ワット・ケーク(ノンカイ版ブッダパーク)

さて、今回目指す先はワット・サーラーケーオーク、通称ワット・ケーク。「ブッダパーク」ノンカイ版と言ったら判り易いだろうか。この寺を築きあげたブンルア・スリーラット師は1932年にノーンカーイ生まれたタイ人。青年期にメコン川対岸のラオス領へ移り、自らの宗教思想の集大成としてワット・シェンクワン(ブッダパーク)を完成させた。その後、ラオスの社会主義化を機にノンカイにUターンし、彼の地元であるノンカイにワット・ケークを建てたんだと。なんで、ブッダパークもワット・ケークもブンルア師の宗教思想が具現化された仏教パラダイスということになるのだろう。

ひだり みぎ
立地的にはノンカイの市街地からは微妙に離れているので、移動の足はトゥクトゥクで。市街地⇒ワットケーク⇒タイ-ラオス友好橋近くの宿泊先とチャーターして300バーツの運賃で交渉が纏まった。


市街地からガタガタ道を走ること15分、精悍な顔つきの巨像の足下でトゥクトゥクを降ろされた。静寂の中、薄気味悪い微笑で来訪者を品定めしているかのような、あからさまに胡散くさい煉瓦の魔物。何だか判らない殺気というか怨波がひしひしと身に迫ってくるようだ。トゥクトゥクドライバーはこの魔物を指差して笑ってるけど、そんなことしたら罰があたるで!

入場料は20バーツ。「早く帰ってこいよ」とのトゥクトゥクドライバーの声に背を押されゲートの中へと歩を進めると、いきなり意味不明なオブジェが眼前に現れた。数で優位に立ってイキってしまったか、象を囲み吠えしきる無数の犬。一体如何なるメッセージを伴う芸術作品なのかは分からないが、迸るレトロ感からこの像が80年代くらいに造られた古いものであることは分かる。ギャング風な犬、レトロなスクーターやオープンカーに乗る犬などなど、なんか作風が全体的に昭和なんですわ。

ストーリー性の高い造形で、恐らくは神話伝承などをモチーフにした作品なので説明書きが読めれば厳粛な気持ちで拝観できるのだろうが…。読めなければ説明書きはただの暗号で、高尚な宗教芸術もただのウケ狙いのコメディー作品にしか見えん。


続いて更に強烈なトリップ感あるラスボス風キャラが現れた。ハクション大魔王のようなインパクトのある井出達で、頭の先から尻尾の先まで全身これ全てオリジナリティのカタマリ。仰向けに寝転んでベヘリットみたいな顔面にかぶりつくモンスターみたいな絵なんだけど、これも仏教の説話をイメージしているんだろうか。どちらかと言えばバラモン教あたりに出てきそうだけどな。

その後も様々なコンクリ神の雨あられ、珍奇な雰囲気のミステリーワールド全開だ。一体一体ディティールまで拘る造形感覚、しかも巨大、しかも大量…。タコ公園のスケールアップバージョンのようで、なんだかアホらしく思えてやるせない気分になってくる。
ひだり みぎ
後日に行くことになるラオス側のブッダパークより敷地面積は若干広く、コンクリ神の密集率はこちらの方が断然高い。仏教・ヒンドゥ教・バラモン教が混じり合った何とも不思議な像が100体くらいあるんじゃないかな。余りの奇天烈ワールドぶりに想像力がパンクしちゃいますよ。

ひだり みぎ
八岐大蛇ならぬ七頭大蛇に四面観音。今にも動き出しそうで怖い。

ひだり みぎ
ガネーシャやハヌマーンみたいな風体の奇を衒ったヒンドゥー風の神々も数多混ざりこんでいる。純粋に仏教風の仏は数える程じゃないかと思えるくらい。


様々な武器で武装した阿修羅(?)。全体的に細かな装飾が施されるなど繊細な仕事っぷりに感銘を受けるが、だからといって全体の印象が繊細かというとそうでもないところに人生の機微を感じてしまう。


座禅を組むよりゴロゴロしたい怠惰な人。


口をぱっくりと開けたナマズの中に入ると、人間が生まれてから死ぬまでの一生をモチーフにしたストーリー性のある像が並んでいた。


怪獣ゲートをくぐると、中は3つの面と6本の手を持つ像を中心に円形のスペースが設けられていた。この円形のスペースを時計回りに廻ると、人が生まれて生き、そして死んで生まれ変わる物語、仏教でいうところの輪廻転生の様子が楽しめる作りになっている。


勉学に励む学生時代。


晴れてゴールイン!

ひだり みぎ
痩せこけてしまっても死ぬまで一緒、骨になってもずっと一緒といった感じで夫婦愛が語られているのだろう。

ひだり みぎ
なかには悲惨な末路を辿る不幸な夫婦も。「チョット!この子を置いて!またアノ女のところに行くんでしょ!」なんて声が今にも聞こえてきそう。セメントが折りよく苔むして情感が迫ります。

うーん。なんか、全体の印象としては余りパッとしなかった。奇妙なコンクリ大仏がてんこ盛りでアジア屈指の珍寺と評されているようだけど…。深く考えるよりも見た目でほくそ笑って楽しめればそれで良い所なんでしょう。

【ワット・ケーク】



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