ほのぼのとしたホイアン民俗博物館

続いて、南国風の椰子の木が立ち並ぶ川辺のバクダン通りにやってきた。ライトアップされた光が川面に見事に反射される夜も幻想的で美しかったが、日中は日中で切り絵の中の世界のようなノスタルジックな雰囲気が漂い、散歩をしていてワクワクする。きっと、江戸時代の朱印船商人も遠くホイアンの地で同じような感想を持ったに違いない。

ひだり みぎ
木彫りの工芸村・キムボン行きの船乗り場。地元民がバイクもろとも乗船してる。


船着き場前にあるホイアン民族博物館で2枚目の観光チケットを消費することに。2階建ての伝統家屋の中にホイアンの伝統文化や歴史、生活風習にまつわる600以上の模型やパネルが並べれられている日本で言うところの郷土資料館のような博物館のよう。昔のホイアンの人々がどんな暮らしをしていたのかを理解するぴったりの博物館のようだ。


シンプルながらも美しい館内。1階・2階の各部屋に細々とした展示物が並べられている。説明書きは少ないうえにベトナム語メインなので、ベトナム語が分からない場合はちとキツイ。ガイドが欲しいが学芸員的な人はいないようだし…

ひだり みぎ
こちらでは、蚕から取った糸を紡いで織ってと、絹織物を作る過程が順を追って説明されている。美しいシルク製のアオザイも機織り機で蚕の糸から作られる。


不気味なマネキンによる裁断&縫製加工。


染色も自在。


採光の為に設けられた中庭を挟んで家屋の反対側へ。建物全体が余りベトナムらしく感じないのは、ホイアンが港町として色々な国の文化を吸収・折衷してきたからか。


こちらは陶芸の説明のようだ。一人が脚轆轤を回し、もう一人が両の手を使って陶器を成形する。轆轤回転役は空いた手で生地をこねているようだ。


ホイアンの町の道端では小物陶器が売られているのをよく目にするが、陶器作りはホイアンの伝統文芸だったんですね。

ひだり みぎ
続いて二階へと上がらせてもらう。静寂に包まれ、何ともいえない厳粛な空気が流れている。

ひだり みぎ
二階は庶民の生活風景を表した模型やパネルの展示がメイン。右の写真のこちらは聖なる「ユニコーンダンス」、まぁ中国で言うところの旧正月の獅子舞かな。これは17世紀に庶民の間で広まり踊られたお祭り風景で、中秋節になると、ランタンや月の光で溢れた道に沿って演者がユニコーンダンスを披露する。悪霊の魂を追い払い、幸福、五穀豊饒、人々の健康・繁栄を祈る目的があったそうだ。

ひだり みぎ

ひだり みぎ
ホイアンは港町と言えども、郊外は田園風景が続く田舎町。田植えや農業に纏わる展示物も数多く並べられている。


案山子かと思ったが、後ろの写真を見ると、椰子の葉で作られたレインコートのようだ。ヤシの葉で葺いた小屋もあるなど、天然資源が有効活用されているのが伝わってくる。


こちらの絵画は17世紀に日本の長崎から出発した朱印船がホイアンに到着する様子を描いたもの。このような絵画は日本では多く描かれ、当時のベトナムの王朝に献上していたとされている。うぉー、お宝じゃんと思ったが、こちらはレプリカとのこと。


一通り見学を終えて建物の一番奥に行くと、裏口のグエンタイホック通りからも出入りできるようになっていた。ちょうどグエンタイホック通りの手工芸品ワークショップに行きたいと思っていたので好都合である。

【ホイアン民俗博物館/Bao Tang Van Hoa Dan Gian Hoi An】
住所: 33 Nguyen Thai Hoc; 62 Bach Dang, Hoi An, Vietnam
電話番号:391-0948
営業時間:8:00-17:30



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【2014年ホイアン・ダナン旅行記】




















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