やってきましたイランの首都テヘラン。
テロ支援国家、悪の枢軸、核開発問題、経済制裁、大規模デモなどなど、何かときな臭い感じでフレームされがちなイランですが、来てみたら全然全然平和なところっす。
寧ろ、人がやたらとフレンドリーなのに驚かされたりします。
銀行員が歩いて3分先の場所までわざわざ付き添って道案内してくれたり、博物館の女性が個人的に有料会員レートで両替してくれたり、博物館を見学してたら急に日本を尊敬していると声かけられたり、感じ良すぎるぞイラン人 pic.twitter.com/nqnPJwu9pn
— ポンズ (@Worldtravelog) February 6, 2019
通りを歩いていたら「おー、マイフレンド!イランは最高だろー。どこ行くんだ?送ってってやるぞー」なんて軽いノリで声をかけられたり、一緒自撮りしよう!と求められたり。通りを歩いているだけで何故だかナーンを寄進されたこともありましたw
エジプト人やインド人のようにウザくもなければ見返りを求められることもなく、良い意味でイラン人のホスピタリティには何度も驚かされました。
人も良ければ、首都の貫禄たっぷりの街並みも良いっすね。
沢山の人、沢山の車、排気ガス、砂埃り、タバコ、香辛料、ガソリンの匂いにケバブ屋の煙…色んなものが盆地の底で混ざり合ったエネルギッシュな町で、ぺルシャ人の生命力の強さが感じられます。それでいてエジプトやインドよりは秩序だってて洗練されてるし。
目に入るもの全てがエキゾチック!
ただ、銀行行っても屋台行っても、数字もエキゾチックすぎて読み取れないので少々辛いところ。
銀行に英語名つけるくらいならエキゾチックすぎて数字もアラビア数字にしてw
グランドバザール
とりあえず人の流れに沿って歩いていると、気づけばバザールに行き当たりました。都市圏人口1,400万人という超巨大都市テヘランのバザールだけあって、世界でも最大規模のバザールらしいっす。
さあ、ここでものを言うのは敵国通貨のUS$。経済制裁などの影響でイランリヤルが絶賛大暴落中で、イラン国外から来た旅行者にとってはウハウハバブリー状態。胃拡張修行や土産物の調達が捗ります。
両替してくれた博物館のお姉さん、1ドル=100,000リヤルが相場って言うんですよ。でもグーグル先生に尋ねたら1US$=42,105リヤルだと。本当に1ドル=100,000で両替してくれるのか何度も念を押して聞いても問題無いという。きっと闇相場なるものがあるんだろうが、敵国アメリカの通貨の価値高すぎて笑う pic.twitter.com/QoIiEpLVcx
— ポンズ (@Worldtravelog) February 6, 2019
風情たっぷりのバザール内。金銀宝石に絨毯、ドライフルーツや香辛料などなど、中近東らしい商材を扱う個人店舗がひしめきあって活気があります。欧米企業から強烈な経済制裁を喰らってるのに商店のには軒先にはみ出してくる程の物資が並んでて、アメリカに真正面から対抗し続ける地域大国の自力の強さが伺えます。実際、ABCD包囲網どころじゃないくらいのえげつない制裁を喰らい続けてるのに、ここまで長い間よく耐え忍んでるなって思う。
職人の技術力の高さにも目を見張るというか、冴えない個人商店風の店舗に置かれてる銀細工や象嵌細工などでも本当にクオリティが高くて驚かされます。絨毯とか陶器とか、小物の生産技術を芸術の域まで昇華させちゃうような職人肌の人が多いですよね、ペルシャ人。
ナーンとかも一々くっそお洒落ですし。美意識が高いんでしょうな。
そんなペルシャ職人たちの粋を堪能するべく、お次はガラス&陶磁器博物館ことアーブギーネ博物館という場所に向ってみました。
アーブギーネ博物館(ガラス&陶磁器博物館)
ペルシャ富豪の邸宅のような佇まいの博物館。ガージャール朝時代の1910年に時の権力者のお住まいとして建てられたそうな。
権力者の館だけあって内部もゴージャスだし、個人コレクション程度の小さな博物館なのかなーと思いきや、かなーりの規模感。紀元前400年から現代に至るまでのガラスと陶磁器の数々が年代順に展示されています。
東地中海スタイルの要素が混じったササン朝(226-651年)ペルシャ時代の陶器。造形センスもさることながら、機能性も現代作品と変わらぬ領域にありビビります。ただの農業頑張るマン集団じゃなかったんですね、ササン朝ペルシャ。
2-4世紀頃のミニ香水入れ。ササン朝ペルシャの貴婦人もダマスクローズの香水とか使ってたのかなー。
こちらは有名なササンガラスかな。Probablly Sasanian Timeって自信なさげに書かれてたけどw
年月を経たが故の深みからきてるのか、在りし日は更に美しい色相なのか、神秘的な配色の小物が盛り沢山。古くシルクロードを伝って奈良時代の日本の正倉院に納められたという切子硝子椀のようなササンガラスもありました。シルクロードの東の終着点とされる奈良に伝わった切子硝子椀のまさに西側のルーツと呼ぶべき芸術品ですからね。これは感動ものです。
12-13世紀になると、だいぶテイストが変わってきますね。いわゆるペルシャブルー的な作品も多くなってきます。
こちらの優雅な曲線を描いた印象的な形のガラスアートは18世紀のもの。戦地へ赴いた夫を待つ妻が涙を溜めたとされる涙壺だそうです。
この19世紀の陶器の円卓も超大作。イラン最大の民族叙事詩であるシャー・ナーメのハイライトシーンがびっしりとガラス上に描かれてます。日本でいうとイザナミとイザナキの黄泉国での夫婦喧嘩みたいなシーンが描かれてるみたいなことになるのでしょうか。
いやー、素晴らしいっすペルシャ文化!この調子で絨毯博物館や宝石博物館も行きたかったのですが、残念ながらアーブギーネ博物館の見応えがありすぎて、ここで時間を使い果たしてしまいましたw
いやー、テヘラン良いっすよ!もちろん地方都市の方が遺跡が沢山あってペルシャ文化に浸るには良いんでしょうが、テヘランもテヘランでテヘランなりの楽しみ方が沢山ありまっす。
【Abgine Glassware Museum】
所在地:Tehran Province, Tehran, District 12, 30th Tir St, イラン
電話:+98 21 6670 8153
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