世界最小国家の世界最高に贅沢な空間バチカンのサンピエトロ大聖堂

国有面積0.44平方km、人口約800人の世界最小独立国・バチカン市国。
小さい小さい言われるシンガポールはおろか、ネズミの王国ディズニーランドよりも小さな国なのですが、カトリック教会の総本山として世界に与える影響力は絶大。今日はそんなバチカン市国へと行ってみます。

国と言ってもローマ市内にありますので、ホテルから地下鉄で向かいます。
バチカンは国土面積こそ世界最小ですが、なんたって世界を牛耳るカトリックの総本山であり、カトリック13億人の聖地ですからね。芸術的価値の高い建造物や名高い巨匠たちによる貴重な美術作品を多数有し、国全体が世界遺産にまでなっちゃってるくらい見どころ満載な場所なんです。

最寄り駅はOttaviano(オッタヴィアーノ駅)。ディズニーランドが如く開園前から順番待ちの列が発生するらしいので、7時の開門に備えて6時半に着くよう移動しました。

この門の先がバチカン市国ですが、既に10人ほど入園待ちの先客あり。
因みに独立国ではありますが出入国管理局的なものはありません。パスポートチェックもなく、門をくぐれば、もうそこはバチカン市国です。

門をくぐった先に広がるのはサンピエトロ広場。ただ、バチカンに入国したといっても一般の観光客が入れるのはサンピエトロ大聖堂とバチカン美術館のみ。他は屈強なスイス人衛兵が警備にあたっていることもあり秘密のベールに包まれています。きっと知られたくない闇歴史や闇情報も多いでしょうからねw

こちらの大聖堂こそがカトリックの総本山にして世界最大の教会です。
元々は4世紀に十二使徒の一人である聖ペテロの殉教の地に建てられ聖堂が、1626年にグレードアップ。ミケランジェロやラファエロといった稀代の巨匠が手掛けた現在のサンピエトロ大聖堂が完成し、歴代ローマ法王により集められた最高芸術のコレクションが納められました。

聖なる扉

大聖堂たるや入り口からして一般的な教会とは格が違いまして、「死の扉」「善と悪の扉」「フィラレーテの青銅の扉」「秘蹟の扉」「聖年の扉」という5つの立派な扉が並んでいます。

特にこの聖なる扉はシンボリックな存在で、25年に一度の周期でやってくる「聖年」にのみ限定で、ローマ法王自らの手によって開かれるそう。
因みに次回の開門は2025年。この扉を通ると罪が許されるという免罪符風な特典が与えられる神イベントだそうなので、贖罪機会をお求めの方は是非参加してみてください。

そんな聖なる扉をくぐりますと、目の前はもう異世界です。世界最小の国の世界最高に贅沢な空間が目の前に広がります。

バロック的装飾の氾濫の中で溺れてしまいそう。眼福!圧倒的眼福っっ!

床・壁・天井にびっしりと施された装飾の華やかさだけでなく、1万5160㎡という建物の規模感にも圧倒されます。これだけ広い空間中に、イタリア芸術の粋を集めた膨大な芸術作品が散りばめられているんですから、もうまさに美の宝庫といったところ。

ラファエロ作絵画 キリストの変容

数々の絵画の名作が並ぶ中で、最も人々の注目を集めていたのがラファエロのモザイク画「キリストの変容」。この厳かな大聖堂内部という雰囲気補正がかかっているとはいえ、壮大な構図が圧倒的スケール感で描かれた超大作からはスピリチュアルなオーラがビンビンに…
………
って、レプリカなんかーい!本物は近くのバチカン美術館の絵画館(有料17ユーロ)にありますって、ゴリゴリの営利企業顔負けの集客動線ワロw

彫刻

彫刻もミケランジェロ作のピエタ像を始め、著名芸術家によるザ・マスターピースが並んでいます。硬い大理石から掘り出されたはずなのに衣類の柔らかさや肌の艶、表情の機微まで表現されているのは引くくらい凄い。とても無機物とは思えませんし、絶対に夜とか誰も見てないところでは動いて普通に生活してるんだと思ってしまうくらいです。

ベルニーニ作 大天蓋(パルダッキーノ)

身廊の奥の内陣には、地下に眠る聖ペテロの墓の位置を示すための大天蓋が置かれています。
これはバロック期の巨匠・ベルニーニが設計を手掛けたもので、ちょうど真上には天才芸術家・ミケランジェロがデザインした大ドームが。聖ペテロが眠る聖地だけあって、ここはサンピエトロ大聖堂の中でも最も劇的で最も神聖で最も豪華な空間になっています。

迫力ある4本の螺旋状の柱に支えられたブロンズ製の大天蓋。
陽の光を差し込むドームに向かって大きくうねりながら伸びる柱は、まるで生命が宿っているかのような不思議な躍動感に満ちています。

ミケランジェロ作 クーポラ(ドーム屋根)

大天蓋に光を差し込むよう設けられた巨大なドームもまた神秘的。しかも、嬉しいことに上部に設けられたテラスまで階段で上れるようになってます。

内部に設けられた階段とエレベーターは、↑の矢印の部分まで繋がっています。

あいにく朝方だと思いっきり逆光になるので写真映えはしませんが、これがまた中々の絶景ポイントでした。バチカン広場を真正面から見下ろせるビューポイントはここだけなので、時間と体力があれば是非とも立ち寄ってみることをお勧めします。

パノラマビューだけでなく、地上へと降りる途中では十二使徒の像も至近距離で観察できますしね。人に見られないと思って手抜きしたのか、後ろ側はけっこう雑な造りで笑っちゃいますがw

参考サイト:

Papal Basilica of Saint Peter (basilicasanpietro.va)

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