蘭州ラーメン:中国の職人芸

ラーメン、否、拉麺。蘭州拉麺とは、中国北西部、モンゴル高原に程近い甘粛省の省都・蘭州のイスラム族(=回族)の間で広まった超大人気手打ち拉麺のチェーン店のことです。その人気っぷりたるや想像を絶します。なんと、蘭州拉麺の発祥地である蘭州市だけで3000軒超の蘭州拉麺店が開かれているという超絶大盛況で、今や蘭州で修業を積んだ回族のラーメンマスターが中国全土に散らばり、全国で何千何万という店舗を開業するに至っています。

試しに広東省内の『蘭州ラーメン』をグーグルマップにかけてみると…

真っ赤!!もはや競争が激しいとかのレベルではありません。山・海以外の平地は万遍なく蘭州ラーメンの占領下となっています。

果たしてこれほどまでに規格外の超絶人気を誇る拉麺店の正体とは?








ジャーン。


ジャジャーン。入店するのが憚れる程、思いっきりこじんまりとしたドローカルな麺屋さんです。


『当店は清真教レストランであり、イスラム教を信仰しております。』もちろん、豚肉料理やアルコール類は一切無し。酒を飲んで暴れ出す輩もいない神聖なるラーメン屋です。


メニューは全て中国語での記載ですが、内容が分からずとも、店内には写真付きで各料理が紹介されているので指さしオーダーが可能です。

注文するとオーダーが麺工房で待機する麺職人に伝達され、麺の手打ち実演ショーが始まります。受注生産システムの為、いつ頼んでも鮮度ばっちりです。

かん水らしき液体をまぶしながら、調理台の上で生地をもみ込んで麺の“コシ”を作ります。


この生地がどんどん伸ばされて、ほんの1~2分で麺になっていきます。


ビョーン。『拉麺』は中国語読みでラーミェン。ラーメンの語源はここにあるのでしょう。『拉』は引っ張るという意味で、職人さんが熟練の技で麺を伸ばしながら、各オーダーごとに適切な太さ・長さ・形状に整えていきます。


見事な手捌きで細か~く引き伸ばしていきます。


麺を細くしていく過程で1本の生地の塊が2本になり、2本が4本になっていく。職人芸、匠の技です。


麺の太さ・長さを調整し終わると、間髪入れずに巨大熱湯釜に麺を投入。


20秒くらい簡単に茹でた後で麺をすくい上げ、具材とともに皿に盛り付けて完成。


こうしてできた酢醤麺。味付けに関してはノーコメントとさせて頂きますが、麺はコシがあって食べごたえ十分。

続いて刀削麺。

こちらは生地を刀で削いだものを釜に直接投下していきます。


一本一本リズミカルに削ぎ落としていく。成熟した技が光ります。


牛骨ダシの塩味スープの名物麺、牛肉刀削麺の完成。牛肉とネギ、香菜のみの盛り付けでシンプルながらどこか懐かしい味付けで、庶民人気があるのも納得。これでビールもあれば最高なんだがな~~!!

酢醤麺=9~12元
牛肉刀削麺=6~10元(店舗によって価格が異なります)
と価格も魅力的。中国奥地のド田舎から都心まで街中至る所に出店しているので、中国に来られる際は是非ご賞味ください。

また、興味ある方は『蘭州ラーメン技術士トレーニングスクール』なるものもありますので併せてご紹介を…

●費用:3800元(海外留学生は6800元)
●期間:講習30日+実地研修20~60日

終了の暁には技術資格証明書が発行され、中国全土で蘭州ラーメンの看板を背負って独立開店することができるそうです。

Related posts(関連記事):

西遊記のモデル・玄奘三蔵ゆかりの地 大慈恩寺(大雁塔)
この日朝一で向かうは宿泊先のウェスティンと目と鼻の先に位置する慈恩寺内に立つ大雁塔。西遊記の原典とされる大唐西域記を著した玄奘三蔵がインドから持ち帰った仏典・仏像を保存する為に建てられた七層の塔である。 そう、玄奘といえば大唐西域記、大唐西域記といえば西遊記と連想されてくる。 破天荒な内容の冒険伝奇活劇でフィクション要素の強い西遊記だが、仏僧が孫悟空・猪八戒・沙悟浄の三人の妖怪と天竺(ガン...
【遠すぎ不便】コートヤード深セン宝安(深圳联投東方万怡酒店)宿泊記
久しぶりの深セン。この週末はどこに泊まってやろうかの…とホテルを検索してみると、マリオットの公式サイトで見覚えのないコートヤード深セン宝安(深圳联投東方万怡酒店・Courtyard By Marriott Shenzhen Baoan)なるホテルを発見。レビューが2件しかないので新しいホテルであろう。宝安にはもう一つCourtyard Shenzhen Northwestが新しく出来たし、同じく深...
シェラトン中山(中山喜来登酒店)クラブフロア宿泊記
この日は孫文所縁の町・中山の市街地ど真ん中に建つシェラトン中山へ。中山って中国の都市にしては妙な名前だけど、香山(現中山)出身の孫文の号が中山だったことに肖り中山に改名されたんだと。今でも中山は中国に於いて偉人の名前を取った唯一の都市らしく、そんな訳で中山に足を運ぶ度に稀代の革命家・孫文の顔が頭に浮かんできてしまうのである。 学生時代、阿片戦争⇒孫文出現あたりの世界史授業は胸アツで聞いてた覚...
中国の大衆食堂再び。
今日は東莞某所への出張。毎度ながら出張時は食事処の選択に困る。選択肢が多くて困るという贅沢な悩みではなく、選択肢が限られ過ぎて困るのである。 午前の打ち合わせ後に客先近辺を車で流し、ここは駄目あそこは駄目と食堂を選別。選択基準は一に衛生標準、二に衛生標準。味は二の次三の次で、先ずは衛生的で清潔なレストランの確保が求められる。食の安全問題が根深く残る当地では、外食するにあたっての自己防衛が必須...