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激動の時代の貴族の館 ラーンナー建築センター


ワット・チェディ・ルアンの東隣り、ラチャダムヌーン通りに面してラーンナー建築センター(Lanna Architecture Center)がある。先日宿泊したシャングリラチャンの受付嬢に、「どうです?ラーンナースタイルのホテルも良いものでしょう。」なんて聞かれた際に気取って「ええ、良いもんですね。」なんて答えたが、自分の中でラーンナー様式の建築物がどのようなものなのか全く持って具体的イメージが湧かなかった。ムーミンではないが、優しさに包まれた感じが心地良かったのだが、はてはてラーンナー建築とは一体どのような様式の建築なのか。ラーンナー建築センターに行けば分かるだろうとのことで、密かに楽しみにしていた場所なのである。

入館は無料。門を入ると広い芝生の庭に建つ二階建ての一棟がラーンナー建築センターで、想像していたよりもこじんまりとしている。というかショボイ。シャングリラみたいな上品で優雅な華やかさがある建物を想像していたが、目の前にあるのは半石工、半木工の二階建ての小さな邸宅だ。元は貴族の館と聞き及んでいたので、シャングリラまでとはいかないまでも、もうすこし豪奢な建築物を想像していたというのが率直な印象だ。他の参観客もまるでいないし…

一階は煉瓦がモルタルで塗り固められた造りで、石造の白い回廊に黒いチーク建材が二階に載る形で建てられている。一階と二階で色と様式の二重のコントラストが凄く遊び心があるというか、独特のスタイルだ。唯一シャングリラとの共通点を見いだせる個所といえば、赤みのかかった色合いの屋根かな。派風があり、寄棟屋根になっている。確かシャングリラもこんな風の屋根だった。

建物1階の玄関にあたるところまで進むと、女医のようなインテリ風お姉さんが声をかけてきた。係員のようだ。話に拠ると、この建物はタイ人貴族の為に1889-1893年に英国企業が建てたものだそうで、今はチェンマイ大学の建築学部により管理されているそうだ。英国会社は木材関連企業であり、チェンマイでチークの伐木権を得るための土着貴族層への贈与品だったのかもしれない。1階は受付、事務室、土産物屋になっていて、主に2階がランナー建築の展示会場になっているそうだ。入場料などは特になく、寄付金を求められるようなこともなく、凄くウェルカムな雰囲気だ。………といっても旧市街のド中心にあるにもかかわらず、入場者は私一人しかいないんですが)


靴を脱ぎ、二階へと上がらせてもらう。立派な黒光りするチークとテラスの手すりに施された細工が美しい。昔はクーラーなど無かったから、風が吹き抜けやすいように計算された造りになっているのかな。


味のある建物だ。木造住宅独特の安らぎ・安心感に満ち溢れていて癒される。アユタヤのクンペーン・レジデンスでも感じたことだが、やっぱり無機質素材だけの家より木の温もりがあった方が気持ちが和む。


19世紀の貴族の館のテラスから古都チェンマイの名刹からワット・チェディー・ルアンとワット・パンタオを眺めていると、否が応でも19世紀の貴族の生活ぶりに思いを馳せずにいられない。チェンマイ芸術文化センターで習ったところに拠ると、19世紀後半のチェンマイといえばタイ北部のチーク木材を目当てに西欧人が流入し始めるのと同時にバンコク王朝への結びつきが強まった激動の時代である。妄想癖がるもんで、色々と当時の町の様子とかを想像しては楽しんでしまう。


展示室。しょぼっ!!展示内容ははっきりいってショボイ。幾つかのパネルと模型がある程度で、説明書きも不十分。

ひだり みぎ
建築模型。あー、確かにこれをみたらシャングリラっぽさも少しは感じる。シャングリラはこれを更に大きくした感じか。

はっきり言って、ラーンナー建築に関して学ぶには展示品が余りに不十分ではあるが、19世紀後半の激動の時代に建てられた貴族の館に立ち入れること自体が貴重な経験なのかと思う。まぁでも勝手気ままに歴史のあることないこと想像膨らませて一人で楽しんでしまうような妄想癖のある人でなければ余り面白味を感じないかもしれないな。

【ラーンナー建築センター】

住所:117 Ratchadamnoen Rd.
電話:0-5394-2806
開放時間:08:30-16:30

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