世界一退屈な町? カタール・ドーハを一泊二日で観光する

2018年年末年始旅行の観光先1カ所目はカタールのドーハ。
ドーハという地名を聞き真っ先に思い浮かべるのはやっぱり子供心に悔しい思いをしたドーハの悲劇。ロスタイムラストワンプレーでの衝撃の結末に崩れ落ちる日本代表イレブンの姿が頭に思い浮かんできて、今でもちょっと悲しい思いをする名前であるw

そんな苦酸っぱい思い出の地・ドーハ。
観光的には取り立てて見所の無く、しばしば「世界一退屈な町」とも表現されているようだけど、ドーハではどんな楽しみ方ができるのか。ざっと見たところ、ドーハ市内・近郊の見所は確かに非常に少ないようで、ガイドブックに取り上げられるのは大体下記6ヵ所程度。

・真珠をモチーフとした巨大高級リゾート島“ザ パール カタール”
・イスラム美術館
・カターラ カルチュラル ヴィレッジ(カタール文化村)
・スークワキーフ(伝統的バザール)
・ラクダレース
・デザートサファリ

ただでさえ見所が少ないのに、デザートサファリは去年のオマーン旅行で満喫したし、ラクダレースに至っては曜日的に開催されていないときたもんだ。


来てみたは良いけどやっぱりやることのないドーハ。もうここでは適当に街歩きを楽しむだけで、あとはホテルでまったりと過ごすことにした。旅の後半に向けて体力も温存しとかないかんしね。

街歩きのスタートはインターコンチネンタルホテルのある外交地区から。
ひだり みぎ
ビル乱立のコンクリートジャングルの中を高級車がバンバンと走る近未来都市ドーハ。ただ、外で見かけるのは肉体労働に勤しむ印パ・東アジア・アフリカ系の人たちばかりで、ここは本当にミドルイースト?と疑いたくもなってくる。なんでも、世界有数の経済的豊かさを誇るカタールの社会は、人口の9割は国外からの移民労働者が少数のカタール人の生活を支えるという構図になっているようだ。そういやサッカーのカタール代表も、明らかにアラブ人じゃないだろみたいなアフリカ系が半数くらいいてチートみたくなってたしな。


モスクもあるけど規模は小さめ。それもそのはず、カタールなのにカタール人の人口は25万人程度と寧ろマイノリティですからね。日中の町で見かけるのは出稼ぎ労働者ばかりで、あまりアラビアンワールド感はありません。

町の中心に建つこちらの宮殿かのような建物は、建物がカタール人の行政の長である首長の館。カタールではお隣のアラブ首長国連邦と同様に首長制を採用しており、1868年以降はサーニさんー家が首長として国を統治しているそうな。

カタールには消費税もないし、学費や医療費だけでなく、なんと電気代、水道代、電話代まで全て無料。更には土地も政府から無料で借りることができ、10年後にはそのまま自分の所有地にできるという地上のユートピア。所得税もないですし、金持ちカタール人は資源価格が暴落しない限りは一生安泰という人生イージーモードぶりっすわ。身を削って稼いでも税金で搾取されるジャパニーズ社畜モードのプレイヤーとしては本当に羨ましい限り。一人当たりの名目GDPも日本(US$39,306)の1.8倍にあたるUS$70,780とかっすからね、カタール。大変な実動部分は移民部隊に任せて自分たちはのほほんと…みたいな感じなんすかね。



完璧に整備されゴミ一つ落ちていないユートピアの海岸沿いの遊歩道を南へと下ると、海の上にそびえる海上都市かのような摩天楼が見渡せるコルニーシュという憩いの場に着く。

ひだり みぎ
伝統的なダウ船(伝統的な木造のカタールボート)と近代的高層ビルの対比が美しいビーチ沿い。今でこそ石油・天然ガスの一攫千金を当ててウハウハ成長モードにあるけれど、従来は天然真珠産業に頼った漁村程度の存在だったそうだ。初心忘るべからず的な意味合いなのか、町の中にはパールに因んだモニュメントが設置されている。


ここらを歩いていると、船の所有者がしきりに声をかけてくれる。遊覧船としてカタールの見所を周ってくれるそうだ。くっそ緩ーく生きてそうな船乗りでも、日本でガツガツと仕事する人達より平均的にはGDPが上というね。人生不公平っすわ。


エメラルドグリーンの海に突き出た人工島には、白い角砂糖の山ようなユニークな建物が見える。これは、ルーブル美術館のガラスのピラミッドをデザインしたI.M.ペイという著名な建築家が設計したイスラム芸術美術館。イスラム文化圏から収集されたコレクションが展示されていて、入場無料とのことだったので入ってみることにした(残念ながら、今はQR50の入場料が必要になったようです)。

イスラム芸術博物館


カタールの国家的シンボルとして世界的な建築家が設計したイスラム美術の殿堂。所蔵品もカタール首長が持つ世界最高峰のコレクションを取り揃えているそうだ。

ひだり みぎ
影を巧みに使って幾何学的模様が様々な形で表現されたユニークな神殿。建物だけでも見る価値があります。中はエアコンが効いてて涼しいですし。


ひだり みぎ
中でも圧巻なのは、海側の壁をガラスにした中央のアトリウム。幾何学模様に支配された空間の中を民族衣装を着た地元の人たちが行きかう姿はとても絵になり動画作品かのよう。


常設展は地域・時代・テーマごとに展示されており、イスラム圏の文化を広く網羅的に紹介しているのだが…これら展示品は首長家の個人コレクションが元になっているというのだから驚きである。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
豪華爛漫な宝飾品や貴金属類だけでなく、エキゾチックな柄の巨大な絨毯やユニークなコーランの写本、アフリカの象牙細工、美しい幾何学模様が描かれたタイル、歴史的な伝統被服やオスマントルコの甲冑などなど、イスラム教が誕生したと伝えられる7世紀から、近代の19世紀にかけ各地域地域で発達した美しきイスラム芸術の数々。一つ一つ厳選されたのであろう上質な展示品が暗室内に浮かび上がるかのように展示されていて、美しいイスラム芸術の魅力がより引き立てられている。

博物館というよりは美術館なので、学術的知識ゼロでも楽しめるっす。

【THE MUSEUM OF ISLAMIC ART】

ホームページ:http://www.mia.org.qa/en/
営業日:
Sunday 9:00am to 7:00pm
Monday 9:00am to 7:00pm
Tuesday 9:00am to 7:00pm
Wednesday 9:00am to 7:00pm
Thursday 9:00am to 7:00pm
Friday 1:30pm to 7:00pm
Saturday 9:00am to 7:00pm
入館料:QR50

スーク・ワキーフ(Souq Waqif)

官庁街が集まる湾を中心に同円状に開発されたドーハの街。イスラム美術館から内陸地側に向かって広がる住宅地の方向へと歩いていく。
ひだり みぎ
ひだり みぎ
町の内陸側へと進むにつれ、ガラス張りの近代的建築物が乱立する官庁街とは異なる、エキゾチックなアラブ情緒を感じさせる建物が増えてきた。


ダウンタウンのアル・スーク(Al Souq)地区で最大の見所は、スークワーキフというバザール。古くからあった当地にあったバザールを観光客向けにリノベーションして再現したものらしい。

ひだり みぎ
バザールの内部は迷宮かのように細い路地が入り組んでいて、アラビアンな民芸品や貴金属、幾何学模様が美しい織物、ナッツ類なんかの乾物、水タバコなど、ありとあらゆる物品を売る個人商店がエリアごとに集まっている。これが古き良きアラビアのバザール(の再現)らしい。

ひだり みぎ
実際にバザールを再現して作られた観光地なので仕方がないのだろうが、どうもテーマパークっぽいし、わちゃわちゃ感が少なめでどうしても作り物っぽさがある。売り物もペットマーケットを除けばベタな中東グッズがメインで掘り出し物が見つかるといった感じでもないし。


お洒落なオープンテラスカフェやシーシャラウンジもあるけれど、朝だったからか活気がない。たぶん、夜とかに来たらミュージックやダンスのイベントがあったりして違ったんだろうなー。

【スーク・ワキーフ(Souq Waqif)】

ということで、特に何もすることなく適当にドーハの街をブラブラとしてみましたが、ドバイあたりと比べると本当に観光的には何の見所もないっすねw ガンガンとベタな中東アクティビティを楽しむならドバイ、アラビアンリゾート的な雰囲気の高級ホテルでまったりするならドーハが良いでしょう。やっぱりドーハのホテルはコスパ高めなんで。

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