中国旧正月③獅子舞
中国旧正月③獅子舞

中国旧正月③獅子舞

今日の夕方には日本へのフライトが控えているが、今朝は強烈な爆竹の炸裂音と人々の雄叫びによって早くから叩き起こされたので、出発までの時間はたっぷりある。帰国準備を整えた後、街歩きに出かけた。例年は民族大移動とも形容される中国人の旧正月帰省ラッシュの前に中国から避難していたが、今年は仕事の関係で逃げ遅れてしまったので、旧正月三が日を中国で過ごすのは初めてのことだ。

朝早いからか、外に出てみると商店は揃ってシャッターを下ろし、歩行者も疎ら。
ひだり みぎ
普段の喧噪は鳴りを潜めているが、5分置きくらいに静寂を割って爆竹の威勢の良い炸裂音や人々の騒ぎ声が所々で響き渡る。爆竹音が散発する中を探索していると、利和広場の高層ビル群の合間から、金属を叩いたような音が途切れなく聞こえてくるのに気付く。爆竹とは違い、人為的にリズミカルな音頭が取られているようなので、正月大売出しの客引きか何かに違いない。音の発信源の方角に向かって歩いてみる。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
向った先に見た物は…シンバルや太鼓、銅鑼の音に合せて獅子の頭と尾の部分に入ったそれぞれの楽団員が上下左右に躍動して演舞する獅子舞だ。獅子にはきちんと目鼻口があり、黄色を基調として色とりどりの毛糸や鈴で飾られていて美しく、なんとも威風堂々たる風貌だ。聞けばビルの間でひっそりとリハーサルを行っているらしいのだが、太鼓や銅鑼まで用いてドンドンジャンジャンやっていたら全然『ひっそり』ではない。どうやら今日は彼ら以外にも獅子舞・竜舞行事を催す団体が多くいて、その中でも特に中山市の目抜き通りである中山西路を練り歩く祝舞パレードが一番の規模だろうとのこと。

タクシーを拾いたかったが運ちゃん達も休暇に入ったのか、流しのタクシーが見つからない。仕方がないので公共バスにて中山西路へ移動。

タイミングドンピシャ!今まさにパレードを始めんとしている楽団を発見。周囲にはパレード開始をまだかまだかと待ちわびる四重五重の群衆の輪ができている。早朝の静寂さが嘘のような、ド派手な真っ赤の獅子に群がるやかましく苛立たしい数多の見物客。これぞ中国の旧正月の盛り上がり。旗持ちによる勇ましい大号令(何言っているかは聞き取れない)と共に、練り歩きが始まります。


市文化宮醒獅隊による弘揚獅芸らしい。楽団は獅子2頭の操り手の他、陣営の最前列と最後尾に配備された旗持ちと、シンバル・太鼓奏者からなる音楽隊を含めて約15名で構成されている。


ひだり みぎ
主役となる獅子2頭は肩車をした時には最高で高さ3m超にも及ぶので、近くで見たら結構な迫力である。演者同士のコンビネーションは息ピッタリで、音楽に合せて獅子の躍動を見事に表現している。獅子頭を高く掲げて跳ねて見たり、地上を這ってみたり、自由自在に獅子を操りながら祝舞遊行していきます。

ひだり みぎ
獅子の飾り気と比べれば派手さは欠けるが、音楽隊も正確にリズムを刻んでいて、熟練度は高い。ただ、ユニフォームの上がダサすぎるのが玉に傷。パンツは正月風で獅子舞に適した良デザインなだけに、シャツの出来の悪さが余計に悔やまれる。


旗持ち2名、獅子使い2名、音楽隊団員6名、その他、井戸端会議をしながら歩く手持無沙汰な団員多数(笑)


ゆーっくりゆーっくりと前進する楽団を後を追う群衆。道を覆い尽くす程の数の人がのらりのらりと前進していくその様子は後ろから見ているとまるでゾンビの行進のよう。この獅子舞団御一行は通りの両脇の商店からの喝采を浴びつつ、中山西路から中山中路までを30分かけて行進。目的は商売繁盛の祈願だったそうだ。私も太鼓とシンボルの奏でる勇壮な旋律とワイルドな獅子の舞で、すっかり気分が盛り上がった。日本の風情ある正月も良いが、中国の血を湧き立てるような派手な正月も中々どうして悪くない。

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