無事にバルカン半島一か国目となるセルビアに着いたワイ。早速、首都ベオグラードの町中を探検してユーゴノスタルジーに浸ってきたいと思います。
旧ユーゴスラビア時代を偲ばせる無骨な社会主義国的大型建造物も多く残るベオグラード。 当時は社会主義大国ユーゴの明るい未来の象徴として建てられたのでしょうが、今や哀愁たっぷりの過去の遺物。誰からも顧みられることなく、ベオグラードの街をひっそりと見守っています。
ユーゴスラビア歴史博物館
今は亡き超大国ユーゴスラビア時代のノスタルジックな世界へ。ユーゴスラビア歴史博物館、建物自体がノスタルジックで哀愁たっぷりです。
社会主義国時代のプロパガンダグッズや市民の生活用品などが展示されていたり、自主管理社会主義という旧ユーゴ独自の経済政策に関する説明などが並ぶ。エモい。エモすぎる。
ゴリゴリの赤いゲリラ民兵からの叩き上げで超大国の指導者にまで成り上がったチトーおじさん。
チトーというのはニックネームで、本名はヨシップ・ブロズ(Josip Broz)。
「お前(Ti)がアレ(to)をしろ」という強制的な言動が多かったことからいつのまにかチトー(Tito)と呼ばれ始め、いつの間にか全世界で定着してしまったそう。
スターリンなど同時代を生きた他の赤組指導者と違ってチトーさんは自身への批判も受け入れられる器量の大きさがあったので、“お前アレおじさん”のニックネームも許容してしまったのでしょうかw
「7つの国境、6つの共和国、5つの民族、4つの言語、3つの宗教、2つの文字を持つ1つの社会主義連邦国家」と表現されるように、民族も言語も宗教も文字も超越して建国された社会主義国家ユーゴスラビア。こんなカオスな国家を40年にもわたって纏めあげていたんですから、ネタ抜きにカリスマ性と統率力は凄かった。
実際、彼が亡くなってから直ぐに旧ユーゴ諸国が独立を求めて反発。泥沼の紛争を経てチトーの死後わずか10年そこらでユーゴスラビア社会主義連邦共和国は解体されることとなってしまいました。
そんなチトーさんですが、博物館に隣接された霊廟にて安らかにお眠りになられています。彼の国葬は当時世界最大規模のもので、実に119もの国々から要人が参加したそうです。
霊廟にはプロパガンダ的モチーフのバトンが無数に飾られていました。これらのバトンはチトーの誕生日を祝って毎年開催されていた“Relay of Youth(若者のリレー)”という駅伝行事で実際に使われたもの。
チトーの生誕地であるクムロヴェツという村からスタートし、ユーゴスラビア各民族の若者がリレー形式でバトンを繋ぎ、チトーの誕生日である5月25日に首都ベオグラードでゴールするという民族と民族を繋ぐ駅伝だったらしい。
1-2年やってみましというレベルじゃなく、1945年からチトーの死後も継続され、1988年まで開催されていたというから驚きです。
街歩き
セルビアの首都ベオグラード。
— ポンズ (@Worldtravelog) December 28, 2019
西欧と東欧が交わる文明の交差点上に位置する旧ユーゴ圏きっての大都市で、オーストリア・ハンガリー帝国、セルビア王国、オスマン帝国、社会主義連邦時代の文化がごっちゃになったエキゾチックで香ばしい街という第一印象 pic.twitter.com/r3aMSramx5
エモいと言えばこちらも。1999年にNATOの空爆を喰らって崩壊した旧ユーゴスラビア国防総省。
廃墟のように拉げた骨格や配線がむき出しになっていて、発展著しいベオグラードの中心地の中で、ここだけ1999年のコソボ紛争の時から時が止まったまま。
ベオグラードの美しい街並みを眺めていると僅か20年前に空爆があったとは想像すらできませんが、旧国防省ビルはまるでその事実を証明するかのように爆撃を受けたままの無残な姿を晒し続けています。
カレメグダン公園、ベオグラード要塞
ヨーロッパ最古の街のひとつとであるベオグラード。どうしても近現代史の方が注目されがちですが、交通の要衝に位置するベオグラードは、古くから重要軍事拠点として戦乱が繰り広げられてきました。その戦いの舞台となってきたのが、サバ川とドナウ川の合流地点に築かれたベオグラード要塞。
有史以来この要塞を巡って140回もの戦いが起き、時代時代の侵略者によって計40回も破壊され、そしてその都度新たな征服者の手によって再建されてきたという。まさに首都ベオグラードの歴史が詰まった要塞です。
紀元前にケルト人が砦を築き、その後、古代ローマ帝国、東ローマ帝国、セルビア王国、オーストリア・ハンガリー帝国、オスマン帝国などが増改築を繰り返してきたという歴史ある要塞。今はカレメグダンパークという公園の一部として一般開放されています。
今や気の抜けた炭酸みたいに弛みきったオッサンが土産物を売るほのぼのとした高台からは、ドナウ川とその支流が見下ろせます。公園内に軍事博物館があるようでミサイルや大砲などの兵器類がこれ見よがしに展示されていますが、もう兵器が使われるような事態にならないことを願うばかり。
夕食 @Kafana SFRJ
ベオグラード要塞からホテルに戻る道中、Kafana SFRJという感じの良いレストランを見つけたので入ってみることにしました。グーグル先生曰く、お手頃セルビア料理の食堂とのことです。
海に面したクロアチアやモンテネグロと違って内陸部にあり山がちなセルビアの郷土料理は1に肉、2に肉、3に肉。
ハンバーグ、ソーセージ、ミートボール、ビーフシチュー、シシカバブ… メニューの中はひたすら肉肉肉の肉祭りとなっています。
クラシックユーゴな楽曲がかかる店内。雰囲気良いわ~
魅惑的な女性が描かれたセルビアビールの酸味の効いた大人の味わい
— ポンズ (@Worldtravelog) December 28, 2019
1本200円 pic.twitter.com/o0u6Qk0OKj
肉の祭典セルビア料理。ソーセージあり、ステーキあり、ケバブありの肉のオールスターが500gで800円とか!初日からバルカン半島に恋しちゃいそうです。
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