ここ最近、身売りの噂で持ちきりだったSPGの買収先が正式決定した。事前に候補として挙げられていたIHGでもハイアットでも中国系3社でもなく、まさかまさかノーマークだったマリオット・インターナショナルだと。米国中心に展開するマリオット、米国外のポートフォーリオが充実しているSPGを取り込むことでIHG・ヒルトンを突き放しにかかるべく虎視眈々と狙ってたんだろう。取りあえず何でもありの某隣国系に身売りされるという最悪の事態は免れた。
買収金額は約122億米ドル(約1兆5000億円)で、統合後はホテル数5500軒余・客室数110万室・ブランド数29を運営する圧倒的規模のモンスターホテルチェーンとなり、ホテル業界の勢力図が大きく塗り替えられることになる。
売上高でも、マリオットの274.9億ドルと4位スターウッドの151.8億ドルが統合されることでヒルトンを大きく引き離すことになる。(出所:国際市場調査大手・ユーロモニターインターナショナル)
以下、マリオットのソレンソン社長兼CEOの弁
「今回の(合意の)推進力は成長だ。マリオットとスターウッドの強みを組み合わせ、競争力を強化する。」と。
もう競争力うんぬんというか、規模がチート。
如何せんブランドの種類が29にもなるので、セントレジスとリッツだったりといったブランド間の棲み分けや統廃合をどうしていくのか気になるところだが、SPGメインの自分にはリッツとルネッサンスといった選択枝が増えるのはウェルカムな話であると捉えよう。
後、気になるのは両チェーンそれぞれの会員プログラムやそれぞれのポイントをどう統合するか。参考までにそれぞれの会員プログラムの比較を挙げておく。
【マリオット】
ステータスと必要宿泊数 | 主な特典 |
---|---|
シルバー(10泊) | 優先レイトチェックアウト・20%のボーナスポイント |
ゴールド(50泊) | 客室アップグレード・ラウンジアクセス・朝食2名分・25%のボーナスポイント |
プラチナ(75泊) | プラチナギフト・48時間前まで客室保証・50%のボーナスポイント |
【SPG】
ステータスと必要宿泊数 | 主な特典 |
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ゴールド(10滞在or25泊) | 16:00までのレイトチェックアウト・ゴールドギフト・50%のボーナスポイント |
プラチナ(25滞在or50泊) | 客室アップグレード・ラウンジアクセス・72時間前まで客室保証・プラチナギフト・50%のボーナスポイント |
自分はSPGプラチナにマリオットシルバー(来年は平会員に陥落予定)だが、SPGプラチナにはマリオットゴールドが与えられると考えるのが妥当な線か。最上級ステータスではなくなるが、マリオットはゴールドでもラウンジアクセスと朝食が付くんで充分納得は出来る。ポイントも中国系だったらSPGのスターポイントは即刻無効とか超デノミみたいな暴挙を働いてきそうだが、マリオットはSPGの会員を離さない為にも極端な変更を加えないだろう。
後はライフタイムステータスについて。マリオット・SPG双方共にライフタイムステータスを設定しているのだが、これについて統合後にどういう決定がなされるかが小生にとっての最大の関心事。
【マリオット】
ステータス | 条件 |
---|---|
ライフタイム・シルバーエリート | 250泊 120万ポイント |
ライフタイム・ゴールドエリート | 500泊 160万ポイント |
ライフタイム・プラチナエリート | 750泊 200万ポイント |
【SPG】
ステータス | 条件 |
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ゴールド(10滞在or25泊) | 250泊かつゴールドレベルを5年以上 |
プラチナ(25滞在or50泊) | 500泊かつプラチナレベルを10年以上 |
SPGでの宿泊記録がそのままマリオットに移行されれば良いのだが…マリオット系格安ホテルの宿泊数とSPGのハイエンドなホテルの宿泊数が一緒くたにされるのはちょっと癪に障るが、会員プログラムは時機を見て買収した側のマリオットの方に吸収される形に落ち着くんだろうなぁ。今後の宿泊方針を決める上でも続報が待たれるところ。
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