クアラルンプールのホテル巡り二発目はマリオット系列のザ・マジェスティックホテル・クアラルンプール、オートグラフコレクション。名前が長くて一瞬「ファッ!?」ってなるが、解体してみると難しいことはなく、最後のオートグラフコレクションはマリオットのブランド名で、SPGのデザインホテルズみたいにマリオットホテルズが厳選する独立系ホテルのコレクションのこと。現在、日本のザ・プリンスさくらタワー東京を含む世界で150以上のホテルが参加をする一大ブランドである。ようはマリオットのオートグラフコレクションに参加しているマジェスティックホテルということである。
ここでオートグラフコレクションと呼ぶとクアラルンプールでオートグラフコレクションに参加するもう一つのホテル「ホテル・ストライプス」とかぶってしまうので、当サイトでは「ホテル・マジェスティック」ないし「マジェスティック」と呼ばせて頂くこととする。
マジェスティックとか、もう名前からしてノスタルジックな薫りがプンプンするが、実際にそれはそれは大そうな歴史を持つホテルでありまして。なんと創業は英国統治時代の1930年代で、今やホテル自体が国家の文化遺産に指定されているとか。
ホテル周辺一帯もマレー鉄道公社ビルや旧クアラルンプール駅といった歴史あるコロニアル風建築物が並ぶ歴史街になっていて、その歴史的建築群の代表格がマジェスティックホテルということらしい。
英国連邦時代の古き佳き面影が漂うクラシックな白亜の建物が眩しく陽を照らすザ・マジェスティック。開業当初からランドマークとして町の中心に君臨し、各国要人を迎える迎賓館として利用されてきたそうだ。その後、第2次大戦中は日本軍司令部として接収されるなどの歴史を経て83年にマレーシア政府が強制収容。翌84年から98年の間は国立美術館として第2の道を歩んで来たそうだ。そんな伝説の迎賓館が2012年に一昔前の良き古き時代の面影を残して現代的にリニューアルされ、再びホテルとしてそのドアが開かれることになった…という長く複雑な歴史があるらしい。一泊1万円程度~とリーズナブルな宿泊費だったのでなんちゃってコロニアル風なのかと思いきや、ガチで凄い歴史を持ったヘリテージホテルで宿泊前から萎縮してしまう。
そんな恐れ多きザ・マジェスティックは旧館を利用したマジェスティック・ウィングと、新しく建てられた15階建てのタワーウィングの二棟で構成されているが、このホテルの真髄を味わうにはやはり創業当時の建物を利用したコロニアルなマジェスティック・ウィングに泊まるべきだろう。1930年代に建てられたマジェスティックウィングに入る全47室は24時間バトラーサービス・ラウンジアクセス付きで優雅な宿泊が楽しめるようになっている。
ということでやって参りました、ザ・マジェスティック。到着するなり探検家というか冒険家というか、オフホワイトの可愛いインディジョーンズ的コスチュームを身に纏った浅黒いオジサンによる出迎えを受け館内に入る。フロントデスクのある新館には巨大なシャンデリアがぶら下がっていたりと1930年代創業の老舗らしい堂々たる風格は感じられないが、男性だけのグルーミングサロンやシガールーム、テイラーなんかが入居する辺りに紳士サロンが隆盛だった英国統治時代の名門ホテルとしての名残を見て取れる。確かにマレー系とかインド系って妙に整ったこだわりの髭を蓄えられた人がいたりするけれど、こういったとこでお手入れしてるんかなw
ただ、新館とはいえ流石は老舗の一流ホテルの貫禄というか、VIPな雰囲気の宿泊客も多く、二階では結婚式イベントが行われていてドレスアップしたビジターが常に往来していたし、夜は夜でクリスマスソングのゴスペル隊がアカペラの演奏を披露するなど、玄関口には昼夜問わず社交場のような華やかさが感じられた。
部屋:ジュニアスイート
さて、気になるお部屋であるが、マリオットのゴールドまたはプラチナの場合は基本的には新館のジュニアスイートが用意されるとフロントデスクのスタッフが言っていた。旧館がヘリテージルームだと予約時に知ってたら旧館の部屋を予約していたのに!
【部屋カテゴリー一覧表】
デラックスルーム(40㎡)
ストレーツルーム(30㎡)
ジュニアスイート(56㎡)
グランドスイート(77㎡)
コロニアルスイート(40㎡)
ガバナースイート(53㎡)
プレミアスイート(92㎡)
マジェスティックスイート(130㎡)
今回ご用意頂いたのもやはり新館ジュニアスイートルーム。ストレーツルームが旧館にありクラブベネフィットも付帯することを考えれば、ジュニアスイートとはいえ下から二番目のカテゴリーという扱いになるのかな。
クラシックな装いの中にモダンな調度品を設えたハイセンスな部屋という第一印象。ドアの左右両側にビジネスデスクが配置され、その背後に4人用のダイニングテーブル。その更に奥のリビングスペースには一人掛けソファとマッチョなL字型のソファーが壁掛けテレビの方を向いて置かれていて、一番奥にキューブ型の柱に囲まれたキングベッドが存在感を示している。ジュニアスイートと言えどたっぷりとした空間的余裕がある。
キューブ型の柱に囲まれた特徴的なベッド。手前にはオットマンが用意されており、さらにその奥には1人用のオットマン付きのソファも用意されるなど、一体どんだけ腰かける場所があるんだと突っ込みたくなってくる。
バススペースもダブルシンクでゆったりとしたスペースが設けられている。1932年にザ・マジェスティックが開業した際には「各客室にトイレがある」「お湯が出る」という点が画期的だと話題になったそうな。
旧館の部屋だとラウンジやバトラーサービスが使えるだけでなくミニバーやランドリーの利用まで無料になるらしいが、残念ながら新館ではミニバーは有料。…旧館に泊まったことのある知人曰く、ランドリーのエクスプレスサービスまで無料で、更にはKL市内からのピックアップサービスなんかも付帯してたんだとか。分厚過ぎる特典内容に度肝を抜かれてしまいましたわい。
The Majestic Lounge
ラウンジは旧館にあるので、旧館と新館とを結ぶ渡り廊下を通って旧館二階の一番奥にあるマジェスティックラウンジへ。単なるラウンジじゃなく、頭に「Majestic」が着くだけで妙にそそられるという不思議。
ラウンジ営業時間 7:00-23:00
アフタヌーンスナック 15:00-17:00
カクテルタイム 17:00-19:00
ただ、待合室並みに手狭で思い描いていた高貴なラウンジスペースとはだいぶ異なった。
カクテルアワーのドリンクは赤・白ワイン、カールスバーグ、オレンジ・マンゴー・ピンクグアバジュース、コーヒー、茶、「本日のカクテル」といった構成。因みにこの日のカクテルはモスコミュールだった。
ミールはアフタヌーンティ・カクテルアワー共に完全オーダー制で、フィンガーフード程度のもの。なんだかマジェスティックな感じの音楽が流れているけれど、ただただ狭くて他の利用客の喋り声がだだ聞こえだし、長く居座る場所ではないな。ちょこっと喉の渇きを潤しに来るくらいの使い方しかできん。
朝食
ラウンジには些かがっかりしたが、一階のレストラン“Contango”で供される朝食は期待できそう。
各国料理が豊富に取り揃えられているが、やはりマレー系・インド系の料理が特に多かったかな。ナンなんて4種類もあったしw インドネシア料理と同じで色があれなんであまり美味しそうには見えないが、実際は美味いっすよw
プール・フィットネス
15時までのレイトチェックアウトをお願いしていたので、昼過ぎにフィットネスとプールも利用させて頂くことに。ただ、プールは無理やり空いたスペースに造った感が否めず、私が利用した時は完全に日陰になってしまっていた為に少々残念だった。
最後にミニバーアサヒスーパードライでシャキッとしてからチェックアウト、すると15:00までのレイトチェックアウトとして半日分の費用が請求されるではないか。チェックイン時にプラチナ特典としてのレイトチェックアウトも問題無いと確認していただけに梯子を外されたようで後味悪くホテルを後にすることに。
アクセス
KLセントラル駅から車で渋滞が無ければ5分の距離。近すぎてタクシーの運ちゃんには嫌がられる距離にあるが、KLセントラル駅・スターヒル・ミッドバレーとホテルとを結ぶシャトルバスが運行してるので、急ぎでなければこちらのバスサービスをお使いください。KLセントラル駅はアライバルホール1番出口から、 スターヒルはスターヒルとパビリオンの間から、ミッドバレーはガーデンズモールのRiver View Entranceがそれぞれピックアップ・ドロップオフポイントとなります。
最新の運航時刻はホテルの公式サイトをご参照下さい。
【The Majestic Hotel Kuala Lumper, Autographe Collection】
Booking.com
ホームページ:http://www.majestickl.com/
住所:5 Jalan Sultan Hishamuddin
電話:603-27858000
Booking.com
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