美味しいけれど、意外と切るのが面倒なパイナップル。あの硬くて痛い皮を削ぎ落すだけでもひと苦労だ。でも、ここ中国ではそんな面倒が全くの無用。パイナップル職人が街角やスーパーのパイナップル販売コーナーに待機しているので、夏と言わず冬と言わず、いつでも『Ready to eat(後は食べるだけ)』の姿でパイナップルを買う事ができる。
道端に置き売りされていたりと、ありとあらゆるところでパイナップルの姿を見ることができる。地味に中国はタイ、ブラジル、コスタリカ、フィリピンに次ぐ世界5位のパイナップル生産大国なのだ。中国も経済は資本主義化しているので、世の常として需要と供給で値段が決まる。供給量が多いパイナップルは非常に安価で、街頭では大きさ関係なく1個3元(45円)、2個5元(75円)、5個10元~(150円)という何とも嬉しいお値段である。しかもこれらは芸術的な皮むき職人による皮むきのコスト込みである。一体いくらで仕入れているのだろうか。
街頭露店の場合、美味そうなパイナップルを選別して職人に手渡すと、慣れた手つきでパイナップルを丸裸にしてくれるのだ。
さて、パイナップル職人に習う、見た目が美しく且つ無駄が出ない効率の良いパイナップルの切り方のご紹介。既に私は彼の店の常連と化しているので行く度に何だか凄く良くしてくれる。
Step1
斧のような工具で尻の部分をちょっぱ斬る。
Step2
銅部分の皮を削ぎ落す。
Step3
専用ナイフで茶色のぼつぼつ部分に沿って斜めに斜めに実をほじくり出していく。彫刻刀で実を削り出す要領。
Step4
頭の葉っぱを部分を切断。
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職人たちの手さばきを見ているといとも簡単に螺旋切りパイナップルを完成させている。この中国のオヤジなど2分で1個のペースで作業をこなしていた。まさに職人芸の高等技術だ。
パイナップルの果肉はビタミンCと糖分をふんだんに含んでいるだけではなく、酸味の素となっている蛋白質を分解できるカルボン酸にも富んでいる。パイナップルを食べると口の中がピリピリするのは蛋白分解酵素であるカルボン酸が口腔粘膜と唇の表皮を刺激しているからなのだ。なので、職人たちは皮を剥き終わったパイナップルを塩水の中に浸す。塩にはカルボン酸の活力を抑える作用があるし、酸味を落とすのでパイナップルの味をさっぱりさせる。トマトやスイカに塩をつけて食べると甘くなるし、塩って奥が深い。
見ていて気持ちが良くなるくらいに規則正しくパイナップルの実に螺旋が描かれている。螺旋美。
中国のパイナップル(左)もベトナムのパイナップル(右)も見事な螺旋。この他、皮を剥いたパイナップルを8つに割り、アイスキャンディーのように串に刺した形の物も売られていたりする。美味いので気づけば毎日一個二個平らげてしまうが、食べ過ぎると胃腸カタルなどの病気を引き起こす恐れもあるようなので、適度に食べるよう心がけよう。
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