ワット・プーカオトーンと軍神ナレースワン王

正体不明の無人寺院を後に尚も北上を続けると、前方に左手にワット・プーカオトーンが見えてきたが、意外に遠くて中々辿り着かない。

20分程ペダルを漕いだだろうか、ようやく水田地帯に聳え立つワット・プーカオトーンの麓にあるナレースワン王の記念碑まで来ることができた。
DSC_1408
ラームカムヘーン、ラーマ5世と並んでタイ三大王の一人と称され軍神・戦神となった伝説の救国の英雄・キングナレースワン。彼の名は軍艦やら大学やら野生動物保護区に使われやらで、現代のタイ社会でも崇めて祀られている。

彼の父がピッサヌロークの知事を務めていた関係で、1563年にピッサヌロークがビルマに敗れた際に養子という名目ながら人質としてビルマに連行され、幼少期をビルマで過ごすという激動の人生を歩み出します。ビルマでは臥薪嘗胆の思いを胸に武術や学問を学んだそうだ。1569年には前期アユタヤ王朝がミャンマーに掌握され、ピッサヌロークの父はミャンマー政府からの信任を受けてアユタヤの傀儡王に就任、同時に断腸の思いで娘をビルマ王の妃として差し出し、代わりに息子であるナレースワンを取り戻した。この後ナレースワンはタイの独立を勝ち取る為、母国の少年青年を現在のムエタイの原型ともいわれる独特の武道で屈強な戦う男へと鍛え上げ、1574年には機が熟したと判断してアユタヤ王朝の独立を宣言。ナレースワンはアユタヤの独立に反発して攻めてくるビルマ軍に対して悉く勝利を重ね、タイは次々と失地を回復していった。1593年にはビルマ王子と騎馬象に跨っての一騎打ちのという大一番を制すなど、類稀なる軍才を発揮して広大な領地の征服に成功したそうだ。

DSC_1407
ナレースワンは大の闘鶏ファンだったそうで、記念堂の周りには軍鶏が沢山奉られています。いや、ここだけでなく、アユタヤ市内の至る所にわんさかと大量発生したニワトリ像の姿を目撃してきました。それだけナレースワン王は民衆に愛されているのでしょう。

DSC_1409

ひだり みぎ

ひだり みぎ

DSC_1415

DSC_1416
ナレ―スワン王の戦いっぷりを刻んだ勇ましい感じのレリーフが飾られています。

DSC_1417

DSC_1418
土産物屋には当然のようにニワトリの像が売られている。

DSC_1420
ナレ―スワン王記念碑の後面にはワット・プーカオトーンの高さ80メートルにもなる仏塔が聳え立っている。この寺は1387年に5代目の王であるラームスエンによって建立された。その後1569年にアユタヤを占領したビルマのバイナウン王によってビルマ様式に改築されたが、その後、1574年にアユタヤ王朝を再建したナレースアン王によって再びタイ様式の寺院に改められた。1956年には仏歴2500年を記念して仏塔の最上部に重さ2.5kgの黄金の珠が付けられたが盗難に遭ってしまったので、代わりに金メッキが施されたそうだ。世界遺産なんだし価値あるものなんだからしっかり警備しようぜwww

DSC_1422
仏塔の基部は約50m四方くらいの石積み造りで12角形になっている。塔は3層に分けられていて、それぞれの部分に回廊が設けられていて、最上階の回廊まで登ることができる。塔が右に傾いてしまっていて若干躊躇ったが登ってみることにした。

DSC_1425

DSC_1423
ほぉーーーー!風が強くて気持ちが良い!!!ナレースワン王も見たであろうこの長閑な無限に広がる田園地帯の風景を眺めていると、自然と目を細めてかっこつけたくなってくるwwwと、ここで携帯が鳴る。やめてくれよこんなところで着電なんて。しかも緊急事態でメールを一本送らねばならなくなったので、大慌てで中心地に戻ってネットカフェを探すことに。嗚呼、社畜人生…

拝観時間:不明
拝観料:無料


Related posts(関連記事):

オピウム博物館で学ぶゴールデントライアングルと麻薬王の歴史
中国成金による趣味の悪いカジノで儲けた20000バーツを握りしめ、ラオスの金三角経済特区からゴールデントライアングルのタイ側へと生還した。黄金の三角地帯ことゴールデントライアングルはインドシナ半島の密林奥深くのタイ・ミャンマー・ラオスの3国がメコン川を挟んで隣接する山岳地帯にあり、アフガニスタン・パキスタン・イラン国境付近の黄金の三日月地帯と並ぶ世界最大の麻薬・覚醒剤密造地帯として悪名を轟かせてい...
カンチャナブリーへの小旅行
バンコクからバスで北西に3時間、タイのカンチャナブリーという町がある。不巧の名作映画と評される「戦場に架ける橋」にも描かれた戦争の一幕の舞台となり、世界的な有名観光地として一躍脚光を浴びることとなった小さな町だ。第二次世界大戦中、日本軍がビルマへ軍需物資を輸送する為に敷設した泰麺鉄道に代表される戦跡に、サイヨーク国立公園に代表される渓谷美あふれる風景明媚な大自然、新石器時代やクメール時代の遺跡など...
ワット・チャーンロム(スコータイ)
スコータイの寺院巡りの最後を〆るのは城壁東部に建つワット・チャーンローム。またかよ?と思われるかもしれんが、同じ名前の寺院をシーサッチャナーライとカムペーンペットでも見てきてるので、確かにワット・チャーンロームという名の寺院は三か所目ということになる。当時は各町に仏塔を像が支えるというスタイルの寺院が建てられていたのかな。 スコータイのワット・チャーンロームには14世紀後半に建立されたス...
スコータイの双子の町 シー・サッチャナーライへ
スコータイ二日目はバイクでシー・サッチャナーライ遺跡へと向かう。 スコータイから北に50Km程の地点にあるシーサッチャナーライ歴史公園は、スコータイ・カムペーンペットと並び世界遺産「スコータイの歴史上の町と関連の歴史上の町」を構成する町の一つ。恐らく川を天然の堀としていたのだろう、ヨム川が大きく湾曲して向きを変える広範囲な地域に140もの遺跡が残っている。 シーサッチャナーライの町...