暇に任せて香港島を東西に走るMTR港島線の西の終着駅である上環の高層ビル群の中を探索していたところ、偶然にもキャットストリートと呼ばれる青空ガラクタ市を発見。
窮屈に立ち並んだ過密高層ビル群の間を縫って入る。中華テイストの繁華街が狂ったように続く九龍半島側に比べると、香港島側は高層ビルやオシャレスポットも多く、落ち着いた雰囲気が漂う。
更に急勾配な坂道を登り切った先の摩羅上街(アッパー・ラスカー・ロウ)に…
面白そうな小物の露天市が展開しています。モールや免税店では入手できそうにない掘り出し物が売られている予感。
アッパー・ラスカー・ロウこと摩羅上街にて昼過ぎから夕刻6時過ぎまで賑わうそう。流石に『アッパー』だけあって幾つもの階段・登り坂を攻略した末の到着に、既にふくらはぎが悲鳴を上げているが、気力を振り絞って一通り見回ってみることに。
周囲を睥睨して聳える摩天楼群に囲まれ、真上にしか空が見えない小道。全長100メートル程度の通りに開かれた青空市に真贋定かでない骨董品や中古雑貨品、多種多様なチープでディープなガラクタ品などがギッシリ。広東の隠語で盗品をネズミ、そしてそれら盗品を購入する人をキャットと呼ぶことから、キャットストリートと呼ばれることになったそう。
摩羅上街 の細い路地には良く言えばアンティーク、悪く言えば只のガラクタとも見える古製品・毛沢東などのプロパガンダアート・中華風小物・仏像の露店などで路地が一層狭くなっており、買い物客・観光客は肩をぶつけながら通り過ぎていきます。
こちらには玉石混合(!?)HK$10の均一ガレッジセール。一見すると出所不明のクズやガラクタの集合にしか見えませんが…
ええ、大概は 見た目通りのガラクタ品ですが、掘り出し物目当てに立ち止まって商品を漁る人も少なくありません。小生も漁ってみましたが、掘れども掘れどもガラクタの山。それでも底に眠るであろう宝の山を求めて必死に掻き漁ってしまった。
使い古された眼鏡ケースにCDプレイヤー眼鏡、テープレコーダー等。どこから拾い上げてきたのか、オンボロな商品ラインナップに泥棒市という称号にも納得してしまいます。
子供用品も全て年季の入ったセカンドハンド。本当に買い手がつくのだろうか。小売店では販売額を増加させる商品陳列の法則があると聞いたが、そんなの糞喰らえ!お構いなしにただただ路上に放り投げ出された商品。
これは!ガラクタの中で一際目立つ真紅の小冊子、文革のシンボルである毛主席語録を発見!一冊HK$32也。かつては十数億冊と刷られた中国版バイブルですが、今では観光客用のお土産に成り下がっています。
中国国民のヒーローでありアイドルであり神である唯一無二の存在であった毛沢東の巨顔の下で紅衛兵が力強く握りしめているこの小冊子。紅衛兵の必携書であり、彼らがポケットに携帯して持ち歩くことを想定し、汗にも耐えられるビニール材が表紙に用いられている。
ここにもいました!あらゆるところで毛グッズが商品化されていて一種のブランドのようであるが、流石に家の中に置くのは憚られる。
こちらでは御利益がありそうな仏像が販売されていると思いきや…
あっ!!!!仏像やドラゴン像の間にちゃっかりと半身毛像が!!!重厚感のあるこちらの毛さんはHK$500とのこと。
これは…
流石にゴミですよね…どこからが商品でどこからが本物のゴミなのかの境界線がハッキリしない程、軒先に並べられた商品は筋金入りのガラクタ揃い!
100メートル程度の短い通りですが、狭い通路にギッシリとガラクタが詰まっていて、買う気は無くとも冷やかすだけでも面白いキャットストリート。露店商人達も冷やかし歓迎といった感じで強引な客引きはまったくしないので、ゆっくりと掘り出し物や毛主席グッズ探索に興じることができます。九龍半島の男人街や女人街マーケット程の規模感は無いですが、童心に返ってガラクタに紛れた掘り出し物を探すならおススメです。ゴミ99%対掘り出し物1%くらいの割合ですので、買い物には根気と時間が求められますので、予めご承知の程お願いします。
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