南方航空で行くシルクロード旅行 広州-ウルムチーカシュガル

昨年の年末年始はシルクロードで栄えた中国西北地方の古都巡りに出かけてみた。広州からウルムチ経由でカシュガルに飛び、カシュガル⇒クチャ⇒トルファン⇒ウルムチ⇒敦煌⇒西安と、中国最西端のカシュガルからシルクロードの東端・西安までの交易路を西から東へと移動。中東情勢がきな臭くなってる今、新疆もチベット同様に厳しい入域管理下に置かれるかもしれないし、行ける時に行っておかないとと思いましてね。

ということで、先ずは中央アジア・インド・中国本土を結ぶ交通の要衝として栄えたカシュガルへ。キルギス・タジキスタンの一歩手前にあり、地図で見ると果てしなく遠い。ただ、便利な世の中になったもんで、生死を賭け西域を旅した三蔵法師諸氏には悪いが空路だと広州からでも乗継時間含めて僅か10時間で楽に着いてしまう。

10:00に広州を出発し、15:35ウルムチ着。18:05に乗継便でウルムチを発ち、20:00カシュガル着という玄奘三蔵もビックリの旅程。

真夏の灼熱地獄の印象が強い西域だけど、砂漠が近いから冬は冬で-20度以下と超極寒。そこでヒートテックとミートテックで完全なる防寒対策を採り、準備万端で出発当日を迎えたのだが…

中国南方航空の伝家の宝刀がここで…。出発当日の深夜00:52に南方航空からのメッセージを受信、なんと18:05発のウルムチ-カシュガル便がキャンセルだと。「すまんの、キャンセルになったフライトの返金には応じますんで、理解賜りたし!(意訳)」とか…。まさかの事態でいきなり出鼻を挫かれた格好となり、朝一で南方航空のカスタマーセンターに電凸する羽目に。


ドタバタ劇の末に無事に20:00ウルムチ発の次便に振り替えてもらえたんだが、変更手続きの費用云々とかほざきやがってカチンときた。そちらの一方的な都合で変更を余儀なくされているというのに変更費用を請求するとか、一体どういう了見だ!?流石にゴネましたよ。怒気を含んだ威圧感ある声で。そしたら「仕方がありませんので、今回は特別に無償扱いにします。」とか、被害者面で恩着せがましい捨て台詞を吐きやがった。流石にキャンセルさせられた上に変更手続きの費用を払わされるとかオカシイだろうに。

折角の旅行気分を出だしから台無しにされ、残念なテンションで機内へと進む。
ひだり みぎ
ウルムチまでの機材はB737-800。今回のチケットはカシュガルまでの通しでエコ席がRMB1,100と格安だったのでエコ利用。ショボ機材のくせしてCはRMB8,000とかしたし。

C席は1名のみ、エコも3割程度という寂しい搭乗率の機内。やはり冬のシルクロードは閑散期なんだろう。旅行者の姿は皆無で、乗客の殆どは地元に戻られるムスリムの方々という完全アウェイな雰囲気だ。

安全の栞にウイグル文字での表記があったり、堀の深い顔立ちの乗客がイスラムワッチやへジャブを身に付けたりと、大陸文化とは異なる異世界感が漂う機内。ウルムチ到着前から新疆ウイグル自治区のエスニックな香りがプンプン。


ウイグル文字での記載があるレアな安全の栞。新疆路線限定かな。

この日は搭乗者数が少なかったこともあってかスムーズに乗客の搭乗が完了し、出発も見事定刻通り。
ひだり みぎ
離陸から20分、水平飛行になったところでマッチョマンCA二人によりドリンクが配給される。普段からCZエコクラスのCAは屈強なムキムキマッチョマン率が高いのだが、今回は特に制服がはち切れんばかりのごっつい肩幅をしたハガー市長ばりの精鋭ばかり。日本国外務省の危険情報でもレベル1に類される新疆に向かう便だけあって、治安対策ということなのだろうか。

ひだり みぎ
ドリンク配給後、間髪入れずにやって来た機内食はモロに漢族仕様。漢族のおっさんおばさんなら美味そうにクチャクチャと食い散らかすこと間違いないんだろうが、ウイグル族の皆様にはウケが悪いようで、皆さん余り箸が進んでいないご様子。

ひだり みぎ
食後はひと眠りして体力の温存に努め、起きたら早くも中国北西部の険しい山岳地帯。そして、海抜5,000メートル級の険しい山々の先には草すら生えない枯れ切った荒野が広がっていた。ウルムチが世界で一番海からの距離がある都市というウンチクも納得できる景色である。


ザ・シルクロードといったワイルドな荒原に砂漠を眺めていると、今度は一転して辺り一面の雪景色に。機内アナウンスに拠ると、本日のウルムチの気温はマイナス16度となるそうだ。緯度43° 48’と札幌よりも北にあることを考えれば驚くこともないんだけど、どうしてもラクダやオアシスなんかといった夏の灼熱地獄のイメージがあるからなぁ。


この10日程前には上海航空と南方航空が凍結した滑走路が原因でスリップしてオーバーランをかましてて心配だったけど、無事、極寒のウルムチ空港に予定到着時刻ぴったしにランディング。

乗継便の予期せぬ変更で乗継時間が4時間超になったけど、市内に出るには時間が足りないので、仕方なく空港で待機することに。まぁ年間10億人超が利用する巨大空港だから、いくらでも時間を潰すことができるでしょうw

ひだり みぎ
空港の造り自体は何の変哲もない典型的な地方都市の空港なんだけど、警備が凄いのなんのって。この翌日12月29日には新疆のホータンで共産党施設への襲撃事件が発生するなどウイグル族との衝突が相次いでいるみたいですからね。武装警備員が普通に空港内を闊歩したりしてた。

年間1億人超の利用客を誇る筈のウルムチ空港は想像を遥かに下回る規模で、この日は利用客の姿も疎ら。きっと旧正月期間中に5千万人くらいの人が利用するんでしょうね。

退屈な空港でやることがないのでガイドブックを読んだり人間観察したりして暇を潰し、カシュガル行きの便の出発時刻を待つ。手持ちのガイドブックにはカシュガルの民族構成は土着のウイグル族を中心とした少数民族が8割強を占めると紹介されているのだが、不思議や不思議。出発ゲートでは8割強が漢族、それも、観光客ではなく、普通のオッサンオバサンばかり。公務員や石油開発関連事業の従業員を中心に漢族が新疆に雪崩れ込んでいるとは聞いていたけど…。ウイグルの方々は飛行機にあまり乗ることがないとかなんかな。


小生みたく18:05発の便をキャンセルされた利用客がこちらにスライドしてきたからか、B777の機内はド満席。まさかカシュガル行きの便が漢族で溢れ返ってるとはなぁ。しかも声がデカくてお喋りな奴らが揃っていて、もう煩いのなんの。旅情もくそもありゃしない。

言葉は悪いが動物園の檻に入れられたようなカオスな機内で過ごすカシュガルまでの二時間…本当に苦痛だった。

機内食のメインも激マズ。割と何食べても美味しく頂ける安い舌をもった小生でも一口食べてギブアップというレベル。しょっぱ辛いというか…なんと表現していいかも分からない新次元の不味さで、流石にこれは隣の漢族の方も不味い不味い不満をこぼしてた。(きっちり完食してたけど)。

ひだり みぎ
もう本当に最悪なフライトで、予定より少し早く到着したのが不幸中の幸い。

中国の西の果て、キルギスやタジキスタンから百キロちょいのところにあるカシュガルの空港は意外にも近代的。
ひだり みぎ
しかし、空港を出るなり鉄柵の向こうの暗闇に大量の人間がうごめいていて、まるで「刑期を終え出獄する組長の出待ち」みたいな異様な雰囲気で、ちょっとチビりそうになる。

そして、鉄柵を抜けると不意にオッサンに腕を掴まれ、今度は絶叫しそうになる。「市内までバスに乗れ。」と。聞いたら、乗り合いバンで市内の指定スポットまで送ってくれるそうだ。運賃は10元。飛行機の到着時刻に合わせて空港の出口で客引きしているらしい。ホテルまでの足を確保していなかった私にはまさに渡りに舟、オッサンのオファーにのらせて頂くことに。

運転手に目的地を告げて乗車し、満員になったら係員が乗り込んできて運賃を徴収して回る。出発まで10分待ったけど、タクシーに一人で乗車するより安いし安全。これなら深夜着でも市内への移動は没問題だ。

【2017年新疆・敦煌・西安旅行記】











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