日曜日は朝一でホーチミンの中華街であるチョロンに向かいました。
チョロンへは1番のバスで向かいます。チョロンまではVND 4,000 (≒16円)でした。目的地までの走行距離が18Km以下であればVND 4,000、 18Km以上であればVND 5,000のようです。
市内から10分も走ればベトナム語・英語に加えて中国語の看板も見えてきます。
HCMCの中華街は17世紀の末に広東省・福建省からの華僑が商業中心地として築き上げた商業地で、仏印時代は穀物の取引を中心にインドシナにおける一大経済都市として東南アジア有数のチャイナタウンになるまでの繁栄を見せました。チョロンという名前もベトナム語で大きな市場という意味であるらしい。
ここで使われるのは繁体字がメイン。1979年の中越戦争後はHCMCでも対華人圧力が強まり、こういった漢字表記の看板は撤去され、多くの華僑が国外に脱出していった。
1975年にはHCMC (当時のサイゴン)の総人口の2割強にあたる70万人の華人が住んでいたとされるチョロンだが、中越戦争後は10万人そこらまで減ってしまったらしい。
20分弱でチョロン駅に到着。駅からはビンタイ市場が見えます。
現在はドイモイ政策(経済自由化政策)の効果もあり、チョロンの活気は回復、華僑人口も50万人程まで戻してきているそうです。店舗数2000店以上を誇る巨大市場で、日曜朝から人と物の出入りが激しいです。
中に入ると
どこが道かすら分からないほどのカオス状態!見るもの嗅ぐもの聞こえるもの全てがまさに東南アジア!
鞄・靴・衣類・生地を商っているお店から生鮮を含めた食料品全般を販売しているお店などもあり、干し海老や香辛料、漢方薬の匂いが漂ってきたて、ベトナム華僑の日常の生活を垣間見ることができます。
ドンキホーテも真っ青の圧縮陳列
足の踏み場もありません。まさにアジアの混沌を象徴したような場所です。ねっとりと体に巻きついてくる熱気もアジアです。
懐かしの駄菓子も地べたに無造作に置き売りされています。
福建・広東の華僑なので、中国語(普通語)は思ったより通じません。駄菓子を土産用に買おうと思ったのですが、小売りではなく卸なのでMOQが…ゼリー500個もいらんわ!
中庭の様子。中庭の四方を建物が囲むという中国独特の『四合院』的な建築様式で龍の彫り物もあったりと中華文化の匂いがします。市場の中にいると怒涛の人と物量で疲れるので暫し休憩。
ベトナムは暑いといってもカラッとしてるので日陰に入ると幾分過ごしやすいです。
中庭で座って人間観察をしていると、そよ風に乗って何かしらの匂いが…臭いの発臭源に向かうと、そこは公共トイレでした。有料ですが、逆にお金を頂いても入りたくないような匂いを放っていました。
トイレの標識もベトナム語・英語・中国語表記になっています。
ベンタイン市場と比べて客引きが無いのは良いですが、卸売メインの為に観光客は余り買い物を楽しむことはできないかと思います。それでもアジアの街ウォッチが大好きな私には楽しめました。
ビンタイ市場周辺の路上市場も人通りが多く物も溢れていて、活況を呈しています。
文房具屋に鶏肉屋など。必要な物はチョロンでおよそ何でも揃ってしまいます。ここら一帯を歩いていると中華街独特の活気、喧噪さを体感する事ができる。
この市場からチャンフンダオ通りに出ると、いかにも中華街という黄金龍が舞う中央公園に出ます。
中国人にとって公園は憩いの場。家族連れが休憩をしたり暇人が横になっていたりします。
すぐ傍にはチャダム教会が見える。
西洋風の荘厳な教会ですが、門には漢字で『方済各天主堂』と記されています。
中には聖母マリア様の像が立っています。
白に青のシルクを身にまとい、いつもよりちょっと余所行きおしゃれな聖母マリア様。ザビエルさんも心なしかちょっとカジュアルです。初めて白い服を着た彼を見た気がする。
パステル調の教会の中には厳かな雰囲気が流れ、熱心な信者がお祈りを捧げている。
ミサの見学を終え再び探索を開始すると、近くに福建華人の同郷会館を発見。
チョロンには他にも広東・潮州・海南・客家の同郷会館があるそうです。同郷人との結びつき、地縁、血縁を大切にする中国人らしいですね。
敷地内には宿舎とおぼしき古びた建物と廟が建っている。日陰では多くの物乞いが腰を下ろして私の方を見つめていました。
同郷人同士の相互扶助組織や華人子弟の教育機関として機能しているようである。移民をしても決して移民先文化に同化をしない彼らの根性(頑固さ?)が中華文化の拡散力の原動力のようです。
ここいらでちょっと遅いお昼として屋台でバインミーを食します。
バインミーとはバゲットの切り口にパテを塗って野菜や肉を入れて調味料を振りかけた簡易サンドイッチのこと。
屋台の肉は衛生的に若干の抵抗があったので野菜メインで。パクチーとか葉っぱ系が中心。
VND 15,000 (≒60円)也。
You gatta watch out for a few ripping-off street vendors around here.
(ここいらのいくつかの詐欺屋台には気をつけた方がいいぜ)と教会で会った白人旅行者に忠告されていましたが、その心配も吹き飛ぶ安心価格でした。
腹ごしらえを済ませ、歩いてダムセン公園まで向かいます。
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>はのいはのいさん
コメント頂き有難うございます!
確かにバスに乗る時点でアドベンチャーが幕開けてますよね!チョロンもそうですが、ローカルバスなどやっぱり地元の人々の生活の様子を観察できるのは面白いですよね^^