本日は香港のヤングマスターなるマイクロブルワリーで大人の社会科見学を。
この数年、香港の街中のバーでも地場のクラフトビールを見かけるようになってきた。黑鳶(Black Kite Brewery)・獅子山(Lion Rock Brewery)・門神(Moonzen Brewery)などなど、2014年以降に創設された香港系マイクロブルワリーの活躍が特に目覚ましかったのだが、その香港系クラフトビールブームの火付け役となったのが今回訪問するヤングマスター(Yong Master・少爺)なのである。
ヤングマスターは2013年に香港島南岸に浮かぶ小島・鴨脷洲(Ap Lei Chau)の工業地帯で創業。以後、多くの西洋系バー等とタイアップすることで製造数を伸ばし、2016年には黄竹坑(Wong Chuk Hang)で2拠点目となる醸造所をオープンするなど、香港のマイクロブルワリー界を盛り上げながら成長を続けてきた。ほんとヤングマスターの成功以降だと思う、小さな地場ブルワリーが乱立したのって。日本より起業のハードル低いし、「あ、俺も行けちゃうんじゃね?」って感覚で皆さん醸造所を創められるんすかね。ちょっとどんな醸造所なんか見てみたいわ。ということでちょっくらヤングマスターの工場見学ツアーに参加してみることに。まぁほんとはただ単に安くビールテイスティングを楽しみたかっただけなんだけど
二日酔いでフラフラの瀕死状態だというのに、酒臭い体で香港のマイクロブルワリー・少爺(Young Master)で社会科見学を強行。工場ツアーは毎週土曜日開催(英語は13:00~、広東語は16:00~)で、参加費は少爺のロゴ入りビアカップの土産とテイスティング体験付きで100香港ドル(≒1,350円 pic.twitter.com/Eh7mI9DCis
— ポンズ (@Worldtravelog) 2018年3月3日
ツアーは毎週土曜日13:00~と16:00~の日程で開催。参加費用はHK$100(≒JPY1,400)で、参加するにあたっては同社ホームページにて事前予約が必要となる。
アクセス
SPGのオヴォロサウスサイドホテルの近く。MTR南港島線黄竹坑駅から徒歩5分程の距離にある。
とても醸造所とは思えないポップな見た目の黄竹坑醸造所。外から見るとアパレルショップ的な大きさだけど、これでも香港で増え続けるマイクロブルワリー業界で最大規模の醸造所で、バッチサイズ40ヘクトリットルの生産能力を誇っているそうだ。40ヘクトリットルなんて言われてもピンときませんがw
レトロな工場内
レトログッズや木樽がノスタルジックな雰囲気を醸し出す醸造所内。中に誰もいなかったので戸惑っているとオフィスから爽やかなスタッフが出てきて軽い挨拶を受ける。この日は他に3名のツアー参加者がいるとのことで、ツアー開始時間が来るまで適当にダラダラしといてくださいや~とのこと。遅れたらヤバいと思って20分も前に来てしまった心配性な自分を呪うw
仕方ないので入り口近くの展示品を見て独り自習することに。
2013年の開業以来、“香港製造100パーセント”に拘ったクラフトビールを細々と追求し続けた同社であるが、今や数々の賞を獲得して香港クラフトビール界を代表する大きな存在になりつつある…。ということで同社が受賞してきた数々のメダルや賞状が誇らしげに掲げてあったり、Tシャツなんかのヤングマスターグッズが多数展示されている。
100%香港製へのこだわりを表わす展示品やインテリアも随所に見ることができる。ノスタルジックなオールド香港を連想させる少爺の名前やロゴマークは、同社の創業者が工廠少爺という香港のクラシック映画のストーリーとヤングマスターの精神にインスピレーションを受けデザインされたそうだ。
香港の気候や文化にあった独創的なビール造りが心掛けられていて、ビールのラインナップはオールシーズンのものだけでなく、季節限定品まで常時数種類が取り揃えられている。参考までにこの日のラインナップはYoung Master Classic・Cha Chaan Teng Gose・Rye on Wood・Mo Mo Wit・Lichtenhainer・Contemporary Pilsner・Island 1842 Imperial IPA・Another One・GaLactic Passionの9種類。スタンダードなペールエールやピルスナーからライムと一緒に醸造した変わり種まで幅広く試飲できるのが工場ツアーの醍醐味だ。
ただ、バー的な営業はしていないとのことで、ここでは試飲飲みとなる。試飲をして気に入った物をボトルやクラウラーで買い、各々持って帰ってから飲んで下さいね、と。このレトロな雰囲気の中で思いっきり飲み倒したいものではあるが、営業権的な絡みやスペースの制限により難しいのだろうか。
工場ツアー
20分も一人で時間を潰すのかーと思っていたが、展示品をあれこれ見ているうちにあっという間に醸造施設のツアー開始となった。
アンティーク風の木樽だが、現役でバリバリ活躍中。黒無常というバーボン用の木樽に寝かしたバレルエイジビール専用のブランドシリーズもあるそうだ。
主な原材料は基本的にはヨーロッパからの輸入に頼っている。香港では酒税も撤廃されたし、原材料はもちろんゼロ関税で輸入可能。
瓶への充填も全自動。もっと手作りビールキットに毛の生えたようなのでこじんまりと作ってると思いきや、結構大掛かりな設備を使ってるんで驚いたわ。
40分くらいだったかな。一通り全行程の見学を終えてから最後はお待ちかねの試飲タイム。
興味あるビールを試飲させて頂き、気に入れば瓶またはクラウラーで購入して持ち帰りできる。
値段も良心的で、330mlの便がHK$25(≒JPY350)~。
今のオールド香港ブームにもピッタリなレトロなロゴやビールラベルもお洒落でついついジャケ買いしてしまう。
試飲までできて、更にはヤングマスターのロゴ入りグラスのお土産までついて参加費HK$100って安くないっすか。
今や香港中のホテルやレストランで提供されて始めたヤングマスターの各種ビールだが、これだけの種類をこれだけ安くテイスティングできるのはここだけでしょう。それに、タイガービールとか大手の工場見学より近くで設備を観察できるし、ガイドとの距離も近くて何でも快く教えてくれるので、ツアーもかなり楽しめる。
香港でちょっと変わったクラフトビールを…と思ったらバーだけでなくブルワリーに行くのも面白いもんっすよ。
【ヤングマスターブルワリー(Young Maste Brewery)】
ホームページ:https://youngmasterales.com
住所:香港仔黄竹坑道53 英基工業中心
電話番号:(852) 2783-8907
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