夜の回民街(北院門)と西安麗晶花園酒店

さーあ、いよいよやってきた今回の旅の最終目的地・西安。この日は西安美食の為に朝から胃袋をセーブしていたので、ホテルで荷解きだけしてから溜まっていた食欲を爆発させるべく夜市へと向かう。

ということで先ずは空港から宿泊先へ。西安一泊目の宿は町の中心に遺る鐘楼から程近い西安麗晶花園酒店。立地至便なデザイナーズホテルで1泊税込188元というまぁまぁお値打ちなレートだった。
ひだり みぎ

部屋数90、2015年に改装されたばかりの真新しいミニホテル。連れ込み宿を彷彿とさせる安っぽいピンクのネオンが気になるところだが、エントランスからロビーフロアへと上がるエレベーターホールからして中華な香りがプンプンだ。

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お湯の出が悪いことやwifi電波が弱い点はマイナス査定となるが、まぁ総合的に見たら価格相応で概ね及第点レベルだろう。なんたってこのお値段で立地条件抜群、お目当ての回族フードストリート・回民街が徒歩圏内にあるので、wifiの接続が多少悪いくらいは目を瞑れる。

ということで…ホテル内の観察は程々に、早速ゴテゴテのライトアップが施された鼓楼の北側に位置する回民街へ。
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回民・回族とは中国で土着化したイスラム教徒のことを指す。主に唐代以降にペルシャ等からシルクロードを辿り中国までやってきたイスラム教徒の方々、その末裔たちまで中国で代々暮らしてきたのである。今日に至るまでの過程で漢族との通婚も進み、宗教以外の中華な風習や言語を受け入れてきたので、同じイスラム教徒のウイグル族とは違い見た目は中国人で北京語もネイティブと完全に土着化してしまっているんだが、それでもイスラム教の戒律に従っているという根拠から漢族とは差別化された存在として扱われている。

こちらが回民街の目抜き通りとなる北院門通り。南北約500メートルに伸びた小路の両脇に、古代中華風建築を利用した西安料理のレストランと露店が見渡す限りに立ち並ぶ。
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通り全体からシシケバブの煙とスパイシーな香辛料の匂いが立ち込め、回族の若者がどこぞやの文化祭のノリで大声張り上げ客引きに精を出している。まるで縁日のようなワイワイガヤガヤとした雰囲気で、世界有数の大都市して栄えていた盛唐時代の長安もこんな賑わいだったんだろうなぁなんて思わせてくれるわ。

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この細長い小路に回族の美食が全て集結していると言っても過言ではないだろう。羊肉の串焼きやナン等の定番メニューから始まり、牛肉拉麺・羊肉灌湯包・牛羊肉泡・酸湯水餃・涼皮・肉挟饃などなど西安料理・回族の清真料理のオンパレード。歩いているだけで涎が出る。

色鮮やかな石榴を搾ってたり餅つきしてたり麺打ちしてたり、清真料理の祭典のようであるし、漢族社会の中でアイデンティティを失わずに生き長らえてきた回族の逞しさが伝わってくる。
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小麦や麺文化がメソポタミアからシルクロード経由で中国に齎されたという史実も多少は関係しているのだろう、ラグメンやビャンビャン麵など麺料理の種類が特に豊富であるようだ。そういや蘭州ラーメンでお馴染みの蘭州もシルクロード上のオアシス都市だしな。


中にはこんな物も。回族の皆様はこれで「うぉぉぉーーー」って食欲が湧くのだろうか、見事に肉だけ剝ぎ取られたグロテスクな家畜の骨なんかも吊るされてる。


さぁ、これだけの美食が勢揃いする中、今宵の晩餐は何にすべしか…。ここは鉄則通り一番繁盛してそうな店に入ってみよう、ということで賈三灌湯包子館なる小店舗に入ってみることに。後日知ることになったのだが、西安のストリートフードといえばココとまで称される有名店らしい。


店内では湯気をモクモクとたてた蒸籠を回族の店員が続々と運び、客で積み上げられた蒸篭の中身を実に美味しそうに食している。高級そうな外観とは違って有名店らしく変に気取ったり色気を出したりすることも無く、実に庶民的な良い雰囲気だ。

自分も見様見真似で店の看板メニューと思われる三鮮灌湯包(1蒸籠8個で16元)と優質牛羊泡馍(16元)を注文。「熱いうちに食されたし!」なんていう忠告と共に5分程でやってきた。

灌湯包は小籠包と同じく薄い皮の中に餡と熱々のスープが詰まった包子であり、黒酢に辣醤を混ぜたピリ辛タレと共に食す。西安名物の泡馍の方は小さく千切られたパン・春雨・肉がごっちゃ混ぜになったスープ料理で、まるで水団のよう。パンなんて腹持ちの良さの為に投入されてるんだろくらいに思ってたけど、スープを吸ったパンの旨さは案外バカに出来ないものである。

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西安の御当地B級グルメ巡りはこれで終わらない。続いて食すはコチラ、西安小吃の代名詞・肉挟饃。トロトロに煮込んだコマ切れの肉をカリカリサクサクに焼かれたパンに挟みこむ西安風ハンバーガーだ。西洋のハンバーガーのようにトマトだのレタスだの野菜など入れずに肉オンリーというガテン系スナックであり、小生の世界の美味しいB級グルメリストの上位に食い込んでくる逸品だ。


肉に垂らし込むタレは店ごとに門外不出の秘伝のレシピで作られていて、上海や広東省で食した肉挟饃は牛丼のように甘味のある醤油ベースのタレが主流だったが、本場・西安の肉挟饃は山椒や桂皮や八角なんかが効いたピリ辛タレ。肉はやっぱり羊かなぁなんて思ってたけど、オーソドックスな牛で癖も無く食べ易かった。


いやー、それにしても口にする物全てが美味かった。帰り際に石榴ジュースやヨーグルトなんかも買っちゃったりして。ただ、新疆各都市や敦煌と比べて物価が明らかに高くなったのが悩みの種。ザクロの生搾りジュースは6元と見積もったが実際は10元。屋台で買った中国版ハンバーガーは10元前後と思いきやまさかの15元。ローカルバスも1元じゃなく2元だったし、西安では今までの物価感覚からかけ離れた値付けの物ばかりである。

【西安麗晶花園酒店と回民街】



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【2017年新疆・敦煌・西安旅行記】











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