寝台バスでホーチミンから高原避暑地のダラットへ

ダラット。美しい町並みの高原都市で、一部では愛の都市やハネムーナ-のメッカとか呼ばれている美しい都市らしい。先月、ベトナムが大っ嫌いで会う度にしかめっ面でベトナム生活の愚痴を聞かせてくれる某駐在員が珍しくニコニコとしていたので理由を聞くと、『ダラットでダラっとしてきたからね。』とオヤジギャグをかましてきた。常夏のイメージが強いベトナムだが、その国土は南北に長く、中部高原や北のハノイなどは比較的涼しく、ダラットはベトナム随一の避暑地らしく、常夏のホーチミンで働く駐在員の気分転換にはもってこいとのことだ。ベトナムを心底嫌うこの親父をにこやかにするんだから相当良い場所に違いない。ちょうどベトナム航空のマイルが失効するので、往路バス、復路飛行機でダラットへの旅行計画を組むことに。

ホーチミン⇔ダラット間の移動は飛行機かバスが一般的。バスでは6~7時間、飛行機では1時間弱かかる。

ホーチミン市から移動する場合、バスはデタム通りから各旅行会社がオープンバスを毎日出している他、ホーチミン郊外のミエンドン・バスターミナルから長距離バスも出ている。今回はダラット到着見込時間が一番早かったPhuong Trang FUTA Business社の06:00時発、13:00着のバスでダラットに向かい、次の日の21:05分ダラット発のベトナム航空で戻るという旅程を組んでみた。

飛行機は毎日それぞれ2便ずつベトナム航空便が飛んでいる。
【ホーチミン⇒ダラット】
VN1380 07:50-0840
VN1382 19:25-20:15

【ダラット⇒ホーチミン】
VN1381 09:30-10:15
VN1383 21:05-21:50

06:00発、05:45集合という事で時間通り早めにバスの出発地点に来てみたが、案の定バスは来ていない。それどころか出発時刻の6時になってもバスが現れないので心配になって係員に聞くと、超無愛想に『You! Sit over there!! Wait! (あっちで座って待っていろ)』と待合室の汚い座席を指差されて命令される。バスが定刻通りに現れないことに対する説明釈明は一切無し。

06:05、遂に来たか!と思ったら他都市からホーチミン市に到着したバスの様で、これには乗れないと係員に制される。

到着したバスから溢れ出る乗車客に対して営業活動に励むバイタク・白タク運ちゃん達。

客の奪い合いが熾烈すぎる…こんなんされたら怖くてバスから降りられませんわ。

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デタム通りでは路肩に待機したバイタクからのアツい営業攻撃が待っている。

06:10、漸くオレンジ色のバスが到着、これに乗るようにと促される。
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ダラットは観光都市であるが、意外や意外、他の乗客はベトナム人家族が数組いるだけだった。

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左・中・右と3列に2段の寝台席が備わっている。寝台車なので座席はリクライニングシートになっているのだが、これが曲者。シートの傾きを希望の角度で固定することができないので、70°とかの角度で座って車窓を眺めていたら勝手に後ろに倒れていってしまうという強制リクライニングシートなのだ。(自分の席が壊れていただけだろうか?)

定刻を20分遅れて出発したバスはサイゴン川を越え、幾つかの停留所で乗客を集めながら北東へと進む。
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景色優先で一番前の席に陣取ったのが大間違い。大音量でお届けされるベトナム歌謡のミュージックDVDサービスと無意味に鳴らし続けるクラクションの爆音の嵐が…これじゃあ睡眠をとるどころかゆっくり車窓を楽しむこともできない…ベトナムのバスのクラクションの爆音は本当に不快だ。ゆっくりとバスの旅を楽しみたい方は是非後方の席に座られることをお勧めする。

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10:00、バスは最初の休憩所に到着。トイレ休憩かと思いきや、皆さんガッツリ朝飯を食いに出かけ、30分の足止めとなった。

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オープンテラスのレストラン。意外と清潔だし、何とWi-fiも使えます!

ひだり みぎ
余りお腹は空いていなかったので小生はドラゴンフルーツとバインミーで栄養補給。

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奇奇怪怪とした姿形のドラゴンフルーツだが、その妖し~い見た目とは裏腹に、実にさっぱりとした味で食べやすく、中国でも朝飯代わりに食べている。

ひだり みぎ
最初の休憩所を出発した後はごみごみとした小都市を経由しながらダラットを目指す。ここらへんは只でさえ道幅が狭いのに道路脇で灌漑工事などが行われていたので渋滞が発生し、更なる足止めを食らってしまうが、逆に街の景色をじっくり楽しむことができて良かったかもしれない。三角のすげ笠をかぶった安南の百姓女が天秤を肩に担いで行商する姿、街頭で繰り広げられる若者バイク乗りと真っ黒に日焼けしたオジサンの激しい口論とそれに群がる野次馬衆、ハンモックに揺られ眠る少女、木造民家の軒先で玉蹴りに興じる腕白小僧たち…ベトナムの日常を垣間見ることができた。

ビエンホア、チャンボムといった街を抜け、ベトナムを南北に縦貫する大動脈である国道20号線を北上していると、大小様々な規模の教会の姿が目立つようになる。
ひだり みぎ
一般民家の軒先にもキリスト像が威風堂々と立つようなカトリック集落だ。1954年の南北分断の際、北部のカトリックがここら一帯に集団で移住してきたとのことだ。

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風情のあるフローティングハウス。

ひだり みぎ
いよいよ峻険バオロック峠に差し掛かり、バスは大きな車体を遠慮なく右に左に振り振り進む。

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二度目の休憩は13:00過ぎ。Phuong Trang社が自ら造った休息所のようで、同じ色のバスが何代も止まっていた。どのバスに戻れば良いのか分からなくなるwww

ひだり みぎ
各30円程度と安かったので、アイスを2本購入。Wi-fiでダラット情報を確認しながら適当に時間を潰す。

ひだり みぎ
やがて国道は幅約15メートルほどの舗装された一本道となってどこまでも続く。道路が舗装されている以外には殆ど整備らしい整備というものはされておらず、交差する道路も無いので信号もない。だからバスはスピードを緩めることなく快速で飛ばし、けたたましく警笛を鳴らしながら道路脇を走るバイクやトラックを追い越してゆく。

ひだり みぎ
道は少しずつ高度を上げ、高原地帯へと登ってゆく。途中、ゴムの木の長い森林を抜け、山岳地帯一面に広がる桑畑や茶畑の間を通り、やがて水田地帯に入る。この辺りの風景はバナナやヤシの木がなければ殆ど日本の田舎景色のようで、いつか来たような懐かしい気分にすらなる。

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余りの道の険しさに、屈強なチャリダー夫妻も自転車での完走を断念www後世になって息子とかにチャリでのベトナム横断旅行の武勇伝を誇らしげに語る際、『実は一部チャリで移動したんだ』と割り切って言えるだろうか。

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峠を越えて下り道を大きく曲がるとダラットの街が遠くに見えてくる。街が見えてきた時の興奮は陸路旅行ならではの醍醐味だ。

バスターミナルにつくと、お決まりのバイタクドライバーによる客争奪戦に巻き込まれる。何人かとの交渉の末、市内にあるホテルまでVND 20,000 (80円)で話が纏った。

ひだり みぎ
ホテルはクラシカルな外観が気に入ったサファイアホテル(Saphir Dalat Hotel)をネット予約していた。ドライバー達も直ぐに分かったのでそこそこ名の知れたホテルなのだろう。

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木のぬくもりが嬉しいコテージ風の部屋。

ひだり みぎ
小さな丘の上に建っているので、部屋からは高原都市ダラットの景色が見下ろせる。

【PHUONG TRANG ホーチミンオフィス】

【PHUONG TRANG ダラットオフィス】

【サファイアホテル】

住所:9 Phan Nhu Thach, Phuong 1, Da Lat, Lam Dong, Vietnam
電話:+84 63 3556 003

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