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カトマンズから仏教の聖地ルンビニへの日帰り旅行


いやー、軽いノリでルンビニの最寄空港であるバイラワまで来ちゃいましたが、果たしてカトマンズからの日帰り旅行が現実的なものなのか。まぁ何とかなるっしょ!的に勢い良く飛び出したはいいものの、バイラワ空港でルンビニ行きのバスが見つからず、早速途方に暮れる羽目に。


因みに今回はこんな旅程。
イエティ航空YT894便:カトマンズ07:30発 バイラワ08:05着
イエティ航空YT891便:バイラワ17:25発 カトマンズ18:00着

バイラワとルンビニは22kmの距離にあり、タクシーで30分程。往路の便が遅れなければ十分に日帰りが可能だと思うのだが、果たして…

いきなりバイラワ空港で出鼻を挫かれたが、無事に近くを通りかかったオートリキシャに拾われルンビニまで運んでもらえることに。

運賃は600ルピー(≒600円)。運転手ご自慢の車体は日本のテラモーターズ製とのことで、ちょっと相場より高いプレミアム運賃を要求してきたそうだが、ルンビニまで600円なら想定内。ただ、せっかく良いリアサスペンションが入った日系メーカーのバイクでも、道の凹凸が激しすぎて全て台無し。ケツへのダメージがでかい上、急に跳ね上げられて天井に頭をぶつけたりと、それはそれは酷い乗り心地である。

ひだり みぎ

時速30kmほどのスピードで農作地帯をひたすら走る。ブッダ生誕の地であるルンビニはネパールにあるとはいえ、地理的には北インドから続く平原の一部にある。インド国境からも10kmほどしか離れていないし、地理的にも文化的にもインド圏に近い。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
横を自転車で通り過ぎていく人たちも、皆さんどっからどう見ても完全にインド人。ネパールの首都カトマンズとは雰囲気が全くもって異なります。

ひだり みぎ
藁と木の家屋と田んぼが延々と続くタライ平野。お釈迦様が誕生した2500年前の時代と殆ど変化ないのではないかというくらい、長閑~な雰囲気。1週間くらい滞在したら、私でも悟りを開けるんじゃないかと思えてくるくらい。

ルンビニ園

バイラワ空港から激しく上下左右に揺られること40分、ルンビニ園の入口に到着した。この時点で09:20。15:30過ぎくらいにルンビニを離れれば復路の飛行機に間に合うと思うので、十分な時間をルンビニ観光に充てることができそうだ。

ルンビニの聖地ルンビニ園は、1978年に日本の建築家丹下健三が提案した「ルンビニ釈尊生誕地聖域計画」というマスタープランに則って開発されたらしく、大きく3つのゾーンにくっきりと別れている。

聖園地区:釈迦生誕の地・アショーカ王の石柱、釈迦誕生後に産湯として使われた池などが集まる園の核心
寺院地区:世界各国の寺院が点在するエリア。一部寺院には宿泊も可能。
新ルンビニ村:日系の笠井ホテルや法華ホテルを含む宿泊施設やバスターミナルがある観光の拠点。

上の地図で言うと、左(南)の円形部分が聖園地区、真ん中が寺院地区、右(北)が新ルンビニ村になる。


衛星画像で見てもこの通り。手つかずの自然が残る広大な平野の中で、この一角だけがものすごく不自然にくっきりと区画整備されている。

さっそく聖園の東側から入園してみると、目の前にネパール寺とチベット寺が現れた。日本、中国、韓国を含む世界各国の寺は寺院地区に集中しているのだが、ネパールとチベットだけは格上扱いなのか、聖園地区内に建てられているようだ。
ひだり みぎ
後に悟りを開き仏教の開祖様となれられるガウタマ・シッダールタは、今からおよそ2,500年程前に、釈迦族の王スッドーダナと后のマーヤー夫人の長男としてルンビニの地で誕生した。
出産を実家で迎える習わしがあった古代インド。そこで夫人もお産の為にお里帰りをしようとしたところ、道中に立ち寄ったルンビニにてマーヤー夫人を突然の陣痛が襲い、婦人の脇から王子が生まれたそうだ。

ん????

脇から?


そう。休憩の為に立ち寄ったルンビニ園で、婦人がアショカの木の枝に右手を伸ばした際に、ふと夫人の右脇の下から誕生したということらしい。いや、おかしいだろと思うシナリオ設定だが、そもそももって懐妊された際も、白い一匹の象が右脇から胎内へ入る夢を見て懐妊したというからな。妄想懐妊。ジョンレノンもびっくりのイマジン懐妊。

ひだり みぎ
この世に生まれ落ちた王子は、母の胸の中でおぎゃーと泣きじゃくるのかと思いきや…すぐさまそこからすたすたと7歩前進。右手で天空を、左手で地面を指しながら、「天上天下唯我独」と声高らかに叫ばれたそうだ。どこでこんな言葉を覚えたのか、赤ん坊とは思えない実に深みのあるひと言。仏陀は実在の人物なので、生まれを知ればもう少し親近感が湧いてくるかなーなんて思ってたけど、全くもってその逆。え?本当に実在の人物ですか?と逆に仏陀の存在に懐疑的になり始める一方ですw

聖園地区

お釈迦様の誕生について学んだところで、いよいよルンビニ園の核心に迫る。
ルンビニ園では、釈迦が生まれた場所に建つマーヤー聖堂・アショーカ王の石柱・産湯に使われたプスカリニ池のある中心地だけが有料エリアとなっている。

入園料は200ルピー。聖地だというのに皆さま行動を正そうとせず、強引な割り込みが横行してるのでストレスが溜まる。

聖地内は土足厳禁なので、近くの棚に履物を置き、荷物検査を受けてから入園。これがきっつくてね。灼熱の日光に照らされ鉄板のように熱せられたコンクリの上を歩くという苦行が待ってるんですわ。自分は素足にサンダルという恰好で来てしまったので足を焦がしてしまいましたが、靴下はオーケーらしいので、靴下を持参されることをお勧めします。

この白いマーヤー聖堂は、アショーカ王が置いたとされる仏陀生誕の地を意味するマークストーンを保護する目的で建てられた。おー!やっとこさ仏陀生誕の聖堂に辿り着いたぞーと気持ちが高ぶっただ、残念ながら建物自体は遺跡の保護目的に建てられただけなので歴史的価値はない。気持ちの高り損だわ!

仏教を保護したアショーカ王の時代(紀元前3世紀)からブッダの生誕地として知られていたルンビニ。しかし、インドで仏教が衰退していったことから、1896年にドイツの考古学者よって石柱が再発見されるまで、この地はジャングルの中に埋もれてしまっていたそうだ。その後、1967年に当時の国連事務総長の提案で世界平和のための聖地としての再整備が決まり、整備計画のマスタープランが丹下健三氏に委嘱され今日に至る。

アショーカ王の石碑


マヤ堂の西に建っているのがアショーカ王柱といわれる石柱。紀元前249年にインドを統一したマウリア朝アショーカ王が巡礼した際に建立したものとされている。


「アショーカ王は即位から20年後のこの年に仏陀釈迦牟尼誕生の地を巡礼した。住民の租税を1/8に減免する。」と記載されているらしい。減税とか内容が生々しすぎるw


減税とか内容が生々しすぎるが、これでも、お釈迦様の存在を確かなものとする重要な石碑。しかし、その石碑を取り囲む柵の中はゴミ溜めみたくなっていて残念な気持ちにさせられる。

ひだり みぎ
石柱の反対側には王妃が産後に産湯として使ったプスカリニ池が。その畔には大きな菩提樹が植えられていて、巡礼者が瞑想をしたり説法をしたりと聖地らしい雰囲気を漂わせている…というありがたい空気をぶち壊しにかかる日本語を話す物売り。せっかく私ももう少しで悟りの境地に達せそうなくらいまで気持ちを高められたのに!

マーヤー聖堂

ニルバーナを諦め、物売りから逃げるように聖堂へと入る。

聖堂内部は撮影禁止だったので外にある看板の画像になるが、マーヤー聖堂の中はこんな感じ。紀元前3世紀からの煉瓦造りの僧院の基礎部分が遺っていて、その中に、プラスチックスケースに保護されたマークストーンがポツリと置かれてる。


これも看板の画像になるが、こいつがお釈迦様が生まれた場所を示すマークストーン。70cmx40cm、厚さ10cmで、言ってしまえばただの石なんですけどね。「ここで釈迦が生まれましたよ!」と周囲に知らせるためにアショーカ王が置いた物らしい。ええ、繰り返しになりますが、言ってしまえばただの石です。


顔などが削られ保存状態は良くないが、お釈迦様の生誕の様子を描いたレリーフも遺されていた。アショーカの木に手を伸ばしたマーヤー夫人の右脇からお釈迦様が生まれ出るシーンですね。脇の下に産道が開いて中から出てきたのか、脇の下から花が咲くようにして生まれてきたのか気になるとことだが、残念ながらこのレリーフでは判別できない。

ただ、世界中で信仰されている思想が、2,400万年前にこの地から始まったと考えるとやっぱり何か特別な物を感じてしまう。見学者の中には感極まって涙をこぼす女性もいましたからね。

こういったガチの巡礼者はルンビニから西に30kmほど離れたところにある、釈迦が29歳に出家するまでを過ごしたティラウラコット(Tilaurakot)という農村の王宮跡にも足を運ぶみたいなんだけど、日帰りで来てる自分には時間が無いのでティラウラコットはスルー。ルンビニ園内の寺院地区とルンビニ博物館を見てから空港へと向かうことにします。



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