元 共産主義ガチ勢 アルバニアの首都 ティラナの町

共産主義・社会主義と聞くとソ連や中国、キューバ等を思い浮かべる方が多いかと思いますが、歴史上で最もハードコアな共産主義国はまさかの大穴、アルバニアでしょう。

第二次世界大戦時後にソ連と組んでアルバニアを掌握したアルバニア共産党ですが、戦後はマルクスレーニン主義の共産主義道を極めようと迷走してしまいます。
スターリンとの対立を深めて独自路線の共産主義政策を打ち出したユーゴと断交。

スターリン亡き後にスターリンを批判して方針転換したソ連と断交。

対米政策の方針を変え改革開放路線に走った中国と断交。

どいつこいつもやることがぬる過ぎる!と共産主義陣営各国とも縁を切り、気付いたら鎖国状態というまさかのセルフ経済・政治制裁プレー。結局、1991年のソ連崩壊まで独自路線で共産主義道を極めようと粘り続けたという、とんでもエピソードをお持ちの国なのであります。

そんな元共産主義ガチ勢のアルバニアの首都ティラナは一体どんな街なのか。せっかくなので町中を探索してみたいなと思います。

ティラナの町歩きの起点はスカンデルベグ広場。街の中心に無意味に広くて無機質な広場があるのは元共産国家のお約束ですね。

国立歴史博物館

広場に面して建つ武骨な建物は国立歴史博物館。勇ましい人民が描かれたいかにもなファサードがエモくて興味を引かれるのですが、残念ながらこの日は開いておりませんでした。

町の中心は官庁街になっていることから、国家の威厳を見せつけるかのように建造された厳つい建物が次から次へと並びます。

新しく建てられた高層ビルも、共産圏の町並みに溶け込むようなデザインになっています。色は塗り忘れちゃったんですかねw

ティラナのピラミッド

エジプトのファラオにでもなろうとしたのか。このピラミッドはアルバニア労働党第一書記の功績を讃える博物館だったらしいのですが、共産党体制崩壊後の今となっては浮浪者が住み着くただの廃墟と化しています。

アルバニア労働党第一書記・ホッジャ氏・レーニン・スターリンという共産ヒーロー三銃士の彫像が広場脇の端っこにひっそりと並べられています。元々は広場や町の中心に設置されていたのでしょうが、今は捨てるに捨てられず扱いに困って放置されているといった具合。塗装も禿げかけレーニンに至っては腕がもげたままとで、まるで罪人の晒し首かのようなぞんざいな扱いです。

無骨な灰色の建物も多い一方、カラフルにペインティングされた社会主義時代の集合住宅も数多くあり、まるで町全体がポップな社会主義アートかのよう。 これらのビルは、社会主義政権没落後に町の雰囲気を少しでも良くしようと政府主導でペイントされたものなのだと。
有無を言わさず住宅の色を塗り替えるとか、やってること自体は独裁政権時代と変わらなそうですねw

ティラナ国立美術館

こちらの一際異様な建物はティラナ国立美術館。

モスクは工事中、博物館は休業中で観光局はクローズ。やっと入れたと思った美術館では布で隠された作品ばかり… 布越しに味わう系の美術なんだろうか…

ほぼ見えない。カリギュラ効果狙いで、ぼかしを入れることで興味を駆り立てようとしているとか?見たい場所にモザイクがかかってたら、モザイクの向こう側がどうなっているのか気になりますもんね。

社会主義時代の絵画など一部のみが見られる状態になっていました。学芸員の方に理由を伺ったところ、大多数の作品の展示を制限することで、観ることのできる一部の作品の魅力を強調したいという、展示者なりの深~い理由があってのことらしいです。

前衛的なモダンアートも幾つか掲げられていましたが、作品そのものより背景の方に目が奪われてしまいます。これもまた意図があってのことなのでしょうが、感性が独特過ぎて凡人には理解できません。

続く。

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