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バック滝で体験できるエクストリーム・スポーツ(!?)


午前中に赤ザオ族の村の訪問を終え、午後は絶壁を流れ落ちるバック滝の観瀑台へと登⇒モン族・ザオ族の住むラオチャイ村・タヴァン村巡りという旅程を組んでみた。時間に余裕があれば少数民族の村々を結ぶ渓谷を自らの足でトレッキングしたり、少数民族のお家へのホームステイにも参加したいのだが、明日の午後にはハノイ行きのバスに乗らねばならぬ強行日程で来ている身、しょうがなく午前と同じバイタクのジンさんにVND250,000(≒600円)に午後も頼むことに。白人観光客は自分でスクーターを借り切って無免許+2人乗りの暴挙に出て大いにはしゃいだりしているが、限られた時間内に効率良く村々を回りたいので、ここは無難に土地勘のあるジンさんにお願いするのが一番だという判断が働いた。

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サパ周辺に位置する村々とトレッキングロードの地図。

まずはサパの西北12Km、海抜1,700mの山間を流れ落ちる壮大なバック滝へと向かう。ゆうに高さ100mはあろうかという断崖絶壁を勢いよく流れ落ちていて、画像にも捉えられている通り、遠目からでもその雄姿を確認することができる。
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サパの町から滝までの一本道は予想に反して綺麗に舗装されており,バイクの乗り心地は悪くない。途中、モン族が道脇で果物の露店市を出していたので寄りたかったのだが、運転手のジンさんは買って買ってアピールをするモン族の横を華麗にスルー。午前とは違い、絶景ポイントに差し掛かっても「虫が多い」とか「日差しが強くて肌に悪い」など何かと理由をつけて軒並みスルー。何だよ肌に悪いって。拘束時間に関係なくVND250,000という支払条件なので、とっとと目的地まで運んで早く仕事を切り上げたいという気持ちも分からぬでもないが、こんなにも早く馬脚を顕すとは!!しまいには一回止まることに追加費用を請求してきそうな勢いだ。

バック滝までの道のりには見所が多いんだがなぁ。やっぱりバイクをレンタルして自分で好きなように行動すべきだったかと後悔の念に苛まれる。しょうがないので走行中にパシャパシャと写真を連写する。

ひだり みぎ

ひだり みぎ
周辺に連なる緑豊かな山々の裾野に広がる峡谷はどこまでも深く,何重にも重なり合う稜線の上には夏雲が湧いていてとても神秘的。自然が作り出す雄大さと華麗な造形美を味わえる極上の場所である。

20分くらい走っただろうか、滝の麓に到着した。滝の左右に設置された階段を登って滝の上部にある観瀑台まで進むには入場料料5000ドン(≒20円)が必要だ。近くで見る水の清涼感が心地よいだろうし、高所から眺める風景もきっと素晴らしいに違いない。ここは疲れを圧していっちょ上まで登ることに。

バイクを離れ、滝の上部へと向かう私に向かってジンさん、『no more than 30 minutes! (30分以内にしろよ!)』とかほざきだす。客の安全を願うのではなく自分の時間しか気にしない畜生め!
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少し上ると滝の全貌が見えてくるのだが、乾季だからだろうか、近くで見ると水量・迫力という点では意外としょぼい。遠目からみたら一気に水が垂直落下しているように見受けられたが、岸壁の上から流れが下ってきて、中腹にゴロゴロしている黒い岩岩の塊に打ったところで幾筋にも分かれている為、下から見る分には爆音も水しぶきもなく、予想していた豪快な姿とは程遠いといった印象だ。

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結構な角度の階段を5分程登っただろうか、観瀑台というか、展望台のような踊り場へと到達した。ここもモン族が営業権を押さえているようで、民族衣装を纏った少女たちがせっせと商売に勤しんでいた。一通り彼女たちの商品を眺めた後、遠方の山々を見渡そうと滝の反対側に目をやると、なんとまあ!!命知らずな少女が崖の際に建てられた柵の上にバランス良く座っているではないか。すぐ後ろは断崖絶壁であり、彼女の体重が乗る事で柵もろとも地滑りを起こして崩壊する可能性がないわけでもないだろうに、そのスリルを楽しんでいるのか、彼女はニヤニヤとずっと薄気味悪い笑みを浮かべている。服装からするとモン族ではないだろうし、観光客でもなければ自殺志願者というわけでもなさそうだ。スカイダイビングやバンジージャンプで感じる恐怖や恐怖に快楽を求めるようなお方なのか?

私の視線に気づいたのか、更に崖側に体重をかけて危険なパフォーマンスをとる彼女。君は何がしたいのかい?英語で率直に思うところを尋ねてみると、『君もどうぞ。5000ドンで写真を撮ってあげる。』と言うではないか。なんだそれ、スカイダイビングやロッククライミングなど、一歩間違えば死と隣り合わせのエクストリーム・スポーツみたいなものか?人間の脳には本来、宿主に危険を避け、安全を求めるようプログラミングされているので、手に汗握る緊迫状況や恐怖・不安が解消した際に大きく安堵し、それが快感に思えてくる。所謂「ホッ」とする快である。私はチキンなので、恐怖や不安は全力で避けたいと思っているが、これとは別に、恐怖を感じる対象に自ら進んで直面することで、対抗恐怖と呼ばれる恐怖を乗り越えようとする心理作用を楽しむ人間も割と多くいるというようなことも学生時代に聞いたことがあるが、そういった人間心理を突いた商売なんだろうか。高所恐怖症チキンの私があんな場所に立たされたら本気でチビッテしまうだろう。お金を貰っても御免被りたい。

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最後は『景色も良いから試してみなさい、この臆病なし!』とまで言われるも、自尊心より恐怖を避けたいとする本能が勝り、彼女の誘いは頑なに断った。あんなとこに立たずとも、展望台からの眺めは抜群で、遠方にファン・シー・パン山脈の美しい姿を望むことができるんでね!

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