正体不明の無人寺院を後に尚も北上を続けると、前方に左手にワット・プーカオトーンが見えてきたが、意外に遠くて中々辿り着かない。
20分程ペダルを漕いだだろうか、ようやく水田地帯に聳え立つワット・プーカオトーンの麓にあるナレースワン王の記念碑まで来ることができた。
ラームカムヘーン、ラーマ5世と並んでタイ三大王の一人と称され軍神・戦神となった伝説の救国の英雄・キングナレースワン。彼の名は軍艦やら大学やら野生動物保護区に使われやらで、現代のタイ社会でも崇めて祀られている。
彼の父がピッサヌロークの知事を務めていた関係で、1563年にピッサヌロークがビルマに敗れた際に養子という名目ながら人質としてビルマに連行され、幼少期をビルマで過ごすという激動の人生を歩み出します。ビルマでは臥薪嘗胆の思いを胸に武術や学問を学んだそうだ。1569年には前期アユタヤ王朝がミャンマーに掌握され、ピッサヌロークの父はミャンマー政府からの信任を受けてアユタヤの傀儡王に就任、同時に断腸の思いで娘をビルマ王の妃として差し出し、代わりに息子であるナレースワンを取り戻した。この後ナレースワンはタイの独立を勝ち取る為、母国の少年青年を現在のムエタイの原型ともいわれる独特の武道で屈強な戦う男へと鍛え上げ、1574年には機が熟したと判断してアユタヤ王朝の独立を宣言。ナレースワンはアユタヤの独立に反発して攻めてくるビルマ軍に対して悉く勝利を重ね、タイは次々と失地を回復していった。1593年にはビルマ王子と騎馬象に跨っての一騎打ちのという大一番を制すなど、類稀なる軍才を発揮して広大な領地の征服に成功したそうだ。
ナレースワンは大の闘鶏ファンだったそうで、記念堂の周りには軍鶏が沢山奉られています。いや、ここだけでなく、アユタヤ市内の至る所にわんさかと大量発生したニワトリ像の姿を目撃してきました。それだけナレースワン王は民衆に愛されているのでしょう。
ナレ―スワン王の戦いっぷりを刻んだ勇ましい感じのレリーフが飾られています。
ナレ―スワン王記念碑の後面にはワット・プーカオトーンの高さ80メートルにもなる仏塔が聳え立っている。この寺は1387年に5代目の王であるラームスエンによって建立された。その後1569年にアユタヤを占領したビルマのバイナウン王によってビルマ様式に改築されたが、その後、1574年にアユタヤ王朝を再建したナレースアン王によって再びタイ様式の寺院に改められた。1956年には仏歴2500年を記念して仏塔の最上部に重さ2.5kgの黄金の珠が付けられたが盗難に遭ってしまったので、代わりに金メッキが施されたそうだ。世界遺産なんだし価値あるものなんだからしっかり警備しようぜwww
仏塔の基部は約50m四方くらいの石積み造りで12角形になっている。塔は3層に分けられていて、それぞれの部分に回廊が設けられていて、最上階の回廊まで登ることができる。塔が右に傾いてしまっていて若干躊躇ったが登ってみることにした。
ほぉーーーー!風が強くて気持ちが良い!!!ナレースワン王も見たであろうこの長閑な無限に広がる田園地帯の風景を眺めていると、自然と目を細めてかっこつけたくなってくるwwwと、ここで携帯が鳴る。やめてくれよこんなところで着電なんて。しかも緊急事態でメールを一本送らねばならなくなったので、大慌てで中心地に戻ってネットカフェを探すことに。嗚呼、社畜人生…
拝観時間:不明
拝観料:無料
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