昨年のネパール旅行の時の話。いくら沈没者の聖地とはいえ、カトマンズに留まり続けるのは勿体なく思えたので、思い付きでインドとの国境近くにある釈迦生誕の聖地・ルンビニへの日帰り旅行を決定した。
そこでネパール国内線のフライト情報を調べてみると、イエティ航空なる洒落た名前の航空会社がカトマンズからルンビニ近くのバイラワ空港に直行便を飛ばしていることが分かった。
イエティといえば、全身毛むくじゃらで直立二足歩行をするヒマラヤの雪男。「それって熊じゃね?」と各方面から突っ込まれながらも、一応はヒマラヤ山脈に潜む未確認動物扱いの伝説的な生き物だ。
そんな生き物の名前を関した航空会社がイエティ航空。日本風に言えば、「ネッシー航空」「カッパ航空」的な感じかね。
あまり馴染みのある航空会社ではなかったのでグーグル先生に相談してみると、「イエティ航空」とタイプしただけで一番先に出てくるのが「イエティ航空 事故」、次いで「ネパール 飛行機 事故 多い」…
でも、言われてみたら、確かにネパールって頻繁に飛行機事故を起こしてる気がする。直近でも、2016年にもタラ・エアがやらかし、2018年にもUSバングラ航空が滑走路をオーバーランして大規模な炎上事故を起こしているし。
これってひょっとしてガチでヤバいやつなんじゃ…
おいおいネパールもっとマシで安全な航空会社は無いのかよと思って探したら、フラッグキャリアのネパール航空を含むネパールの航空会社3社が3社とも安全度格付けで1つ星評価だったw 400を超える対象航空会社のうち1つ星評価は5社で、その内3社をネパール勢が占めるってもうこれ1つ星狙ってやってるだろ pic.twitter.com/iStwidZ8DC
— ポンズ (@Worldtravelog) 2018年6月18日
エアラインレーティングの安全度ランキングを見てみると、400を超える対象航空会社のうち1つ星評価は5社で、その内イエティ航空とナショナルフラッグのネパール航空を含む3社をネパール勢が占めている…
因みにもう2社の1つ星航空会社は北朝鮮の高麗と、2008・2009・2010と3年連続で事故を起こしたスリナム共和国のBlue Wingという納得のランキングになっている。
機体の老朽化やコスト削減のための整備不良に加え、山岳地帯にあるネパールの空港の離発着の難易度の高さ等など、様々な要因が絡まってのことなんだろうけど…実際のところイエティ航空ってどうなんだろう。
利用者の声を聞いてみた。
イエティ航空の最新レビュー20件の内、じつに15件が1つ星評価w。非難轟轟、怨言の雨嵐でくっそワロタ。
いっそのこと夜行バスで行ったるか!そもそもあんな空飛ぶ鉄の塊みたいな危なそうな物に乗るからだめなんや!
「ネパール バス」で調べてみると…「ネパール バス 崖」「ネパール バス 事故」「ネパール 邦人 死亡」なんてワードばかりが提案されてきた。何で移動しようがリスクが伴うのね、ネパールでは。
2018年10月28日にはカトマンズ行きのバスが川への転落事故を起こしている。以下、在ネパール日本国大使館からのメッセージ。
10月30日
夜行バスの重大事故発生に伴う注意喚起
ネパール在留邦人の皆様及び旅行者の皆様へ
在ネパール日本国大使館
(内容)
1.10月28日早朝6時頃、ネパール首都カトマンズの西約60キロのダディン郡での幹線道路プレティビーハイウェイにて、サプタリ郡からナランガード・ムグリン道路を通ってカトマンズに向かっていた50名以上を乗せていた大型バスがトリスリ川(Trishuli River)に転落し、少なくとも31名が死亡、16名が負傷する大事故が発生しました。現在までのところ日本人被害の情報は入っていません。
2.ネパールでは、天候、季節、各種イベントによって交通障害が起こりやすく、予定通りに運行できないことが頻繁に起こります。ドライバーはこれらで起こった遅延を取り戻すべく、過度にスピードを出したり、無理な運行状況下でも走行したりしたりするので、このような大事故が度々発生しております。交通手段選択時は、安易に値段だけで決定せず、天候、季節、道路運行状況、風評、各種イベントの実施状況などを考慮して慎重に選んで移動してください。
「交通手段選択時は安易に値段だけで決定せず…慎重に選んで移動してください。」とあるが、どの交通手段もダメで完全に詰んでるんだが。インド国境まで歩いて行けってか?
イエティ航空オフィシャルサイトでオンライン発券
リスクはあるが…釈迦生誕の聖地に行くのだから釈迦が護ってくれるだろ!なんて軽い気持ちで、結局イエティ航空での日帰りルンビニ観光を敢行することに。
発券はイエティ航空のオフィシャルサイトにて。
意外とと言ったら失礼だが、1つ星エアラインの割にはまともなホームページで、予約は実に簡単だった。
ルンビニの最寄空港であるバイラワまで35分のフライトで、片道込々US$106.72。予約完了と同時にEチケットがメールで送られてくるので、こいつをスクリーンショットに保存するか印刷して出発当日に空港に持っていけば良い。
イエティ航空オフィスを訪問
ただ、いかんせん日帰り旅行になるもんで、飛行機が欠航したり遅延した場合のことだけが心配。
ホテル近くにイエティ航空のオフィスがあったので、きちんと予約が通っているかどうかも含めて色々と確かめにいくことに。リコンファーム無しで予約を蹴落とされたみたいなことになっても嫌だし。
タメルのド中心の雑居ビルの二階にあるイエティ航空オフィス。子会社のTara Airのオフィスも兼ねているようなのだが…このTara Air、どこかで見たことがあると思ったら、イエティ航空・ネパール航空と並んで1つ星エアラインの認定を受けたネパールが誇る1つ星三羽烏の1角だったな。
オフィスは地方にある中小企業の受付かのような雰囲気。壁際には山積みの書類がエベレスト並みの高さまで積み重なっており、スタッフ二名は電話対応に追われていて忙しそう。
5分ほどするとバックオフィスから1名の男性スタッフがやってきたので、捕まえて話を聞いてみることに。
私:オンラインで明日のカトマンズ⇔バイラワ(ルンビニの最寄空港)の航空券を購入したのですが、予約は入ってますか?
係:確認してみる。
係:(10分後)予約されていた。航空券を印刷してしんぜよう。でも、日帰りでバイラワ行くとか意味不明。
私:充分な時間が取れなくて。大幅に遅延したり欠航したら困るのですが、その点はどうでしょうか?
係:運次第じゃね?直近1か月で欠航したことないし、大丈夫だとは思うよ。
私:座席指定はできますか?窓際で景色を楽しみたいのですが。
係:そういうシステムは無いんだよねー。
やたらと軽いノリのスタッフだったけど、無事に予約が確認できてて胸を撫で下ろす。直近で欠航したこともないようだし。
イエティ航空のオフィスにてヒマラヤ側の窓側席を希望したが、座席の事前指定は承っていないとのこと。きっとあれだろ?自由席なんだろう?窓側席争奪戦に勝つために明日の搭乗時は大人げなく全力ダッシュいっちゃいまっせ
— ポンズ (@Worldtravelog) 2018年6月18日
07:30にカトマンズを発ち、17:25バイラワ発の便で戻ってくる計画。あとは当日に時間通りに飛んでくれること、いや、墜落することなく飛んでくれることを祈るのみ。神、否、雪男イエティのご加護があらんことを。
会員プログラム Sky Club
イエティの足跡がロゴのイエティ航空。一丁前にFFPプログラムも用意されています。
参照:https://www.yetiairlines.com/article/sky-club-benefits
イエティ航空に興味を持って下さった方、どうぞ同社マイレージクラブ“SKY CLUB”にご入会下さいw フライトごとにマイルを貯められるようになるだけでなく、提携ホテルやレストランで享受できる数々の特典が貴方をお待ちしております。 pic.twitter.com/i25PEwyeYG
— ポンズ (@Worldtravelog) 2018年6月19日
提携ホテルやレストランのネットワークはネパール全土に広がっている。
と、まあ。意外に普通そうな印象を受けたイエティ航空。実際のフライトはどうだったのでしょうか。次回の搭乗記に続きます。
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