この日の宿泊先も旧SPG系列のホテル。お初となるトゥエルブ衡山ラグジュアリーコレクションホテル上海(上海衡山路十二号豪華精選酒店/Twelve at Hengshan, A Luxury Collection Hotel, Shanghai)に泊まってみることに。ここは宿泊費もずーっと強気で天下のリッツカールトンよりもお高い1,000元台後半で高止まりした状態が続いているし、マリオットリワードカテゴリーも中国にしては高めの6。ネットで見る限り評判も上々だし、でもその割には周りに泊まったことがある人も少なくて。ずーっと気になってたんですよね、何ゆえの高評価なのかと。やっとその答えを探しに行く機会に恵まれました。
ホテルのある衡山路は旧租界地の名残を残す、上海の中のレトロエリア。通りには緑のトンネルのようなプラタナス並木が続き、高級住宅街のような優雅さある一帯となっている。
衡山路駅周辺はフランス租界となっていたことから、歴史ある洋館を改装したバーやショップ、アンティークを売るアトリエなんかが入る洋風の赤煉瓦建築なんかが立ち並ぶ。同じ租界と言っても日本租界とは大違いの雰囲気だ。
そんな中国らしからぬ街並みの、プラタナスの林の中に隠れるようにひっそりと佇むTwelve Hengshan Hotel。衝山路の駅には初めて降りたったけど、地下鉄1号線の衝山路駅が目の前という都心ど真ん中の立地に、これだけ落ち着きある場所があるのかと驚かされた。
ベルボーイやドアマンがいる訳ではなく自力で入館してみると、エントランス真正面に並んだ12支像がお出迎えしてくれた。ただ、それぞれ首から上のみの像になっているし、真正面を睨みつけるような迫真の表情となっているので、晒し首のようで少々不気味。基本、皆さんなんでか悪人面だし。
他にもラグジュアリーコレクションらしくプライベートアートが並ぶけど、私みたいな素人にはコンセプトが良く伝わらない。
そんな十二支像の先の吹き抜けの反対側にはフロントが。そして吹き抜けの右側は…
幸せの階段を右手に見ながら吹き抜けの奥のフロントデスクへと進むと、シンプル・コンパクトなコンテンポラリーチャイニーズといった雰囲気の空間に出る。客層は西洋人のビジネスマンが多いのかと予想していたが、利用者の大多数は中国香港系の方だった。この日だけのことかもしれないけど、これは意外だったな。
光が燦々と差し込み非常に明るく気持ちの良いフロント周り。その背後は吹き抜けの庭園となっていて、その庭園の周囲を取り囲むようにアールデコ調の宿泊棟が建っている。真ん中を刳り抜いた小判みたいな形の建物というか。風水的に縁起が良さそうなのは間違いない。ここで運気アップじゃ!
分かりずらいけど、白度の衛星マップで上から見降ろしたらこんな感じ。衡山路に面したフロントスペースにレストランやらスパが入り、その背後に中央の吹き抜けをガーデンとした客室棟が控えるイメージ。客室棟は幹線道路である衡山路の奥まったところに位置するので、低層階だけど中国の喧騒に悩まされることはなさそう。これぞ都会の中のオアシスである。
プラチナ特典
プラチナエリートアンバサダーでもホテルの対応は平のプラチナとなんら変わらないという場合が殆どなんだけど、ここでは一応VIP扱いということになっていた。どうしてVIP対応だと分かるか?プラチナ特典が書かれた案内書を包む封筒に手書きで大きくVIPと書き殴られてましたからw きっとこれ、封筒から取り出して案内書だけ渡すはずだったんだろうなーなんて思いながら案内書を受け取ると、以下の様なベネフィットが紹介されていた。
【主なプラチナ特典】
・アップグレード(空室状況による)
・16:00までのレイトチェックアウト
・ロビーバーでのカクテルアワー
・ミニバーのソフトドリンクとビール飲み放題
・ウェルカムギフト(朝食、1,000ポイント、ローカルギフトから選択)
部屋カテゴリー
全8カテゴリーのルームが用意されていて、基本的にはガーデンに面して静かな内側の部屋の方が外側よりハイクラスという設定らしい。
・デラックスルーム
・プレミアルーム
・コートヤードルーム
・スタジオスイート
・コートヤードスイート
・グランドスイート
・衡山スイート
・プレジデンシャルスイート
今回も最安値のデラックスルームで予約していたところ、VIPパワー発動により5段階アップグレードのグランドスイートにお通し頂けることになった。
白と茶の2色でシンプルながらも高級感あるホールウェイを歩いて部屋へと向かう。ビジネス利用がメインで週末は稼働率が落ちるのか、ホールウェイで他の利用客をみかけることは一度もなかった。天国のように静かでしたよ、ほんと。気持ち良すぎて昇天しちゃいそうだった。
部屋:グランドスイート
ソフトなパステルカラーで統一された室内。ドアから向かって右側にソファー、左手にミニバー等々を収納するスペースにテレビ、その奥にはデスク、円形ソファ(ラブソファというらしい)、オットマン付きパーソナルソファ、ベッドと並ぶ。
デスク。木材の質感がまた良いこと。やっぱデスクはグラスよりウッドだよな、ウッド。
デスクの背後はガーデンビューのバルコニー。待ってましたとばかりに蚊の集団の急襲を受けたので速攻で室内へと退避する。広州では蚊や蝿を不妊化技術を駆使して蚊の数を間引くことに成功!なんてニュースの記事を目にしたけど、ここ上海ではやってないのか不妊虫放飼。
デスクからエントランス方面の絵。シンプルなデザインがらもチープさは一切感じないし、寧ろシンプルな中に高級感すら漂わせている。
エントランスを入ってホワイエの左手にはミニバー等々が収納されている。冷蔵庫のソフトドリンクとビールは飲み放題。連泊したら毎日補充をしてくれるらしい。ドイツからの輸入ビールやWatson’sもあるし、決して安っぽいラインナップではない。ミニバー無料!と大々的に宣伝しといて水とコーラだけなんてパターンもありますからね。それにくらべればこちらは非常に良心的。
ウェルカムフルーツだけでなく焼きたてのクッキーまで頂けるし、わざわざ客室マネージャーが挨拶にもきてくれた。こういった手厚い対応が高評価に繋がっているのであろう。
続いてデスクから左手のベッド方面を。シノワズリー様式のヘッドボードとラブソファのオレンジのクッションが良い感じのアクセントになっている。ラブソファ自体はスペースを埋める為だけに置かれた感が強いけど、配色が絶妙じゃないですか。ベッドサイドのランプシェードを含めて色のバランスが絶妙。
ベッドサイドの照明調節は各国言語対応のタッチパネル式モニターで。空調調整なんかもこちらで済ますことができるし、バトラーも呼びつけられるらしい。
スペースが3つに区切られていて、一番手前の左右スペースはクローゼットになっている。
真ん中左手はシンクで、右手がバスタブ。ここにも埋め込み型のテレビが設置されていて、ワンルームスイートなのにテレビが3つもあるということになる。風呂に浸かりながらテレビ、ベッドでごろんごろんしながらテレビ、ラブソファでいちゃつきながらテレビ、ソファで中華料理をつまみながらテレビ。テレビっ子には堪らんでしょう。
バスアメニティはロクシタンで、中華風の容器の中には2種類のバスソルトも用意されていた。
奥左手がシャワーブースで、右手がトイレという構成。さすがにトイレにはテレビはありませんでした。
カクテルアワー
クラブラウンジはないけれど、カクテルアワーは1階のロビーラウンジで17:30-19:30の2時間限定で楽しめる。利用客は殆どおらず、プラチナ会員以外の宿泊者にも有料(200元)で開放し始めたといっていたが…そもそもこの日は宿泊客自体が異常に少ないようで、カクテルアワー独り占めという状態だった。
ホットミールはラウンジ飯にしては変わり種揃い。オイスターロックフェラー、ラムチョップなどはどういった客層を意識したメニューなのか…正直あまり口に合わんかった。味付けもワンパターンでどの料理も同じような感じだし。
一口サイズのデザートセクション。デザートも種類豊富で良かったし、フルーツも新鮮だったのでホットミールを食わずとも全然いけた。
ドリンクも一人独占状態。最後はボトルをラッパ飲みしたいくらいの勢いで、スパークリングワインをグビグビいかせてもらいました。
朝食
朝食はテラス席もあったけど、昨日の蚊の猛攻を思い出して室内で頂くことに。
ミールの種類は豊富という訳ではないけれど、麺料理の具材であるエビがごっつかったのと、お好み生絞りジュースを作ってくれたのはプラス。
プール
プールもサウナも良かったし、ここ住みたいわ。数週間単位の上海出張が入ったら間違いなくここを選択すると思う。
所感
短期観光となるとやっぱり外灘や陸家嘴あたりのホテルやWとかインディゴいった上海ならではのブティックホテルが良いかと思うけど、長期滞在する場合にはこちらも選択肢として良いと思う。とにかく静かだし、地下鉄の駅が目の前にあって便利だし。上海都心部にこれだけゆっくりと安らげるタイプのホテルがあるとわな。
【トゥエルブ衡山ラグジュアリーコレクションホテル上海(上海衡山路十二号豪華精選酒店)】
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住所:中国上海徐汇区衡山路12号
マリオットリワードカテゴリー:6
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