タイガービール工場見学でビールの飲み放題@シンガポール

シンガポールと言えばここ。ずーっと前から行きたかったのに、平日のみの営業に限定されていた為に行けてなかった場所がある。タイガービール等の生産を手掛けるアジアパシフィックブルワリー社のシンガポール工場だ。実質飲み放題付きのお得な工場ツアーが平日に開催されてきたのだが、今年の1月9日から遂に土曜日解禁になったので、新年一発目のSIN出張にかこつけて年初早々行ってきた。

東南アジアはビール好きにはまさに理想の地と言える。各国ごとにローカルビールの銘柄が充実していて、美味いだけでなくべらぼうに安い。ベトナムのサイゴンビールや333・タイのシンハーやチャーン・ラオスのラオビール・インドネシアのビンタン・ミャンマーのミャンマー等等、とにかく安くて美味いし、アジア内の複数の国に跨って広く売られているシンガポールのタイガービールも勿論美味い。歴史旧跡の類いが少ないシンガポールにおいてはマリーナサンズと並ぶほどの観光要素ではないかとさえ思うタイガービール。そんなタイガービールのシンガポール工場では生産線を見学できる上、作りたてビールの試飲まで出来ちゃうんですからね。非常に楽しみ。

ツアーの申し込みはタイガービール工場見学のサイトにて。
年齢認証をしてからサイトのホームページへ。
tigerbeer
Tour Bookingのタブ⇒Book Nowをクリックすると見学時間を指定するページへとディレクトされ、ここで日にちとツアー時間を決定してPayPalで支払いを済ませれば予約完了だ。

工場の場所はシンガポールの西の果て、マレーシアとの国境近くにあるトゥアス工業団地。MTRとバスの乗継でも行くことができるが、時間最優先でこの日はタクシーで。交通機関を乗り継ぐと片道1時間半とかかかるんでね…
シンガポールは東京23区程の大きさなので、国の最果てにあるといってもタクシーを使えば市内からドアドアで30分弱、一眠りしている間にタイガービール工場のチケットブースに到着した。見学はツアー形式で完全予約制。土曜日に営業し始めたことが未だ広くは認知されていないのか、今回の参加者は私だけと来たもんだ。受付で予約時に使用したクレジットカードとパスポートを提示し、受付完了。

ツアー時間は45分で、大まかな流れは以下の通り。
1. タイガービールの歴史に関するビデオ鑑賞
2. ビールの原料に関する説明
3. 工場内のタンクに関する説明
4. パッケージギャラリーでビデオ鑑賞とビールの注ぎ方に関する実演
5. ビール試飲タイム(45分)

こんな感じで原料が加工され梱包され製品になっていく過程を学んだあとに試飲できるプログラムとなっている。


そうこうしている内に、早速スタッフの方とのマンツーマンツアーが始まった。先ずはビジターセンターでAsia Pacific Breweries社の歴史等に関する映像を鑑賞。

今でこそ世界中に名を馳せるタイガービール、その歴史は長く戦前まで遡る。1931年、ハイネケン社がシンガポールの大手コングロマリットFraser and Neave社と合弁会社を設立したのが始まりだ。ハイネケン社はビール醸造技術を、Fraser and Neave社は生産工場の提供や販売網を活かす形でビール醸造会社マラヤン・ブリューワリーズが誕生し、1932年にシンガポール初の国産ビールであるタイガービールの販売が開始された。1990年には工場の移転を機に、社名をアジア・パシフィック・ブリューワリーズ・シンガポールに変更、今日ではハイネケンの傘下でタイガービールの他、現地ブランドのAnchorやABC、アルコール度の高いBaron’s、クラフトビールであるアーキペラゴ、そしてハイネケンやギネス等を生産する一大工場となっている。

ビデオ鑑賞後は…「展示品はこちらです、見学の時間を5分間与えます。」と華麗なる放置放任プレーで自由見学の時間が設けられた。

世界の人々が愛し酔いしれるタイガービールはアジアだけでもシンガポールを筆頭に中国・インド・マレーシア・タイ・ベトナム・カンボジア・パプアニューギニア・スリランカに醸造所を構えるグローバル企業。ヨーロッパスタイルのプレミアムラガービールとして数々の世界的なコンペティションでの受賞歴を誇っており、輝かしいバッジやトロフィーなどが誇らしげに展示されている。

ひだり みぎ
レトログッズや歴代のタイガービールのパッケージ。


Fraser and Neave社時代の瓶。タイガービールというブランドが確立されていなかったからか、タイガービールというブランド名より社名で売ってたんだな。

ひだり みぎ
タイガービールで作るマリーナサンズと1億本目のタイガービール生産時の記念品。

展示物に関する説明書きも無い中での放置プレーを楽しみ、次の原料コーナーへ。
ひだり みぎ
ビールの四大原料であるモルト・ホップ・イースト・水。麦芽をすり潰して麦芽汁を抽出し、酵母を加えて発酵させ、貯蔵タンクで熟成させてから濾過して仕上げという製造工程だったかな。ここでは各原料の原産国や焙煎した麦芽やホップの香りなどを説明してくれる。原料に拘るぴか一のプレミアムビールとの自負があるらしい。


オーストラリア産のモルト・ドイツ産のホップ・オランダ産のイースト・シンガポールの浄水を6回フィルターに通したクリーンな水が原料として使用されている。

ひだり みぎ
原料コーナーでの説明の後は、まろやかなアロマに包まれた工場内で発酵・成熟・濾過などが行われているタンクを見ながら3分間程のレクチャー。折角のマンツーマンだったので品質管理や生産管理に関する突っ込んだことも聞いてみたが、回答を濁された。表面的な情報以外は口外するなという教育がされているのか、残念ながら質疑応答の余地は殆ど無し。工場内の写真撮影も勿論NGだ。


涅槃仏をイメージしたかのようなタイガービールボトル。このボトルの頭が次のパッケージングギャラリーへの入り口となっている。

パッケージングギャラリーでは出来たてのビールが瓶や缶にパッケージされていく様子をビデオで鑑賞。

その後にサーバーを使ってビール注ぎの実習会。
グラスをサーバーで洗浄した後、45℃の角度から注ぎ始め徐々にグラスを立てていき、最後に指2本分の泡を作るのが理想らしい。実習では自分でも注がせてもらえる上、自分で注いだビールを飲ませてもらえるという心憎い演出がある。

ひだり みぎ
実習後は伝家の宝刀「5分間与えるから勝手に見てね。」が炸裂。パッケージングギャラリーで放置される。


ビールを注ぐタップハンドルのバリエーション。どれもまっ金金に輝いている。


ビール缶で形作ったマーライオン。

ここまではツアーの前座みたいなもんで、本番はこれから。お待ちかねの試飲タイムだ。試飲といっても工場の一角に座って貧乏くさいプラスチックのコップでちょこちょこっと試し飲みできる程度というのではなく、英国風の本格的パブ“Tiger Tavern”で45分ガッツリと飲むことができるので非常にお得。
ひだり みぎ
最初にタイガービールを頂き、2杯目は受付で貰ったトークンでタイガーかハイネケンの生ビール一杯と交換、2杯目以降は工場で生産している8銘柄を無料で、輸入物7銘柄を有料で試飲することができる。もはや試飲なんてもんではない、飲み放題と考えて良いだろう。

【Tiger Tavernのメニュー】

無料 タイガー・TIGER RADLER・ハイネケン・ギネス・ バロン・ABC・アンカー・アーキペラゴ
有料 ギネス生・エルディンガー・デスペラードス・キルケニー・ソル・ブルマーズ・キリン


生産現場直結でどこよりもフレッシュなビールは、やはり格別だ。

ひだり みぎ
タイガービール⇒ハイネケンと飲んだ後、東南アジアでは珍しいペールエールスタイルのアーキペラゴとご当地ギネスと呼ばれるABCを頂いた。やっぱりペールエール好きにはアーキペラゴだな。余り広くは売られてないみたいなので、こちらに来られたらアーキペラゴを試すのが良いと思う。ペールエールの魅力にはまりますよ。

思わず飲み過ぎて千鳥足となっても、帰りの足も心配ご無用。スタッフに頼めばタクシーを呼んで貰えます。
ひだり みぎ
トゥアスは大規模な港湾工事中。地下鉄も近いうちにトゥアスまで延伸されるので、少しはタイガービールにも行きやすくなってくるのかな。

シンガポールの酒税を考えると工場見学プラス実質飲み放題でSG$18(≒1,400円)ならコスパ抜群。ちょっと場所が不便ではあるが、安く沢山飲みたい場合には交通費をかけてでも行く価値のある場所だと思う。土曜日のツアーも開催されるようになったのでサラリーマンにも参加しやすくなったし、シンガポールで安くビールを飲み倒したい時は是非アジアパシフィックブリューワリーまで足をお運び下さい。

【アジアパシフィック ブリューワリー/ Asia Pacific Breweries Pte Ltd】

住所:459 Jalan Ahmad Ibrahim 639934
電話:6860-3005
E-mail:brewerytour@apb.com.sg
料金:ツアー料金は1人$16(18歳以下は$12)
営業時間:
月~金:10:00・11:00・13:00・14:00・16:00・17:00pm
土:13:00・14:00・16:00・17:00



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【2016年シンガポール旅行記】













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コメント

  1. ポンズ ポンズ

    疾風さん
    お返事遅れ、ごめんなさい。
    タイガービールだけかと思いきや見たことないクラフトビールなんかもあったので、ついつい飲み過ぎてしまいました。飲み放題の対象はビールに限られてしまいますが、色々な銘柄が揃っているのでビール好きには堪りません!

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