宮廷の性愛事情までを赤裸々に… バクタプル国立美術館

中世の街並みが残るバクタプルの中心に建つ旧王宮。その西側の一角はバクタプル国立美術館として一般開放されている。

入館料は150ルピー(≒150円)。ダルバール広場への入場料とは別に支払う必要がある。

ヒンドゥーの神々に護られた格式高きエントランス。精美な彫刻が施された木造のドアを開け、真昼間から堂々と居眠りをかまして職務放棄するおじいさんがポツリと座る館内へとお邪魔する。

国立とはいうものの内部はこじんまりとした作りで、地方の郷土資料館といった雰囲気の美術館。1階部分はヒンドゥー教の神々の彫刻の間となっている。
ひだり みぎ
シヴァだったりヴィシュヌだったり、手頃なサイズ感の神々の像が並んでいるのだが、これらがまた細部までびっしりと彫られていて、中世ネパールの職人たちの技術力に驚かされる。


ヴィシュヌ神の10化身に関する宗教的な詩歌が刻まれたマッラ王の碑文。碑文を使って下々の民に宗教的な音楽や文学をプロモーションする熱心な王様だったそうだ。


9つの化身を持つ戦いの女神・ドゥルガー神のマスク。天津飯と同じく三つ目キャラで、額に第三の目を持っている。また、シヴァの三叉槍や死神の盾と剣など、18の腕それぞれに神授の武器を握っていて、戦闘力の高さはヒンドゥー教の神々の中でもトップクラス。

因みにドゥルガー女史の装備品と特殊能力は以下の通り。三叉戟・円盤(チャクラム)・法螺貝・槍・弓と矢筒・雷と鈴・死の杖・羂索・数珠・水瓶・全ての毛穴からの光線・剣と盾・衣と装飾品・斧と様々な武器と鎧・蓮華の花輪・虎と宝石・酒杯・蛇族の首飾り。
参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/ドゥルガー
全ての毛穴から光線を放つとかチート過ぎ。鳥山明の漫画でも出てこんわこんなキャラ。


パズドラではこんなに可愛らしく描写されているドゥルガーだが、実際は凶暴極まりない戦いの神。


話が逸れてしまったが、恐ろしいドゥルガーの仮面を尻目に階段を上って2階に上がると、最初の間にネパール王国の歴代の王たちの肖像画が掲げられているのが目に入る。

2008年に240年続いた王政が廃止され共和国となったネパールを統治したかつての王様たち。

Pratap Singh Shah(1751–1777)と息子のRana Bahadur Shah(1775–1806)。幾らなんでも似すぎ。蛭子能収とその息子以上の衝撃だわ。


こちらは10代国王のビレンドラ・ビール・ビクラム・シャハ(Birendra Bir Bikram Shah、1945-2001年)と11代国王のディペンドラ・ビール・ビクラム・シャハ(Dipendra Bir Bikram Shah、1971-2001年)。お二方とも、ネパール王族殺害事件で犠牲になっている。


事件後に即位した12代国王ギャネンドラ・ビール・ビクラム・シャハ(Gyanendra Bir Bikram Shah、1947-)。事件当日に彼が不在だっただけでなく、事件現場に居合わせた彼の家族は全員無事だったことなどから、親印派のギャネンドラが米印の後押しを受け親中の王族を抹殺した宮廷クーデターとする向きもあるそうだ。闇が深すぎる。

その他、2階の回廊にはヒンドゥー教や仏教関係の絵画が並ぶ。

怒れるシヴァ神。


そんな荒れ狂うシバァを熱く抱擁する妻のシャクティ。これは愛し合ってますわ。

愛し合ってるといえば、こちらの描写はもっと過激でR18指定にすべきな内容。



これは古代インドの性愛論書カーマスートラ(Kamasutra)を熟読してますわ。

ひだり みぎ
生々し過ぎる。余裕で18禁指定ものだわ。

まさかこういう形で古代インドのネパール文化に対する影響を見ることができるとは…カレーと宗教だけじゃないんですよ、インドからネパールに伝播したのは。

【バクタプル国立美術館】

住所:バクタプルのダルバール広場内
入館料:150ルピー(≒150円)



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