万里の長城の東端・虎山長城は最高の北朝鮮ビュースポット

宇宙から肉眼で見える唯一の人工物とも言われる巨大な万里の長城。その東端が北朝鮮との辺境の町・遼寧省の丹東に遺っているそうです。

万里の長城というと誰もが北京の壁を思い浮かべがちですが、万里の長城は万里というだけあってくっそ巨大。現存する人工壁だけでも総延長が6,259.6kmになると言われていて、中国大陸の西から東まで様々な場所で万里の長城が見られます。

じゃあ万里って実際どこからどこまでなんですかって話なんですが、西端は甘粛省の嘉峪関ということで私が学生時代から今まで変わっていないみたい。
問題は東端で、私の学生時代には北京郊外にある山海関が東端と教えられていたのですが、どうやら明代に築かれたという長城がここ丹東で見つかったようで。中国共産党の公式的にはここ丹東の虎山が万里の長城の最東端だと喧伝して回っているようです。

この虎山長城は1469年に明政府が女真族に対する防衛線として築いたもので、1990年代に発掘され、専門家による考察を経て2009年に正式に万里の長城の一部であるとの認定を受けたそう。

いやいやそれは高句麗が築いたものでしょ!みたいな異論も上がってるみたいなんですが、既に歴史の真相を闇に葬り去るが如く明の長城という体で復元され、万里の長城の一部として観光地化されているそうです。

真相は分かりかねますが、せっかくなので虎山まで行ってみたいと思います。

丹東市街から鴨緑江を25kmほど上った先の、丹東市寛甸満族自治県というところにある虎山。ホテル前で暇そうにしていたタクシーを捕まえ、ところどころ北朝鮮のビューポイントで停まってもらいながら北上します。

丹東市街地を出て40分ほどで虎山長城に到着。思いっきり“万里長城東端起点”って書いてますね。

虎山というのはトラが横になっているような山の形に由来するそう。面積は4平方kmほどで、主峰は高さ146.3m。南に鴨緑江を臨み、川の対岸は北朝鮮領という中朝の国境沿いに位置します。

ほぼ緑に埋もれかけみたいな感じですが、確かに山の斜面を這うようにして人工の建造物が建てられているのが確認できます。長城の頂上は146.3メートル?見た感じかなりの急勾配もありそうなので、結構ハードモードなハイキングになりそうです。

それにしても長閑だなー。同じ万里の長城でも北京や天津のように混んでいないので、ある意味穴場スポット。

参考までに北京のハイシーズンの画像w

物価も世界に誇る万里の長城内とは思えない価格設定で、丹東名産のカニの丸焼きが1串5元。野生河蟹って書いてありますし、そこらへんの蟹を捕まえてくるんですかねw さすがに正規の物流商流に乗ってくる蟹だと5元では無理な気が。

長閑な散歩道を進んでいると、いよいよそれらしい厳つめの建物が目の前に。ここから登っていくようです。

ちょこっとだけ残ってるなんちゃって長城かと思ってナメてましたが、バリバリ長城長城してますね。

苔が生してるあたりも風情があって良い感じ。

左の北朝鮮側から襲来する女真族に対して弓で防戦していたのでしょう。でも1469年って完顔阿骨打さんが建てた金が滅亡した遥か後だし、ヌルハチさんが後金を興す遥か前。この時代の女真ってアンチ明だったというよりも、朝鮮とバチバチやってた的なイメージでいました。

それにしても、こうして見ると結構な高さです。こんなん絶対攻め落とせないやつですよ。

関所では完顔阿骨打ばりに逞しいオバサンが飲み物を売りつけてきます。あまりの威勢と迫力に押されてついつい買ってしまいましたが、ジュース一本4元と値付けが良心的w

関所を越えた先では、太ももがプルンプルン震えてくるレベルの勾配を誇るモンスター階段が出現。隣を並走していた中国人老夫妻は登頂を諦めてしまいました。不到長城非好漢!

良い写真を撮ってきてねとお爺ちゃんお婆ちゃんから望みを託されたワイ、太ももがギブアップ寸前でしてたが彼らの分も頑張って登頂。眼下に見下ろす美しい絶景を前に、ジワリと達成感が溢れてきます。これでワイも好漢や!

万里の長城の最高地点から望む北朝鮮。

手前を流れる濁った小川の奥の中州から北朝鮮ということで、もう本当に北朝鮮とは目と鼻の先という場所にあります。

右奥が中国で、左と手前の中州が北朝鮮。

来た道とは逆の方向に山を下っていくと、一歩跨という観光スポットもあるそうです。一歩跨いだらもうそこは北朝鮮の領土です的な意味でしょうねw プルプル震えてきた太ももに鞭を叩いて一歩跨を目指したいと思います。

【虎山長城】

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