ベトナムの国民食・フォーを本場のチェーン店で食してみる

ベトナムは南北に長いS字状の形をした緑豊かな国土を有す。特に北部では稲作がお盛んで、その恵まれた土壌から味の良い上質な米が豊富に生産される。この米文化を代表する食べ物の一つが日本人でも一度は耳にしたことがあるだろう、フォーである。フォーとは、米粉と水で作られた平打ちの麺を、鶏や牛から出汁をとりヌクマムや香辛料などで味付けをしたあっさりスープで食す麺料理だ。

ホーチミン市内を歩いているととにかくあらゆる場所にフォーレストランの看板を見かける。安い・美味い・早いの3拍子揃ったフォーは広く庶民に愛される国民的料理。気軽に食べられる街角のローカル屋台から高級ホテルのシャレオツなレストランまでありとあらゆる場所で供される定番料理・フォー。朝飯として、昼飯として、3時のおやつとして、もちろん夕食のメインとしてあらゆる場面で食される、ベトナム人の生活に密着した庶民料理なのである。これだけ人気の料理なので、もちろんフォーを専門に扱ったチェーン店も多く存在する。有名どころでいえばPho2000やPho24であろう。

先ずはフォー24。店名の由来はスープを24種類の食材やスパイスから取っているとか、スープを24時間寝かせているとか、開業当時のフォーの価格が24,000ドンだったとか様々な憶測がなされているが、一つ間違いなく言えることは、決して24時間営業ではないということだwww夜中の3時に酔っぱらって千鳥足でフォー24に行ってもあったかフォーは食べられないので悪しからず。

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知名度、便利度、安心度、総合力NO1との呼び声高きフォー24。旅行者や現地在住人に絶大なる人気を誇る他、海外への進出にも積極的で、何気に日本や香港にも店舗を構えているグローバルチェーン店なのである。

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あらかじめ茹でてある麺をさっと湯にくぐらせて、さっぱり味の鶏がら透明スープに入れて供されるフォー。オーダーの際にはフォー+具材といった感じで頼む。
『ガ ー(ga)=鶏肉』なので『フォー・ガー=鶏肉のフォー』
『ボー(bo)=牛肉』なので『フォー・ボー=牛肉のフォー』。

これに加え、フォー以外の面の種類も選択可能だ。
『フォー』
『ミェン(つるつるとした食感の春雨麺)』
『フーティウ (フォーよりも細く、コシのある米粉麺)』
『ブン(丸いうどんのような形状)』
『ミー(中華麺)』と麺の種類を決め、具材と組み合わせる。

そして更に上級者編としては、牛肉の出来具合でも好みを選ぶことができる。
生の牛肉(牛肉のたたき)=『フォー・ボー・タイ』
火が通った牛肉=『フォー・ボー・チン』
牛肉のニンニク炒め=『フォー・タイ・ラン』
一言でフォーと言っても奥が深くメニューも豊富なのだ。

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フォーはダシの味そのままに近い形で出てくるので、自分の好みで調味料やハーブを加ながら味を加えて食す。一緒に出されるモヤシやミント・パクチーなどを麺に投入し、好みで唐辛子やチリソース、ニョクマムやライムを絞って頂く。パクチーやミントもケチケチと小出しにするのではなく、豪快に枝一本丸々出されましたwwアジアのエスニック料理を食べるうえで大切な味のアクセント・パクチーが醸し出すアジアの臨場感、たまりません。

続いてフォー2000。こちらは2000年に当時のアメリカ大統領であったクリントン氏が同店を訪れたことからフォー2000になったという真しやかな噂が流れている。しかし、クリントン元大統領が来店する前は何て言う名前だったのかというと、実はその前からPho2000だったらしい。2000種類の具材からスープを作ってるわけじゃなさそうだし、スープを2000時間も寝かしてはいないだろう。なのでこちらの名前の由来も不明。
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ロゴにもきっちり『PHO FOR THE PRESIDENT(プレジデントの為のフォー)』の文字がある。きっと未来永劫語り継がれるのだろうが、どうもベトナムの店がアメリカ大統領をこれだけ歓迎して自慢するっていうのは違和感がある。


ベンタン市場前店の壁にはクリントン元大統領が同店を訪問した際の写真が架けられていて、アメリカ人がフォー食べるのそっちのけでカメラをぱしゃぱしゃやっている。


受賞アワードの数々。余すところなくこれみよがしに展示しています。

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メニュー。店内には客3名に対し店員7名。十分すぎるくらいにウェイターを雇ってさぞかし手厚いサービスが受けられるのかと思いきや、殆どの店員は手持無沙汰で談笑しちゃっている。

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こちらでもお約束のパクチーにモヤシ、トウガラシというフォーの三種の神器が頂ける。麺の上だけでなく別皿にも山と積まれる気前の良さだ。周りを観察していると、やはり出されたフォーをそのまま食べる人はいないようで、皆、思い思いに色々な具や調味料を入れて自分好みにアレンジしてから食べている。こういったアレンジのし易さも人気の秘訣なのだろう。

大したグルメ家ではないし、フォーに対して特別なこだわりもないので、フォー24もフォー2000も甲乙つけがたい美味しさとしか感じない。牛丼なら吉野家とまつ屋の味利きもできるのだが、フォーはちょっと難しい。まぁどっちに入っても美味しいのは間違いないので、ホーチミン旅行の際、ローカル食にトライしたいが屋台はちょっと…という方がいたら、フォー24でもフォー2000でもお近くのチェーン店でフォーを食らってみてほしい。

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