朝鮮族の聖地 長白山に登ってみる

やってきました聖なる長白山。

到着日はラフティングや市場巡りなどの前戯を楽しみまして、本日は本番。満を持して山頂にある天池を目指してハイキングして参ります。

登山コースは、北麗ルート・西麗ルート・南麗ルートの3コース。いずれも麓の山門から山頂につながっていて、それぞれルートごとに特徴があるそうです。

北麗(北坡)ルート:
最初に開発された定番ルート。中国側最高峰の天文峰から天池を見下ろす展望スポットと、長白瀑布やエメラルドレイク、硫黄の香り漂う天然温泉エリアなど見どころも豊富。原生林の中の林道を歩くコースなんかもあってりして、ショートトレッキングに最適。

西麗(西坡)ルート:

長白山空港から最も近く、近年になり温泉付きの国際的な山岳リゾートホテルが続々と開発されてきている。主な見どころは錦江大渓谷や錦江瀑布、高山花園。天池越しのサンライズウォッチングがおススメらしい。

南麗(南坡)ルート:

北朝鮮との国境沿いに山頂までトレッキングするコースで、高原植物の豊富さでは一番らしい。ただ、国境に近いという立地条件から季節などによっては入山禁止になることもあるらしいので要注意。

今回はトレッキング後に北の方面に移動する予定だったので、北麗コースで登ることにしました。

ホテルから山門へ至る道も爽やかなことこの上なし。夏の突き抜けるような青い空の下に黄色の花々が咲き誇っていて、なんだかウクライナの国旗のような牧歌的な景色が続いています。

北門の山門で入場券を購入し、ここから登山が待っているのかと思いきや、バスに乗り換え中国東北地方最高峰・白雲峰(2,691m)付近の駐車場まで移動します。
北朝鮮との国境にもなっている山なので外国人には尋問攻めが待ってるかなとも覚悟していたのですが、拍子抜けするほどあっさりと入場を許可されました。

見渡す限りどこまでも広がる平原。大陸ならではのスケールの大きさに改めてビビります。

天池

バスを降りてからは、違う惑星に降り立ったと思うくらいの荒々しい地形の中、山頂にある天池を目指します。北海道とほぼ同じ緯度でかつ標高2600mと高く、真夏とはいえ強風が吹き荒れていて結構寒い。

山頂まで登りきると、世界最大(9.82㎢)、最深(373m)、最高(2189m)という長白山の火山湖が眼下に広がります。切り立つ火山に囲まれた窪みに天水のごとく澄んだ水が満々としている様は、まさに天池。神秘的という言葉がぴったりの絶景です。

このカルデラ湖が中鮮国境になっていて、湖の中央線から向こう側はもう北朝鮮。中国と北朝鮮の国境である鴨緑江やオホーツク海に注ぐアムール川の支流である松花江も、この山を源としています。

はるか昔の火山活動により形成された奇跡のような秘境地。雄大な長白山の峰々の中にたたずむ天池はまるで美しい玉ともたとえられ、朝鮮族の聖地とされてきています。

雲に隠れし対岸北朝鮮側の将軍峰。
神秘的な雰囲気に誘われて、ついつい向こう側に故意の不時着しちゃいそうになります。

天然温泉

山頂付近の壮大なる大自然を満喫した後、再びバスで山の中腹まで下りてきました。

ここら一帯は火山性温泉が豊富に湧き出していて、硫黄の香りにつつまれています。神水と呼ばれるこの温泉には硫化水素、亜鉛、リチウムなどの様々な成分が含まれていて、血行の改善や風邪や冷え性の予防なんかに効果があるそう。
残念ながらコロナ禍で入湯することはできませんでしたが、屋内・屋内ともたくさんの温泉施設がありました。

毎日数千トンもの湯量が自噴する天然温泉。岩の隙間から蒸気が立ち底部が泡立つ様は、まるで群竜が水を噴き暴れ回る様のよう。本当に神秘的な場所で、地球ってスゲーってなります(小並感)。

長白瀑布

温泉地帯の先では、天池から流れ落ちてくる落差68mの長白瀑布が見られます。東北地方最大の滝で、ちょうど雪解けの満水期で毎秒2.15トンの水量がゴーゴーと音を立てて流れ落ち迫力満点でした。

天地から滝に落ちる雪溶け水。ここから松花江の支流にもつながり、黒龍江(アムール河)に合流した後、オホーツク海に至ります。

続いて白樺並木の遊歩道を歩いて森林地帯へと入っていきます。誤って北朝鮮側に下山しちゃいませんようにw

ツガザクラやベンケイソウ、チョウノスケソウなど、咲き誇る野花は文字通り百花繚乱の様。1800種余りの野生の花が咲き誇り、長白山を彩っているそうです。

小天池、緑淵潭

花を愛でながら林の中へと進んでいくと、静寂に包まれた白樺林の中に隠れるように佇む良い感じの湖が見えてきました。小天池と呼ばれる池との案内があります。

その近くには九寨溝のようなエメラルドレイク(緑淵潭)も。これは地上の楽園ですわ。

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