パタンのダルバール広場と旧王宮

バクタプルに続いて向かう先は、カトマンズ盆地南西部に位置するパタン。こちらもカトマンズ・バクタプルと並んでマッラ三王国時代の王都として栄えた古都である。

若かりし頃は歌手を目指していたというタクシー運転手と即席アカペラカラオケ大会を楽しむこと一時間弱、バクタプルからの道中では牛と車とバイクによる渋滞に巻き込まれるも、無事にパタンの中心地に到着した。
ひだり みぎ
「ここがパタンです」…と車を降ろされたは良いものの、周りに何もなくて戸惑うワイ。古都中の古都パタンは中世感たっぷりで、自分が21世紀の世に生きていることを忘れさせてくれるような素朴な街並みだ。

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駐車場から歩くこと5分、ツーリストエリアに辿り着く。カトマンズとバクタプル同様に町の中心地にはダルバール広場があり、16〜18世紀のマッラ王朝時代に国王の庇護の下で建てられた旧王宮や寺院が並んでいる。

これでカトマンズのダルバール広場、バクタプルのダルバール広場、パタンのダルバール広場とマッラ朝三国時代の王宮を制覇したことになるのだが、個人的な評価としてはカトマンズ>パタン>バクタプルの順になるかな。


入域料はカトマンズのダルバール広場と同じく1,000ルピー(≒1,000円)。入口で支払いを済ませてから広場内へと入っていく。

広場に入るなり強烈な存在感を放つクリシュナ寺院に目を奪われる。このクリシュナ寺院はその名の通り、ヴィシュヌの化身であるクリシュナが祀られた現役のヒンドゥー寺院になる。クリシュナの誕生日である8月25日には遠くインドからも多くの巡礼者が訪れる有名な寺院だそうだ。

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煉瓦造りの寺院や仏塔は軒並み2015年4月のネパール大地震により崩壊。当方が当地を訪問した2018年5月時点では未だに修復作業が続けられ、バラバラになった建材の欠片をパズルのように建物に埋め合わせる職人さんがせっせと作業しているような状態にあった。


数少ない煉瓦造りの建築物の中の生き残りであるビムセン寺院。複数の屋根を重ねた形状で、最上部の屋根から寺院の正面に向け黄金の帯が垂らされているのが特徴的。この帯は現代でいうところの滑走路みたいなものなのか、天界から神々が下界にランディングする際の道標らしい。

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数々のユニークな建物が立ち並ぶダルバール広場だが、その主役はもちろん旧王宮。3つのチョークと呼ばれる建物から成る旧王宮、その一部はパタン博物館として一般開放されている。

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3つあるチョークの中でも最大規模のムルチョーク。1666年に建てられ、王の執務室として機能していたそうだ。



王の居住用宮殿として1627年に建設されたスンダリ・チョーク。中央には繊細な彫刻が施された沐浴場が設けられている。センスの良し悪しは別として、内部までびっしりと神々が刻まれたこの浴槽は圧巻。


1734年完成と現存する王宮のチョークの中で最も新しいマニ・ケシャブ・ナラヤンチョーク。こちらの建物の中がパタン博物館として開放されている。


パタン王の王座。他のネパール王と同じくパタンの王もヴィシュヌの化身とされていたので、ヴィシュヌの乗り物であるガルーダに座るようなデザインになっている。

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17-18世紀に造られたブロンズや木造の燃燈仏。

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ヒンドゥーの神々も勿論オールスター級が勢揃い。



こんな変わり種も。


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チベットといえば伝統的なインドの伝承医学アーユルヴェーダを土台にして発展したチベット医学。所謂チャクラに関する展示物も並んでいる。
チャクラとは、体全体をめぐる生命エネルギーが出入りするポイントで、主要なチャクラは頭から背骨に沿って7つあるとされる。このチャクラがバランスよく活発に働くことで体内と外界のエネルギー交換ができて心身ともに健康になれるそうだ。

博物館の規模自体は非常に小さく、30分程度で退散。王宮の外に出たら雨が降り始めてしまったが、せっかくなので広場周辺を歩いてみることにする。
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雄大なヒマラヤ山脈に抱かれ、チベットとインドに挟まれた小国ネパール。この地ではチベットとインドの宗教文化が混ざり合った独特な文化が根付いていて、祠堂や寺院、神々の石像や彫刻などの多様な宗教的建築物が屋外展示の芸術作品かのように街並みに溶け込んでいる。


次ぎに向かうチベット仏教の聖地・ボダナートにある仏塔のミニチュア版と思えるようなストゥーパも。正直なところ、復旧作業中の王宮内を1,000ルピア払ってみて回るよりも、ローカル風情に触れながら下町を歩きまわった方が楽しめるわ、パタン。

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土産屋の取り扱い商品も、お面やら銅鑼やらと宗教色の強い物がメイン。ネパールらしいっちゃネパールらしいお手製のユニークな品々が並ぶのだが、決して万人受けしないような玄人好みの物ばかりで、土産物として買って帰る気にはなれず。

結局、ここでは何を買うこともなく次なる目的地へと急ぐことに。

【パタン ダルバール広場】

入場料:1,000ルピー



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