シーサケートからカオプラウィハーンの最寄町・カンターララック経由でタイ国鉄で行ける最東部の町・ウボンラーチャターニーへとやってきた。タイ、カンボジア、ラオスの3国にまたがるこの地域は自然の多いことからエメラルド・トライアングルなどとも呼ばれているが、見所はいずれもウボン郊外になるので観光客にはスルーされがちな地味ーな田舎町だ。私もウボンに何の期待もしていないし、先史時代の壁画が残るとされるパー・テムやラオスのパークセーに行く為の拠点としてしょうがなく数泊するだけの用である。名前はかっこいいんですけどね、ウボンラーチャターニーって。声に出して言いたくなるタイの町ランキングならピッサロヌークと一~二位を争えると思う。
カンターララックからのバス。ピンクのパンツにピンクのポロシャツ、ピンクの眼鏡のイヤーフレームという奇抜なゲイファッションの旦那が運転するバスで1時間半、ようやくイサーンの東の果て、バンコクから575km東方にあるウボンの町へと辿り着いた。まだまだ今回の旅行の折り返し地点までもいっていないが、残りヒットポイントは既に半分以下に低下している。
バスはこのまま市街地北部のターミナルまで走っていくとのことだったので、勘に任せて市内のちょうど良さそうな場所で下車。
バスを降りていきなり驚かされたのはごごごぉおおおおと轟音を上げて飛ぶ飛行機。市街地に空港がある為、唸りを上げて離着陸する飛行機を真近で拝むことができるのだ。
こちらはウボンでの宿泊先・ラーチャターニーホテル。すぐ前がナイトマーケットになっているという最高の立地条件が売りのB級ホテルだ。
ウェブサイトでは部屋やロビーの綺麗なところばかりがクローズアップされているが、水回りは相当に古く残念ながら清潔感に欠ける。まぁ立地条件を考えると一泊これで2000円ちょいなら文句は言えないし、どうせ寝るだけだからと割り切って考える。
チェックインを済ませた後はホテルの隣のアンティーク雑貨店でチャリをレンタルし、ウボンの町を探索する事に。
【レンタサイクル料金】
12時間60B、24時間100B、2日180B、3日250B。
明日は朝一で国際バスに乗ってラオスのパークセーに向かうので、とりあえず12時間レンタル。
サドルにスプリングが無い為に長時間運転した場合はケツを痛める恐れ有り。ウボンの町は見所が少ないくせに無駄に広範囲に広がっているので、チャリとソンテオ(乗り合いバス)を上手く組み合わせて街探索をする必要がありそうだ。
先ず向かったのはメコン川の支流・ムーン川。コラート高原のサンガムペーン山地に源を発し,東流してブリーラム、マハーサーラカーム、スリン、ロイエット、シーサケット、ウボンラーチャターニなどの町を経てコーンチアムにて雄大なメコン川に注ぐ。メコン河とムーン川の流れが合流するポイントでは濁った泥色をしたメコン河と緑色の川水のムーン川が二色のままで流れるメーナム・ソーン・シー、通称「二色の河」が見られるそうだ。
ムーン川の深緑色の水とメコン川の泥色の水の二色の川筋が続いていく。
季節の関係だろうか、今日のムーン川はメコン川同様に相当濁っているのだが…
橋の上ではおっさんが一人で竿を5本も6本も置いて投げ釣り中。団子のような練り餌を使って奮闘しているが今日はからっきしのようで、カッカしているのか縄張りを侵された犬のように獰猛な感じで威嚇してくるので橋を渡るのは諦めた。そういやメコン川では重さ300Kg近い巨大ナマズ(通称メコン大鯰!って、ネーミングそのまんますぎ!))が捕獲できるなんて聞いたことがあるが、やっぱり狙いはナマズなんだろうか。流れが比較的緩やかなので鯉なんかも揚がるのかもしれない。
ムーン川の主を気取る親父に行く手を阻まれたので、渋々ウボン市中心地方面へと引き返す。ウボン・ラーチャターニーはラオス入りのタイ側の基点となる町なのだが、やはり見所が少なく観光客は立ち寄らずに素通りする場合が多いようで、外国人観光客の姿は殆ど見かけない。ただ、交通量は比較的多く、広く整備された大通りを大型バスや新旧自家用車、ソンテウ、トゥクトゥクが多く行き交い、人力リキシャも現役で走っている。
こちらの立派な黄金像はロウソク像のレプリカだと。はて、ロウソク像?ここウボンでは毎年7月にスリンの象祭り、スコータイのロイクラトン・フェスティバルと並んでタイの三大祭りの一つに数えられるキャンドル・フェスティバルが開催されるようだ。仏教僧が寺院からの外出を禁止される安居入りの時期に、各寺々がロウソクで山車を作って技巧を競い合うのだという。
[youtube]https://www.youtube.com/watch?v=ck2CanCo70g[/youtube]
祭りの様子。本当にレプリカ像のような立派で精緻な蝋燭アートが作られるようだ。
公園内ではエアロビをしたり少林寺したりランニングしたり、思い思いに過ごしている。
夜になると授業を終えた学生達がどこからともなく集まってきて、サッカーやスケボー、バスケットなとに興じるようになる。
公園近くのナイトマーケットも夜になると大繁盛。道行き交う車からモクモクと吐き出される排気ガスも通りすがりの人の視線ももろともせずひたすら箸やスプーンを動かす人たち。
色々と屋台が並んでいるが、一番人気は寿司に串物。特に甘辛いタレに漬け込んだ豚肉を串刺しにして炭火を使ってじりじりと時間を掛けて焼く店は芳ばしい匂いで大量の客を引き付けている。小生も草の葉に包まれたもち米と焼き豚でシンハービールを一杯いくことに。
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