陸路国境越え(ベトナム⇒カンボジア)

さて、急な思い付きによって決定した二泊三日のカンボジア旅行。出発地点はホーチミン市のバックパッカー街・デタム通りにある旅行代理店のシンカフェだ。同社は近隣都市各地へのツアーバスの手配、各国ビザの取得代理、両替などの業務を行うが、カフェは供されていない模様。出発は06:30で、遅くとも06:15にはシンカフェでバスのチェックインを済ませるよう厳命されていた為に、眠い目を擦りながら少し早めにデタム通りに到着した。辺りは朝6時前というのに通りは眠気をふっとばすような活気と熱気と狂気が渦巻いている。

IMG_4254
共産主義のシンボルである赤い鎌と槌や星の旗がたなびくデタム通りには、陽も昇りきらぬうちからトロピカルフルーツを満載したリヤカーを引いた売り子たちが回転の準備に忙しくしている。

DSC_0015
朝っぱらから警察を交え、大声で乱闘騒ぎを起こす血気盛んな輩達と野次馬達。

DSC_0025
こちらには見事なバランス感覚でバイクの上で睡眠を取る男性が。一寸たりとも重心をずらせない環境でよくもまぁこんなに幸せそうに熟睡ができること。

DSC_0011
こっちはシクロで爆睡をかますおじちゃん。幸せそうな睡眠っぷりが見ていて気持ちいい。

DSC_0026
06:10頃、シンカフェ前に戻ると既にバスへの乗車を待つ中国人団体客が列を成していた。シンカフェオフィス内は当日券を買い求めるアメリカ人ヒッピー達がレジ嬢に威勢よく怒鳴り散らし、険悪な空気が流れている。

DSC_0022
乗客の国籍は4人のアメリカ人バックパッカーとその他大勢の中国人。

DSC_0030
荷物を預け、韓国メーカーの中古バスに乗り込むと、内部はエアコンも効いて意外と小綺麗で快適だ。このバスで6時間をかけてプノンペン市街地にあるキャピトル・ゲストハウスを目指す。バスが定刻通りに出発すると、添乗員がパスポートとカンボジアVISA用のUS$25を徴収して回る。US$20が実際のVISA費用で、US$5はシンカフェの手数料。ここベトナムの地での5ドルの威力は強烈で、ビザ申請書や入国カードの記入もしてくれる上、何故だかVISA申請用の写真提出義務も免除となるらしい。

ここでもアメリカ人ヒッピーたちは『詐欺師め!ビザはUS$20だろ!』と笑顔の愛くるしいベトナム人添乗員の悪態をつき、挙句の果てには自分でビザを申請するからUS$20しか払わないとほざき出している。

ひだり みぎ
ホーチミン市を出発したバスは絵に描いたような牧歌的景色の中を走り抜け、モクバイ(カンボジア側の名称はバベット)にあるカンボジアとのボーダーを目指す。その間、前に座るアメリカ人ヒッピーは爆睡し、後部座席を占拠した中国人はスナックをむさぼりながらワイワイガヤガヤやっている。

通路を挟んだ隣席に座った中国人の呉さんと話しているうちにバスは2時間ほどでモクバイに到着。
DSC_0044
ベトナム側のイミグレ。

DSC_0048
イミグレ内部には闇両替商がドルやドン、リエルの札束を握ってうろちょろしているが、当局に摘み出される様子は無い。

出国ゲート前で一人ずつ順番に名前が呼ばれ、出国手続きを済ませる。出国後、再びパスポートを添乗員に預け、数百メートル離れたカンボジア側のイミグレカウンターに移ってパスポート取得手続きの為に10分ほど待機。流石は信用と実績のあるシンカフェ、手際良く各人のビザ手続きを捌いていた。添乗員の根回しのお蔭か、入国審査も両手の掌と親指の指紋をスキャンするだけで、特に嫌らしい質問を受けたり物品や金をせがまれることもなくスムーズに完了。バスに戻ると、自分でビザを申請すると駄々をこねていた米人ヒッピー集団が戻っておらず、バスは15分程の足止めを食らうことに。遅れてバスに乗り込んでくる能天気な米人は悪びれる様子もなく『おー、やったぜ自力でカンボジア入国したぜ!』と言い放ち、流石の中国人も彼らに対して冷ややかな視線を浴びせ中国語で罵倒しまくっていた。

ひだり みぎ
カンボジア側のイミグレ。雨季というのが信じられないくらいの気持ち良い青空と、陰気な顔したバイクタクシーの運ちゃん達。

DSC_0049
こんな立派な塔まで建っている。

ひだり みぎ
タイ―カンボジアの国境の街であるポイペトのカジノは有名だが、ベトナム-カンボジアの国境の街バベットにも場末感を漂わせるカジノが集中しているようだ。プリンセス天功がオーナーを務めるカジノリゾートもここら一帯にあるらしい。写真右はWynnマカオならぬWinnカジノ(ロゴも瓜二つ!)。調べてみると、初回バイインがUS$5,000でVIP扱いとなり、ホーチミンとプノンペンからの無料送迎やビザアシストの他、エグゼクティブルームでの宿泊、フードコートでの飲食などが無料となるプロモを展開しているカジノもあるとのこと。なるほど、本家大元のロサンゼルスやマカオと比べてハイローラーの基準がすこぶる低い。

ちょっとしたカジノタウンを通り抜け、カンボジアの田舎道を爆走するバスは、Neak Loeunという街でメコン川を渡る為のフェリーに乗船する為に一時停車。
DSC_0068
ここぞとばかりに頭にバンレイシのようなトロピカルフルーツを載せた売り子と物乞いがバスを囲む。売り子の目からは殺気を感じる。

ひだり みぎ
メコン川の流れは緩く、おばちゃんたちはフェリー運航中もせっせとバインミー(ベトナム版サンドイッチ)作りに勤しんでいた。

DSC_0076
10分程度で対岸に到着。ここから平坦な道を更に走ること1時間半程度、プノンペンに近づくにつれて交通量が増えて走行速度が落ちてしまったが、予定通り12:30にプノンペンのキャピトル・ゲストハウス前に到着。到着するなりトゥクトゥクの運ちゃん数名に囲まれる。試しに値段を聞くと、キャピトルから車で10分弱のところにある私が予約したホテルまでUS$5と吹っかけてくる。結局、キャピトルゲストハウス前のバス停からリバーサイドのホテル⇒キリングフィールド⇒トゥール・スレン博物館⇒ナイトマーケットと6時間程度かけてトゥクトゥクで回ってもらうことに。費用はUS$12。ホーチミンからプノンペンまで6時間かけて走ってきたバスの費用がUS$8だったことを考えると若干高 い気がしないでもないが、如何せん腰を据えて交渉にあたる時間が無い為にUS$12で手を打った。リバーサイドのホテルでチェックインを済ませ、身軽になった後にキリングフィールドへ向かう。

DSC_0088
チャーターしたトゥクトゥク。運転手は名倉潤に激似のクメール人。

【走行ルート】

【シンカフェ所在地】

・住所:246 Đề Thám, phường Phạm Ngũ Lão, 1,Hồ Chí Minh, Việt Nam
・電話:+84 8 3838 9597

Related posts(関連記事):

Fanny ベトナムのアイスクリームパーラー
10月も半ば秋彼岸も過ぎ、日本ではそろそろそぞろ寒さ感じる頃でしょう。常夏のホーチミンに拘束中の私はいつになったら秋麗に酔いしれることができるのでしょうか。 ホーチミンは秋も冬も関係なく連日の30°超え。退社後はアイスでも食ってリフレッシュせんとやってられません。 ということで仕事終わりにホテル近くにあるFannyと言うアイスクリームパーラーに寄ることに。戸外はオシャレなオープンテラス...
陶器作りの伝統工芸村・タンハーでろくろ体験
ホイアンの街で、ランタンと共に目にすることが多い定番土産といえば、精細な木工細工と陶器が挙げられる。実はこれらもホイアンの伝統的な工芸品で、トゥボン川からボートに乗って実際にそれらの土産品を作っている工芸村を訪れることができる。ツアーで陶器の工芸村・タンハーと、木彫り細工の芸術村・キムボンを回るのが一般的なようだが、今回は谷弥次郎兵衛、蕃二郎と450年前の日本人商人のお墓参りの帰りに、そのままバイ...
成田からハノイ経由でベトナム・フエへ Sleeping Podでハノイ空港泊
そういや、だいぶ前の話になるけれどベトナム中部の古都・フエに2泊3日の小旅行に行ってたので、記憶を辿りながら旅行記を残していきたいと思う。 仕事を終え、先ずは成田から俺らがJALのフライトでハノイへと移動。 夕食はもちろんラウンジ飯で@サテライトラウンジ。搭乗時刻が迫ってたけど、乞食ぶりを発揮してガッツリ飲み食いさせて頂いてから御搭乗。 もちろん機内食もガッツリと完食。...
ホアロー収容所~ホテル・ヒルトンのお・も・て・な・し!?~
ハノイ駅を後にし、徒歩ですぐ近くにある歴史遺産であるホアロー収容所(監獄)博物館に向かった。 ハノイタワーズという高級高層マンションの真ん前に建つ黄色い建物がホアロー収容所博物館だ。メゾン セントレールという日本のマンションのような名前がついている。 この収容所は、フランス統治時代の19世紀末(1896年)に、政治犯として扱われたフランス統治への反乱分子の収容施設として建設され、ベ...