長春から車で長白山へ 世界最大のホリデイインエクスプレスに泊まる

長春での満州テーマパーク観光を終え、お次は中国と北朝鮮との国境にそびえ立ち、古来より朝鮮族の聖地として崇め奉られてきた長白山(白頭山)へと向かいます。

長白山(白頭山)と書いたのは、韓国側は「長白山」という呼称は中国による侵略の残滓であるとして主張しており、韓国・朝鮮では白頭山と呼ばれているから。ただ今回行くのはあくまで中国側の観光地として開発された長白山となりますので、以後こちらでは長白山と表記させて頂きます。

長春からは車をチャーターし、北朝鮮との国境沿いを巡る小旅行という形で旅程を組んでみました。
長春から長白山まで400km、更に長白山から350km離れた中国・ロシア・北朝鮮の三カ国の国境が交わる延辺朝鮮族自治州のゴールデントライアングルへ。中露朝の国境沿いを探索した後は、延辺から瀋陽まで高速鉄道で戻りという手配。

車の運転手は延辺住みだという漢族のおっさん。朝一で長春を出発し、全速力で朝鮮方面へと車を走らせます。
今回の手配は全国展開する大手旅行会社に丸投げしたのですが、アサインされてきたオッサンは専属ガイドではなくドライバー。というかたまたま同じタイミングで長春から延辺に移動する予定だっただけの一小市民w
あくまで移動の足だけをお願いするという形での契約内容になっているので、観光地では完全に放置プレーで与えられた時間内であれば自由に楽しむことができるそうです。

長春から2時間ほど走り、ドライバーの要望で服務区(サービスエリア)で一服することに。なんとなく色使いのセンスなんかが漢民族とは違ってるというか。どことなく寂れた朝鮮族の村落臭が早くも漂い始めてきました。

商店に置かれたお酒のラインナップからも、ここが完全に朝鮮文化圏内ということが分かります。個人の密造酒ですか?くらいのクオリティの酒まで置かれてたり、没個性な中国都市圏のサービスエリアと違い、オリジナリティあり道の駅感覚で楽しめます。

無地で使いまわされてきたかのように汚れたボトルとキャップに、簡単に剥がれるラベル…ラベルだけ他の商品のものを取ってつけたような怪しい激安リカーまで売られてます。ほんとそこら辺の村人が山で採ってきたブルーベリーで果実酒作りましたよっていうレベルの代物で、もう長年ここにで放置され続けてきているのか、埃をかぶってる状態です。
こんなんで「おススメですよー(ハナホジー」なんて言われても信じませんよw

さすがに密造酒レベルのものは口にできないので、ここではキレイ目な滋養強壮剤的な酒とブルーベリー酒を調達。店員いわくブルーベリーは中朝国境近辺で履いて捨てるほど採れるらしく、ブルーベリーのゼリーやジャムなんかも在庫一掃ワゴンセールといった具合で大量に売られてました。ますますさっきの果実酒が密造酒のように思えてきてしまう…

休憩後も長白山に向け時速制限いっぱいいっぱいで大爆走。徐々に標高を上げていくにつれ、窓の外の景色にも雰囲気が出てきました。

昼食の鉄鍋炖

昼食は極彩色の内装がまぶしい朝鮮料理のレストランへ。ボックス席の中央に釜を設けた伝統的な“鉄鍋炖”のお店らしい。
メニューは鍋一択で選択の余地はないみたいですが、鍋の中身については肉系・魚系・山菜系など色々とオプションがあるようで、ドライバーが呪文を唱えるかのようにオーダーしてくれました。

鉄鍋炖の”炖”はじっくり煮るという意味。
豚肉、イモ、白菜、キノコ、シラタキなんかの具材が手際よく投下されていき、最後にトウモロコシの饅頭を鍋の淵に張り付けてから醤油ベースのスープを投入。後は蓋をして煮込む。ひたすら煮込む。永遠にも感じられるような長い時間煮込み続け、香ばしい匂いと蒸気が漂いだしてきた頃に蓋をあけ完成です。

特に絶品だったのは饅頭で、スープの蒸気で蒸し焼きされて外カリっ、中フワっ。食材の旨味を吸いつくした深みのある味わいで、助演男優賞どころか完全に主演男優賞級の輝きを見せてくれました。

青空市

続いてフルーツを調達しに青空市へ。プラムが1斤5元、レモンは4斤10元とひたすら安い。

本日一番のヒット商品はこちら。

延辺の朝市でも売られていたのですが、菇茑という見慣れない果物だか植物。 燈籠のような皮に包まれた黄色い宝石のような果実で、プチトマトとサクランボを足して2で割って100の糖分を掛けたような味。酸味の強そうな見た目ですが実際は糖分の塊のような感じで、変なお薬でも使ってるのかもしれませんが美味くて無限に食べれました。

ホテル:Holiday Inn Express

色々と回り道しちゃいましたが、昼過ぎには宿泊先の長白山ホリデイインエクスプレスに到着しました。1,000室超えで世界でも最大級のHoliday inn Expressらしく、どでかい屏風のような建物が特徴的です。
コロナ禍で近くのウェスティンとシェラトンが閉まってて団体客がここに集約されていたこともあり、とにかく混雑っぷりがパなかった。

部屋

バスルームはシャワーだけのスタンダードなHIEX仕様でしたが、客室詰め込み型大箱ホテルの割には面積広めで快適でした。

窓の外には笑っちゃうくらい底抜けに鮮やかで牧歌的な風景が広がっています。これは地上の楽園w

朝食

朝食では、人民様とのトングの取り合い合戦がエグかった。1,000室超えの大型ホテルだけあって朝食会場もそれなりに広いんですが、繁忙期は余裕で会場のキャパを超えてきます。

麺料理も受注生産じゃ追い付かないので、オンデマンドではなく見込み生産。飛ぶように売れていきます。

土地柄なのか、野菜メニュー多め。なんだかんだで結構食べられる味付けではありました。

周辺環境

ここら一帯は長白山国際リゾート区として開発されていて、ウォーターパークやロープウェイなんかもあるのですが、今回はドライバーごり押しの松花江のラフティングを楽しんでみることに。

絶対ドライバーの懐にマージン入ってるわw

怪しいクオリティのゴムボートで川下り。異臭を放つ救命胴衣を着用し、まるで流刑民を川に突き落とすかのような雑な扱いで放り出されましたw そしてドライバー氏は「川下でまっているからね」と。川下ってどこw ハルビンまで行っちゃいますかw

お茶目な地元民が水をかけてくるイベント発生w

ぶらりぶらりと川下り。初夏の風が気持ちいい。

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