いよいよ待ちに待った口福満喫タイム。ということで、お待ちかねのポートワインのテイスティングツアーに参加してきたいと思います。ポルトまで来てワイナリーに行かずには帰れないっしょ!
エッグタルト@Manteigaria
宿泊先の近所にあるエッグタルトの老舗“Manteigaria”で買ったアツアツエッグタルトをほふほふ食べながら、ドウロ川の対岸にあるヴィラ・ノヴァ・デ・ガイアと呼ばれるワイナリーの集積エリアを目指します。
ポルトを流れるドウロ川に架かるのは鉄橋ドン・ルイス1世橋。完成は1886年、幅8メートルの2階建て構造で、アーチの上層は歩行者とメトロ用、下層は歩行者と自動車用とに分かれています。
橋自体もインスタ映えするんですが、やっぱり橋の上からの絶景には敵いません。
このウネウネと蛇行するドウロ川の上流の両岸にはポートワインの原料となるぶどうの畑が大規模に広がっているそうです。かつては上流で採取されたブドウやワインを満載した交易用ラベーロ船がひっきりなしに往来してたんだろうな~。
ラベーロ船の姿こそないものの、非常に賑やかなの北岸の川沿い。ウォーターフロントにはテラス席を設けたお洒落なレストランやバーが軒を並べ、その奥に段々畑のようにオレンジ色の家屋が丘全体を埋め尽くしています。
一方の南岸には、サンデマン(Sandeman)、カレム(Kalem)、テイラーズ(Taylor’s)などなど、実に30を超すワイナリーが並んでいます。英語風の名前が多いのは、17世紀にスペインに対抗するために手を組み関税特権を与えることになったイギリスの影響だそう。
税収が低くなりポルトガル政府的には“むむむ…”な状況だったかと思いますが、優遇税制策により安くポートワインが入ってきたイギリスでは「おっ、ポートワイン安くてうまくてイケるやん!」ってなってポートワインの一大ブームが巻き起こり、ここからポートワインの輸出用生産量が一気に増えていったそうです。
こんなにもポルトという名前が似合う町は他に無い。これはエンリケ航海王子の故郷ですわ pic.twitter.com/ZZiuiNw78T
— ポンズ (@Worldtravelog) April 30, 2019
ポートワインの歴史に思いを馳せながら川沿いを歩いていると、Calemという老舗ワイナリーの建物が見えてきました。ワイナリーツアーの内容的にはどこも似たり寄ったりということだったので、ドン・ルイス1世橋から歩いて一番手前にあったという単純な理由でCalemのツアーに参加することに。
予約なしの飛び込みでも全然問題無く参加できました。ツアー+ポートワイン2種類(Fine White、Special Reserve)のテイスティングが13ユーロで、ワイン3種類(White&Dry、LBV、10 Year Tawny)だと16ユーロ。ツアー時間は60分ほどです。
開催頻度は1時間半に1回程度と高くは無いので、予め時間を確認の上で訪問した方が良いかと思います。
ツアーの開始時刻や最新の価格については、下記リンクにてお確かめください。夜にはファドのライブ演奏付きツアーも催されているみたいです。
Kalemの公式サイト:https://tour.calem.pt/
博物館
ツアーの開始時刻まではセルフサービスでポートワイン博物館を見学できます。もちろん、博物館への入場料はツアー代金に含まれてます。
カレム社のポートワインの種類は、大きくざっくりと分ければ“白”、“ルビー”、“トゥニー”、“ロゼ”の4種類で、そこから更に細分化していくと考えれば分かり易い。
ホワイト:
白ブドウを原料とし、樽で3-5年間熟成。味や熟成年度によって、White&Dry、Fine White、10 year Old Whiteなどに分類されていく。
ルビー:
年度の異なるワインをブレンドし、樽で3年以上熟成。質や年度によってレセルヴァ、ヴィンテージ、L.B.V.(Late Bottled Vintage)などに派生。
トゥニー:
ルビーを黄褐色になるまで熟成。
ロゼ:
黒ブドウと白ブドウが原料。
因みに、シャンパンがフランスシャンパーニュ地方限定とされるのと同じで、ポートワインもドウロ川の上流域に原産地が限定されています。
ツアー
ツアーはデジタルマッピングの技術を駆使して行われ、ポートワインやカレム社の歴史や、ワインの製造プロセスについて視覚的にわかりやすく説明して頂けました。
テイスティング
White and Dry、2013年のレイトボトルドヴィンテージ、10年物トゥニーの3種類。同じ赤でも熟成条件によって色も匂いも味も全く異なるんですね。
ポートワインは、「酒精強化ワイン」に分類されている通り、酒まだ糖分が残っている発酵途中にブランデーを加えてアルコール度数を高めたワイン。アルコール度数を高めることで酵母による糖分の分解が止まり、そのために糖分が残るのでデザートワインのような甘~い味わいになります。
つまり、ざっくりと一言で特徴を表すとすると、「度数が強くて甘さも強いワイン」ということ。アルコール度数で言ったら、通常のワインが10-15度なのに対し、ポートワインは20度前後がデフォ。甘くて飲みやすい割にアルコール度数が高いという危険なヤツです。
ワインセラー
テイスティングを終えたツアー客はワインセラーに送客されるという完ぺきな導線。このミニショップはメーカー直営店だけあって品揃えは豊富で、シャツとかのノベルティグッズもありました。
機内持ち込み可能なミニボトルの詰め合わせをお土産に3セット買いましたが、旅行中に自分で飲み干してしまったのは内緒です。
ツアー後は対岸に戻って、ほろ酔い気分で心地よい風の吹く川沿いを散歩。
ミュージシャンによる生演奏もあったりと、すっごく雰囲気の良いポルトの町。
飯美味い、酒美味い、雰囲気良いと三拍子揃ってて、2019年に旅行で訪れた多くの町の中でも再訪したい町ナンバーワンっすね。
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