オールドドバイを見て回る バールドバイ地区、デイラ地区に三大スーク

最新技術を駆使して造られた近代的高層ビル満載の大都市と知られるドバイですが、たかだか数十年前まではクリークという運河沿いに開けた小さな小さな漁村でした。

ただ、もちろん、とんでもなく高くとんでもなく奇抜でゴージャスな高層ビル群が町を覆いつくす前にもドバイの地を基盤として生活を営んでいた“原住民”はいたわけで、ドバイにも下町と呼ばれるエリアがあるわけなのです。今日は、そんな下町情緒が残されたドバイ発祥の地と呼ばれるオールドドバイというエリアを歩いてみることにします。

グーグル先生にお伺してみると、ドバイ発祥の地とされるのは、クリークを挟んで南北に広がるバールドバイ地区デイラ地区。このクリークの両岸にはゴールドスーク・スパイススーク・オールドスークというドバイ三大スークに代表される伝統的な下町が残されていて、近現代的成金タウンとは違ったアラビアンな風情を感じ取ることができるそうです。ありがとうグーグル大先生!

クリークの東側がデイラ地区、西側がバールドバイ地区となっていて、両地区間の移動はアブラと呼ばれる渡し船で5分ほど。ここら一帯はオールドドバイの中心地区とされるだけあって、クリークの両岸には観光スポットが集まってます。

【バールドバイ地区の主な見どころ】
ドバイ博物館
アル・ファヒディ歴史地区(アル・バスタキヤ)
オールドスーク

【デイラ地区の主な見どころ】
スパイススーク
ゴールドスーク
ヘリテージハウス
アルアハマディアスクール


宿泊先近くの歩道橋からの景色は完全に未来都市なんですが、タクシーで15分も走ればドバイの下町が見えてきます。

バールドバイ地区(Bur Dubai)

先ずはドバイ建国初期に形成された市街地を起源とする歴史地区・バールドバイへ。

ドバイ博物館:
バールドバイ地区の中心にあるのがドバイ博物館。

伝統的な木造航海船のモニュメントと、1761年に建てられた要塞を基にした古めかしい建物が目印。

下町風情溢れる街並みに溶け込むようにして建つドバイ博物館は、元々フォートとして建造された歴史ある建物だそう。その後、刑務所や首長の住居として使われてきましたが、1971年にドバイ博物館として一般開放されることになったそう。


激込みのドバイ博物館。入場料はAED3(JPY≒100)と激安なんだけど、お釣りが一切貰えないのでウザかった。おいインド人BBA、お前の腕の横にお釣り用の小銭が山ほどあるやんけ!と突っ込みたかったが…何を言っても仏頂面で「No Change!!!」の一点張り。
お釣りが無いというより、お釣りを渡さないルールということだったのかな。そうならそうと、プライスリストに「AED3(但し、ノーチェンジ)」と書けば良いのに。あれだとがめつい悪徳BBAが小銭をせしめてるようにしか見えんかったわ。


結局、近くのキオスクで飲料水を買うことで小銭を調達してインド人BBAの関所を突破。
関所の奥に広がる中庭には、古代アラブ世界でアラビア海・インド洋を舞台に活躍した伝統的な木造帆船や伝統家屋が控えめに並んでいる。せっかく難攻不落のBBAを頑張って突破して入ったのに、はっきりってパッと見は激しくしょぼい。

ひだり みぎ
日干し煉瓦の壁とヤシの木で作られた家屋、その周りに石油が発掘される前の庶民の慎ましやかな生活に関する展示物が展示されてる。炊事場跡やベッド、日用品などなど、今のドバイの発展ぶりから考えると信じられないような、小さく質素な家屋に観光客の群衆が押し寄せていた。

地上の展示物ははっきりいってしょぼくてDh3の価格相応なのでサラッとやり過ごし、地下の展示コーナーに時間をかけるのが得策っすね。外は暑いですし。

地下の展示室は古い外観とは反対に中はクーラーも効き、近代的な内装となっています。ここでは、漁村から近代的都市へと変貌を遂げたドバイの近現代史をドヤるための映像やパネル、石油が出る前のアラブ人の伝統的な暮らしぶりを再現した小部屋や蝋人形、有史以前のアラビア半島の遺跡の再現模型などが並んでいます。
最初に持ってきがちな古代の展示を最後尾に回し、近現代の発展ぶりで最初にドヤってくるあたりがドバイっぽい。

さあいきますよ、ドバイの発展ぶりに刮目せよ!

こちらは1822年時点でのクリークですが、本当に何もありません。

そんな何もない僻地の漁村でしかなかったドバイは、第二次世界大戦後にオイルマネーで確変モードに。超急速な発展を遂げていきます。
ひだり みぎ
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1980年にはたかだか28万人ほどだった人口は95年には70万人に、2018年時点の人口は314万人へと膨れ上がった。
ドバイ世界貿易センターや経済特区を設立して海外資本を誘致し、海外に広く門戸を開いて石油だけに頼らない国づくりを行ったのが功を奏した形となったのですが、僅か30年~40年ほどで僻地の漁村がここまでの大変革を遂げるものかと、年代ごとのパネルを追ってみていくと、改めてその異常な発展ペースに改めて驚かされます。

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ドバイがドヤる凄まじい発展の歴史に目を見張ったところで更に順路を進んでいくと、お次はドバイ発展前のアラブ世界の街の様子が再現される薄暗いコーナーに入ります。当時のスークの再現や、遊牧民・ベドウィンの人々の暮らしの再現、伝統衣装の紹介などなど。キモいぐらいにリアルな蝋人形が並びます。

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更に時代を遡り、お次は遺跡コーナー。紀元前の石器や人骨、遺跡の再現などなどが並んでいますが、正直、ここらへんは近現代史のオマケ程度の内容っす。歴史の浅い国の博物館アルアルなのかもですが、歴史を遡っていくにつれて展示品の内容が弱くなっていきます。


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最後はきらびやかな土産物屋で締め。

速足で見れば1時間足らずで見て回れます。正直、わざわざ博物館で見る必要もないかな程度の展示品ですけど、外がっこまで暑いので、クーラーで冷やされた室内に入って休めるだけAED3.0の価値はあるかと思います。

【ドバイ博物館(Dubai Museum)】
所在地:Opposite of Grand Mosque-Al. Fahidi St., Dubai
営業時間:08時30分-20:30(金 14:30分-)
入場料:大人(6歳以上)AED3、子供(5歳未満)AED1

アル・ファヒディ歴史地区 Al Fahidi Historical District(アル・バスタキヤ):
続いて、ドバイ博物館のすぐ近くに広がるアル・ファヒディ歴史地区(アル・バスタキヤ)へ。

こちらは超近代的な成金リゾート都市に変貌を遂げる前のドバイになる以前の昔ながらの街並みが保存された歴史地区で、まさにドバイの原点とも言えるような場所。既に人は住んでおらず、歴史的建造物が観光客用のレストランやアートギャラリーなどの商業施設として再開発されたらしい。上海でいうところの田子坊みたいな?

約31,000㎡の敷地に、19世紀中頃から1970年代まで使われていた約60棟の建物が並ぶ。
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今でこそ高層ビルの林立する超大都市となったドバイですが、ちょい前のドバイの街並みはこんな素朴だったんすね。狭ーい路地の両側にベージュ色の建物が迷路の様に延々と続いてます。これぞ砂漠の町!と思えてくる乾いた黄褐色の世界です。

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サンドベージュ色の高い壁に囲まれた細い路地に迷い込むと、まるで古き良きアラブ世界にタイムトリップしたかような気分になってくるようなこないような…ただ、如何せん規模も小さければ店も少なすぎる。ちょこちょこっとしたギャラリーやオシャレカフェが数店舗あるくらいで、田子坊の規模には到底及ばないっす。


外に出されたギャラリーの作品を見て回るくらいであれば、30分もあれば十分。ちょっと小綺麗に保護・整備されすぎてて、情緒満点というわけでもなかったっすね。

ドバイオールドスーク(テキスタイルスーク):
アル・ファヒディ歴史地区からグランドモスクの方角へと歩いていくと、こちらもアラビアンな雰囲気のアーケードが見えてきます。
ここら一帯はオールドスーク(テキスタイルスーク)と呼ばれる生地屋街。インドなど南アジアの民族衣装やアラブ装束の仕立て屋が並んでいるようで、カラフルな生地が各商店の内外に並んでます。

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生地屋や仕立て屋が密集するエリアを抜けると、更に雑多な雰囲気になってきて、オリジナル香水を調合できるフラグメントショップや、シーシャ、トルコランプ、アラブ雑貨、アラジンパンツなどなど、中東土産を取り扱う小さな店舗が増えてくる。
ここら一帯は観光客をカモにする強引な客引きや粗悪品を掴ませようとする悪徳業者も多そうっすね。
いかにも胡散臭い風貌の店主が「このランプは絶対壊れないよ!」とかいって無理やり手に取らそうとしてきたけど、手に取った瞬間にぶっ壊れたのには草も生えなかったわw また、ランプを手に取らせようとするだけでなく、腕を引っ張って店内に引き込もうとしたり、いきなり頭にショールをかぶせてきたりしてきてウザ度は高い。

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ニホンゴ!ガリガリクン!ルルブ!ナンデヤネン!ミルダケ!ヤスイヨ!タカイヨ(ダメじゃんw)などなど、細い通りの両サイドの店からのアピールが激しすぎて、ゆっくりと買い物を楽しむという雰囲気ではありません。
無関心を装って無視しても武力行使で強引に腕を引っ張ってきたりするので、かなりヤバい。面白い人達なんだけど、腕掴んで店内に連行したり、スカーフ巻き付け逃がさないようにしたり、後ろから羽交い締めでロックオンしたりするのはやり過ぎですわw

アブラ乗り場⇒デイラオールドスーク

スークのすぐ隣には雄大なクリークが流れているので、オールドスークの強引な客引きから逃れるようにアブラに乗船して対岸へ。エキゾチックでアラビアンなバラ撒き用土産を探したかったのに…
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アブラは対岸へ渡る渡し舟。アブラ乗り場はクリークを挟んでバール・ドバイ地区とディラ地区それぞれ2箇所ずつの計4箇所。現地の方も多数利用しているので、ひっきりなしに多数の渡し船が往来してました。

乗り場はバールドバイ、デイラ側それぞれ二箇所ずつ
【バールドドバイ側】
・バールドバイ渡船場(テキスタイルスークの西北端付近)
・ドバイオールドスーク渡船場(南東の端付近)

【デイラ側】
デイラオールドスーク渡船場(スパイススーク付近)
アルサブハ渡船場(バスターミナル付近)

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運賃は対岸に渡るだけであればAED1で、乗船後に船頭に支払う仕組み。また、30分あたりAED60のチャーターフィーを払うことで船を貸切にして川沿いに運航してもらうことも可能。明朗会計なので助かります。


出発は満席になり次第ですが、あっという間に満席になるので一番に乗り込んで2-3分待っただけで出航となりました。

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近未来的な超高層ビルが並ぶドバイ市街地とは別世界で、一昔前のドバイへとタイムトラベルしてきたかのよう。豪華船でのクルーズも良いですが、吹き付ける風を感じながらドバイの大自然クリークを堪能できるアブラも旅行の思い出としては良いかと思います。

デイラ地区(Deira)

アブラで渡った先の対岸にはスパイススークが広がっていて、ターメリックやサフラン、クローブにペッパー、ドライレモンにメースなどなど、細い路地の両側にところ狭しと色鮮やかなスパイスの山が置かれてます。
スパイススーク:

ニーハオ!匂ってみろよー!味見も良いぞー!なんてフレンドリーな声がかかったが、オールドスークの強引な客引きがトラウマになってしまったのか、ここは通り抜けるだけでスルー。

ゴールドスーク:

スパイス・スークの隣に広がるのは、これまた異世界感たっぷりのキンキラキンに輝くゴールドスーク。金製品を取り扱うお店が300店以上も立ち並ぶアーケードの商店街っす。ここでは変な客引きもなく、急かされることなく自分のペースで品定めができる雰囲気で一安心。ばらまき用土産として気軽に買えそうなものは無さそうですが…

眩いばかりに金金金!ホームセンターの切り売り品が如く金が売られてる。
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リング、ブレスレット、ネックレス、ピアスなどなど、まばゆいくらい金だらけ。ありとあらゆる金製品が売られてます。まぁ金のレートなんて世界共通相場なんで、日本と比べて驚くほどお得って感じでもなかったすけどね。加工賃と税金の分だけ安いくらいなんで、値段だけを求めてくると失望するかも。

ショーケースに入ってたアラブ風なデザインのリングに惹かれたけど、結局ここでも買わず終い。三大スークを見て回ったのに戦利品無しという戦果に打ちひしがれながら、次なる目的地のヘリテージハウス、アルアハマディアスクールへと向かいます。

ヘリテージハウス:
ドバイの伝統様式の住宅を再現した博物館。

アルアハマディアスクール:
1912年に設立されたドバイで最も古い学校を再現した博物館。


ひだり みぎ
グーグル先生の情報を頼りに迷路のような細い路地を歩いていく。途中、徐に路地の上に絨毯を敷き始める男衆に遭遇。どうやらお祈りタイムが始まったようで、近くのパキスタン系の仕立て屋やバングラデシュ系飲食店から一人また一人とムスリムの方々が集結。アザーンがかかるころには路地裏の小さな広場があっという間に祈りを捧げる方々で埋め尽くされました。この行事が日課として生活の一部に組み込まれてるって、ほんと凄いっすよね。

ヘリテージハウス、アルアハマディアスクール:

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細い路地にアザーンが響き渡る中を歩き、ようやく辿り着いた博物館。…無情にも改装中につきクローズとなってしまっていました。無情なるアッラー!

ということでオールドドバイを歩いてみましたが、軽~く見て回る分には半日もあれば十分すぎるくらいの小さな規模でした。買い物したり食事したりしても1日あれば十分じゃないっすかね。

ドバイ博物館:1時間
アル・ファヒディ歴史地区:30分
オールドスーク:30分
スパイススーク:15分
ゴールドスーク:30分

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