永陵博物館で見る前蜀開祖・王建の墓 楽山・成都旅行7

成都一日目、宿泊先のJWマリオットに荷物を下ろして身軽になった後に成都での行動を開始。先ずはタクシーで永陵博物館を目指す。

永陵は中国五代十国時代(907年-960年)に勃興した王朝の一つで、成都を中心に今の四川省一帯に支配体制を築いた前蜀の開国皇帝・王建の帝陵になる。全国唯一の地上皇帝の墓として知られ、もちろん全国重要文化財にも指定されている成都を代表する観光地の一つである。王建って学生時代の世界史で屈指の武骨・無頼の徒キャラみたいな感じで習った記憶があるから楽しみだわ。

ホテルからタクシーで30分弱、運賃は35元だった。バスでも来れたんだけど、ホテルのカクテルアワーまでに戻りたかったので、時間優先でタクシーを使ってしまった。

ひだり みぎ
入場料20元を支払い入口の門をくぐると、正面に王建の古墳である地宮への神道があり、両脇に石馬・瑞獣・武将・文臣の石像が並んでいる。

ひだり みぎ
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神社の日本庭園かのように整備が整えられた敷地内には不気味な像が建っていてスピリチュアルな雰囲気。他に参拝客はおらず、奇妙な静けさが漂っている。


いったん古墳はスルーして、先ずは古墳の奥の永陵公園にある博物館で前蜀についておさらいする。学生時代に習った世界史の知識なんて殆ど薄れかかってるからな。時代背景とか知った上で古墳を見た方が感動もひとしおだろうし。


唐の刺史だった王建(847-918)は907年に唐が後梁に滅ぼされると、後梁の支配を嫌って自ら帝を名乗り建国、国号を大蜀とした。

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戦に臨む王建と当時の成都。若かりし頃は塩の密売や家畜の屠殺、盗窃などを生業として「賊王八」などと揶揄されていた王建だが、黄巣の乱で官軍に参加して軍功を上げてから運命が一変。全くの無学でははあったが戦闘能力を高く評価され、唐の昭宗により蜀の王にまで任命されている。

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そんな軍人上がりの豪傑な皇帝のエピソードが惜しげもなく披露されている。

ひだり みぎ
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918年に前蜀を興した王建が他界。前蜀は激しい相続争いの跡に王建の末子・王衍に継がれたが、搾取的な政策で民心は急速に離反。925年に後唐軍が侵攻してくると抵抗する者がおらず、あっさりと滅ぼされた。実に短命で、世界史的にも存在感の薄い王朝である。

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こちらは王建の墓のモデル。全長24m余の墓室は墳丘をくりぬいて造られている。上部が円形で、前・中・後室の3室構成となっているようだ。

博物館の見学を終えたところで、実際に王建の墓に入ってみた。1000年以上も前の古墳の中に立ち入ることができるとか貴重な体験だ。
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古墳へと続く暗ーい地下トンネルを独り通ると、死者の霊魂によるものという訳ではないだろうが、すっごい悪寒が走る。


途中から床がスケルトンになって下の古墳が見える。前は参拝客が直に古墳を踏んでいたが、最近の改修により保護の為にガラスが取り付けられたらしい。最初から保護しとけよw

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30メートルほど歩いただろうか。すると、仰々しい赤の大門が目の前に現れた。雰囲気が本気過ぎてチビリそうw

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陵墓は直径80m程ので、中心の墓室は全長約23m程。中央に置かれた石棺の側面には楽隊や踊り子が彫り込まれ、棺を置く石台の周りを管楽体・鼓楽隊から成る二十四楽伎と十二神像が囲んでいる。お墓の中ということで、やはり霊気のようなものを背中に感じる…ような気がしないでもない。

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石棺の側面に刻まれた楽隊や踊り子のレリーフ。思い思いに舞い音楽を演じる二十四人の女性のレリーフの保存状態は頗る良い。琵琶・琴・鼓・笙などの楽器も見て取れ、唐代宮廷女子楽隊の往事の様が伝わってくる。唐代芸術の中でも価値の高い一品だ。


棺の奥の後室には何気なく紅砂岩製の王建石刻坐像が置かれてる。

室内は薄暗い中に迫力ある石棺が浮かび上がっていてホント雰囲気マックス。規模は小さいとはいえ、20元で1000年以上前の古墳に入れる貴重な観光地なのに、イマイチ永陵博物館が日本人観光客に広く認知されてないのは前蜀の存在感の無さによるものなのかな…。

【永陵博物館・王建の墓】

住所:成都市金牛区永陵路10号
開館時間:08:30-18:00(入場は17:30まで)
入場料:20元


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【2017年成都・楽山旅行記】












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