのだと。

で、だ。バイラワからインド国境との町バイラワからルンビニまでの22kmの移動をどうするのかが次のクリアすべき問題。歩いて修行して回った仏陀には悪いが、くっそ暑いしハーフマラソン気取りで走っていく気にもなれんしな。まぁ空港の外にリキシャの車夫が屯してるだろうし、移動手段の確保には事欠かんだろ!
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と思いきや、空港の外にいるのは家族の迎えで来てる男衆ばかりで拍子抜け。え?観光客の僕がここにいるんですが、誰も声をかけてくれないの?もしかして、本当にもしかしてだけど現地のインド人と間違えられてリキシャマンから声をかけられないのかなとも思ったりして、ガイドブックを手に持ってアピールするも、声がかからないw

ひだり みぎ
山崎まさよしの「僕はここにいる」が虚しく脳内に流れる中、とりあえず空港前の幹線道路に出てみたはいいが、バスターミナルも何も見当たらないw ここからどうやってルンビニまで行けばいいんだw



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一つ星評価のイエティ航空(Yeti Airlines)でネパール国内線便を発券

昨年のネパール旅行の時の話。いくら沈没者の聖地とはいえ、カトマンズに留まり続けるのは勿体なく思えたので、思い付きでインドとの国境近くにある釈迦生誕の聖地・ルンビニへの日帰り旅行を決定した。

そこでネパール国内線のフライト情報を調べてみると、イエティ航空なる洒落た名前の航空会社がカトマンズからルンビニ近くのバイラワ空港に直行便を飛ばしていることが分かった。
イエティといえば、全身毛むくじゃらで直立二足歩行をするヒマラヤの雪男。「それって熊じゃね?」と各方面から突っ込まれながらも、一応はヒマラヤ山脈に潜む未確認動物扱いの伝説的な生き物だ。

そんな生き物の名前を関した航空会社がイエティ航空。日本風に言えば、「ネッシー航空」「カッパ航空」的な感じかね。

あまり馴染みのある航空会社ではなかったのでグーグル先生に相談してみると、「イエティ航空」とタイプしただけで一番先に出てくるのが「イエティ航空 事故」、次いで「ネパール 飛行機 事故 多い」…

でも、言われてみたら、確かにネパールって頻繁に飛行機事故を起こしてる気がする。直近でも、2016年にもタラ・エアがやらかし、2018年にもUSバングラ航空が滑走路をオーバーランして大規模な炎上事故を起こしているし。

これってひょっとしてガチでヤバいやつなんじゃ…

エアラインレーティングの安全度ランキングを見てみると、400を超える対象航空会社のうち1つ星評価は5社で、その内イエティ航空とナショナルフラッグのネパール航空を含む3社をネパール勢が占めている…
因みにもう2社の1つ星航空会社は北朝鮮の高麗と、2008・2009・2010と3年連続で事故を起こしたスリナム共和国のBlue Wingという納得のランキングになっている。

機体の老朽化やコスト削減のための整備不良に加え、山岳地帯にあるネパールの空港の離発着の難易度の高さ等など、様々な要因が絡まってのことなんだろうけど…実際のところイエティ航空ってどうなんだろう。

利用者の声を聞いてみた。

イエティ航空の最新レビュー20件の内、じつに15件が1つ星評価w。非難轟轟、怨言の雨嵐でくっそワロタ。

いっそのこと夜行バスで行ったるか!そもそもあんな空飛ぶ鉄の塊みたいな危なそうな物に乗るからだめなんや!

「ネパール バス」で調べてみると…「ネパール バス 崖」「ネパール バス 事故」「ネパール 邦人 死亡」なんてワードばかりが提案されてきた。何で移動しようがリスクが伴うのね、ネパールでは。

2018年10月28日にはカトマンズ行きのバスが川への転落事故を起こしている。以下、在ネパール日本国大使館からのメッセージ。

10月30日
夜行バスの重大事故発生に伴う注意喚起
ネパール在留邦人の皆様及び旅行者の皆様へ
在ネパール日本国大使館
(内容)
1.10月28日早朝6時頃、ネパール首都カトマンズの西約60キロのダディン郡での幹線道路プレティビーハイウェイにて、サプタリ郡からナランガード・ムグリン道路を通ってカトマンズに向かっていた50名以上を乗せていた大型バスがトリスリ川(Trishuli River)に転落し、少なくとも31名が死亡、16名が負傷する大事故が発生しました。現在までのところ日本人被害の情報は入っていません。
2.ネパールでは、天候、季節、各種イベントによって交通障害が起こりやすく、予定通りに運行できないことが頻繁に起こります。ドライバーはこれらで起こった遅延を取り戻すべく、過度にスピードを出したり、無理な運行状況下でも走行したりしたりするので、このような大事故が度々発生しております。交通手段選択時は、安易に値段だけで決定せず、天候、季節、道路運行状況、風評、各種イベントの実施状況などを考慮して慎重に選んで移動してください。

「交通手段選択時は安易に値段だけで決定せず…慎重に選んで移動してください。」とあるが、どの交通手段もダメで完全に詰んでるんだが。インド国境まで歩いて行けってか?

イエティ航空オフィシャルサイトでオンライン発券

リスクはあるが…釈迦生誕の聖地に行くのだから釈迦が護ってくれるだろ!なんて軽い気持ちで、結局イエティ航空での日帰りルンビニ観光を敢行することに。

発券はイエティ航空のオフィシャルサイトにて。

意外とと言ったら失礼だが、1つ星エアラインの割にはまともなホームページで、予約は実に簡単だった。


ルンビニの最寄空港であるバイラワまで35分のフライトで、片道込々US$106.72。予約完了と同時にEチケットがメールで送られてくるので、こいつをスクリーンショットに保存するか印刷して出発当日に空港に持っていけば良い。

イエティ航空オフィスを訪問

ただ、いかんせん日帰り旅行になるもんで、飛行機が欠航したり遅延した場合のことだけが心配。

ホテル近くにイエティ航空のオフィスがあったので、きちんと予約が通っているかどうかも含めて色々と確かめにいくことに。リコンファーム無しで予約を蹴落とされたみたいなことになっても嫌だし。


タメルのド中心の雑居ビルの二階にあるイエティ航空オフィス。子会社のTara Airのオフィスも兼ねているようなのだが…このTara Air、どこかで見たことがあると思ったら、イエティ航空・ネパール航空と並んで1つ星エアラインの認定を受けたネパールが誇る1つ星三羽烏の1角だったな。



オフィスは地方にある中小企業の受付かのような雰囲気。壁際には山積みの書類がエベレスト並みの高さまで積み重なっており、スタッフ二名は電話対応に追われていて忙しそう。

5分ほどするとバックオフィスから1名の男性スタッフがやってきたので、捕まえて話を聞いてみることに。

私:オンラインで明日のカトマンズ⇔バイラワ(ルンビニの最寄空港)の航空券を購入したのですが、予約は入ってますか?
係:確認してみる。
係:(10分後)予約されていた。航空券を印刷してしんぜよう。でも、日帰りでバイラワ行くとか意味不明。
私:充分な時間が取れなくて。大幅に遅延したり欠航したら困るのですが、その点はどうでしょうか?
係:運次第じゃね?直近1か月で欠航したことないし、大丈夫だとは思うよ。
私:座席指定はできますか?窓際で景色を楽しみたいのですが。
係:そういうシステムは無いんだよねー。

やたらと軽いノリのスタッフだったけど、無事に予約が確認できてて胸を撫で下ろす。直近で欠航したこともないようだし。


07:30にカトマンズを発ち、17:25バイラワ発の便で戻ってくる計画。あとは当日に時間通りに飛んでくれること、いや、墜落することなく飛んでくれることを祈るのみ。神、否、雪男イエティのご加護があらんことを。

会員プログラム Sky Club

ひだり みぎ
イエティの足跡がロゴのイエティ航空。一丁前にFFPプログラムも用意されています。
参照:https://www.yetiairlines.com/article/sky-club-benefits


提携ホテルやレストランのネットワークはネパール全土に広がっている。

と、まあ。意外に普通そうな印象を受けたイエティ航空。実際のフライトはどうだったのでしょうか。次回の搭乗記に続きます。



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