サンクトペテルブルといえばココ!エルミタージュ美術館 冬の宮殿

サンクトペテルブルグ初日は、朝一からサンクトペテルブルグの顔とも言うべきエルミタージュ美術館へと向かう。エルミタージュといえば、ペテルブルクに来たら一番に挨拶に出向かねば失礼にあたるくらいの大御所的存在ですからね。


それにしても、9月末なのにくっそ寒い。風が強いので体感温度的には更に低く、鳥肌と乳首が立つような寒さの中を歩いていく。


65本の川と100以上の島があり、365もの橋が架かる北のヴェニスことサンクトペテルブルク。川あり運河ありフォトジェニックな建物ありで町全体が絵になるので、歩いてて楽しめるのは楽しめるんですけどね。ただただ風が冷たい、というか痛い。


ホテルから歩くこと10分弱、前方に見えてきたエルミタージュの威容。宮殿自体が美術品というか、もう見た目から醸し出される風格からしてやばい。ミュージアム界では押しも押されぬ大横綱でしょう。なんたって、収蔵品数300万点という途方もない規模の美術館ですからね。世界三大美術館としても挙げられてるけど、規模的には世界一の美術館と言っちゃっても良いんじゃないだろうか。

因みにロシア絡みの世界三大〇〇でいうと、他にボルシチが世界三大スープなるニッチなカテゴリーにランクインしてるので、本場のボルシチを食べるのも何気に楽しみ。本当に我が国が誇る豚汁より美味しいわけ!?


エルミタージュ美術館の歴史は、ロシア民族が最高に輝いていた(と個人的に思う)18世紀ロマノフ王朝時代に遡り、皇帝の住まいとして1735年に冬の宮殿が完成したことに始まる。その後、歴代の皇帝たちが権威を誇示するかのように収集した美術品芸術品を宮殿に飾っていったことで、美術館のようになっていったそうだ。美術品の数々については、当時は皇族以外には開放されてなかったんですがね、幸いなことに21世紀を生きる我々は、数百ルーブルを払えば、ピョートル大帝やエカテリーナが住んだ宮殿へと土足のままお邪魔をさせて頂き、更にはロマノフ王朝の歴代皇帝が集めた至宝の数々を目にすることができるわけです。

そんなエルミタージュ美術館の建物は、冬の宮殿(本館)、大エルミタージュ小エルミタージュ新エルミタージュエルミタージュ劇場の5棟で構成され、総面積は46,000㎡。展示室数の数は1,500超にも及び、それら全ての部屋を回ると20kmを超えるというハーフマラソンばりの移動距離になるとかw 単純に300万点の所蔵品を1点1分ずつ見て回り、1日8時間を見学に充てたとしても17年以上かかるという計算ですからね。もうね、今回はペテルブルクでの滞在期間全てをエルミタージュに捧げ、エルミタージュと心中する覚悟を決めてきました。時間の全てをエルミタージュにオールイン。それくらいの価値がある美術館です。


中央のエルミタージュ広場を挟んだ対面には、旧参謀本部の建物を利用したエルミタージュ美術館の新館が。こっちは印象派などの比較的新しい絵画の展示が中心で、本館と比べると見物客が少なすぎて可哀想な扱い。


本館と新館の間に広がるエルミタージュの宮殿広場の中心には、ナポレオン戦争に勝利したことを記念して建てられたアレクサンドルの円柱が建つ。ここが高校世界史の授業で習った十月革命や血の日曜日事件が起きた現場なのか。この広場で流された血が後世の世界史を大きく変えたんだな…


偉大なるアレクサンドルの塔の前で歴史に思いを馳せ感傷に浸ろうとしていたら、ロマノフ王朝時代の皇帝が目の前に現れたではないか!
…と思いきや、レトロな恰好をした一緒に写真を撮り、写真撮影後にアホみたいな金額を請求する輩らしく、手当たり次第にチープピクチャーチープピクチャーと声をかけ観光客を追い回してたw よく見たら安っぽいコスチュームだしw 歴史ある史跡でのロマノフ王朝への見事なまでの冒涜www ロシア観光初日の朝一からおそろしあー。


それにしても凄い人。気合い入れて開館30分前に来たが、それでも既に順番待ちの列ができていた。皆さん徹夜組っすかw

開館とほぼ同時にエルミタージュ美術館最大規模の建物である冬の宮殿に入館。
ひだり みぎ
冬宮こと冬の宮殿は、当時の最先端建築技術と贅の極みを尽くして建てられたロシア皇帝の為の専用住居。国家の最高権力者が首都のど真ん中にエルミタージュ(隠れ家)と名付けた自らの為の豪奢な宮殿を建てるとか、ロシアンギャグかな?隠れてないし、隠そうともしてないでしょw

【大使の階段】
正面玄関を入ると、多くの外国使節を迎えいれてきた幅広の長~い階段、通称、大使の階段が目の前に広がる。ロシアンバロックスタイルの装飾が施された壁や柱がザ・ロシアンパレス的で美しいのなんのって。恍惚。涎が出るよ。
ひだり みぎ
当時の宮殿に招かれた外国の使節団気分で、緊張した面持ちで二階へと進む。膨大な美術品のコレクションもさることながら、ロシア帝国の繁栄を物語る豪華絢爛な宮殿は見ているだけでため息が出るほどの美しさ。今回のエントリーでは、華麗なる宮殿部分に絞って紹介していこうと思います。美術品の写真は多すぎて全然整理できてないですしw


ふー、階段を上りきったぞ…と思い頭上を見上げると、天井にはティツィアーノにより描かれたオリンポス山が。なんかセントレジスっぽいなw

階段を上りきった先には、これでもかと豪勢な造りの部屋が並んでいる。
【ピョートル大帝の間(小玉座の間)】

女神ミネルヴァに見守られたピョードル大帝が描かれた絵画と、ピョードルの姪であるアンナ女帝の玉座が置かれたシックな赤色の間。ピョートル大帝の栄誉を称えるために造られたもので、決してピョートル大帝が住んでいた部屋というわけではないそうな。大帝がこんな趣味の悪い部屋に住んでるとなったら幻滅するところだったわw

【聖ゲオルギーの間(大玉座の間)】
小玉座の間があれば、もちろん大玉座の間もある。

コリント式の柱が立ち並ぶこちらの大玉座の間は、別名を聖ゲオルギーの間という。聖ゲオルギーは古代ローマ時代末期にディオクレティアヌス帝によって迫害され殉教した実在の人物で、ロシアでは守護聖人として敬われているらしい。ちなみにゲオルギーさん、英語ではジョージさんとなりますので、聖ジョージの間とも言われてます。


歴代の皇帝が謁見の間として使い、大使の階段を通ってやってきた大使が、まさにこの場所で皇帝に謁見をしたそうだ。玉座部分の赤いベルベットにはロマノフ王朝の紋章である双頭の鷲が金の刺繍であしらわれている。座ったらピョートルの魂が乗り移りそう。

【勲章の間】

これまた華やかな金色の部屋は、勲章の間。当時、フランスではナポレオン3世時代で第二帝政様式と呼ばれる豪華絢爛な室内装飾が流行していて、ロシアでもその風潮を取り入れこのような設計がなされたそう。

【将軍の間】

ニコライ1世が描かせた陸軍元帥の肖像画が並ぶこちらの部屋は将軍の間。優雅な雰囲気で、チャイコフスキーの音楽が流れてきそう。


ロシア将軍イヴァン・パスケーヴィチなど、等身大かよというくらい大きな肖像画が並ぶ。安倍総理の邸宅に麻生大臣の絵画があるようなイメージ?いや、違うよね。

【軍事の間(1812年祖国戦争の画廊)】

細長いこちらの画廊空間は軍事の間。祖国戦争、いわゆるロシア側から見たナポレオン戦争でのロシア帝国軍の活躍を称える為に作られた空間で、戦役に参加した322名の将軍の肖像画が並ぶ。

【アレクサンドルの間】

こちらはアレクサンドル1世の功績を後世に伝えるた為に作られたアレクサンドルの間。皇帝の治政とナポレオン戦争の勝利を記念するかのように、対フランス戦の勝利を記念するかのようなメダル等も展示されている。

【孔雀石の間】

2トンもの孔雀石が使われた孔雀石の間。ニコラス1世の妻である皇后アレクサンドラ・ヒョドロブナの為の公的な応接室として作られたそうだ。なんでいきなり孔雀石?と思ったが、皇后の趣味?それとも、富の象徴的な意味合いがあるのかな。


緑色の物が孔雀石。孔雀石の柱、孔雀石の壺、孔雀石の暖炉、孔雀石の机と大活躍の孔雀石。因みに石言葉は“危険な愛情”ですw

ここからは皇帝一家の居住空間へとお邪魔する。
【ニコライ二世の書斎】

ニコラス二世ともなれば、書斎も重厚な木製のゴシック式。むしろ、最後のロシア皇帝がどんな本を好んで読んでたかといったことにも興味がある。

【朝食の間】

ニコライ二世と家族が実際に朝食を摂っていた部屋。さすがに金や赤といった派手な色は使われておらず、全体的に落ち着いた雰囲気になっている。

【黄金の客間】

ピョートル大帝の寝室ですwとか紹介されなくって良かったw 客間だそうです。

【ブドゥアール】

ブドゥアールとは閨房くらいの意味で、。アレクサンドル2世の妻の為のプライベートルームとして作られたそう。

因みに、これら宮殿内の様子は、グーグルマップの360°パノラマビューを使って、サンクトペテルブルに行かずとも楽しむことができます。
https://www.hermitagemuseum.org/wps/portal/hermitage/panorama/virtual_visit/panoramas-m-2/?lng=en
ずっと、見てたら画面酔いしますけどね…

では、今日はこんなところで。絵画コレクションは写真を撮りすぎて整理できてないのでまた別の機会に。

【エルミタージュ美術館(Hermitage Museum)】

所在地:2 Dvortsovaya Ploshchad, 190000, St.Petersburg
電話:(812)7109079
営業時間:10:30-18:00(水曜日は20:00まで)
定休日:月曜
公式サイト:http://www.hermitagemuseum.org


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