青島 ドイツ植民地帝国の模範都市を歩く

ビール祭りへの参戦目的でやってきた山東省の省都・青島市。
町中の見どころも多い街ですし、夜のビール祭り本番に向けコンディションを整えるためにも、街歩きで軽~く体を動かしてきたいと思います。

信号山公園

先ずは青島市街地を一望できる山をウォーミングアップがてら上ってみます。

ドイツの極東におけるモデル植民都市として築かれた青島市街地。プラタナスの木々と赤い瓦屋根の家屋が広がる街並みは、まるで中世ヨーロッパの田舎街を見ているような景観です。
くっそ大きな声で叫ぶように喋ったり痰を吐き散らかす人たちが周りにいなかったら、もっと異国情緒に浸れるのになぁ。

青島ビール

今や中国最大のビールブランドとして世界中で確固たる地位を築いた青島ビールも、元々は租借地の産業振興策としてドイツ人が興した企業です。

市街地では青島ビールが麦茶感覚で気軽に売られてます。値段も安く、朝に工場から直送されてきたばかりの新鮮なビールが一杯(500ml)5元と、ビール党には天国のような街です。

青島ビール博物館で撮影した画像。当時はこんなビニール袋で売られてたんだとかw

クラシックラガーから麦味強めのウィート系、酸味の効いたIAPまで種類も様々用意されていますが、おススメはビール酵母を濾過せずに作った無濾過ビール。酵母本来の旨味を残したワイルドな味わいが特徴です。こんなん売ってるの見ちゃったら夜まで待てずに飲んじゃいますよw

最近では青島ビール以外でも「無濾過(原浆)」って書かれたビール缶を目にする機会がスーパーやコンビニなんかで増えてますが、やっぱりサーバーからの入れたてとは全然違いますので、青島に来た際にはビールスタンドの原浆をぜひお試しあれ。1杯15元、後悔はしないはずです。

ドイツ建築

19世紀末から第一世界大戦でドイツが降伏する1914年までドイツの模範的コロニアル植民都市として建設された青島市。山の上から見た景色はヨーロッパそのものといった感じでしたが、実際に町の中を歩いていてもドイツ色の強い歴史的建造物が多くみられます。

こちらの厳めしい建物は1906年竣工の旧ドイツ膠澳総督府で、旧ドイツ植民都市の中枢であり象徴となる建物。質実剛健のザ・ジャーマンスタイル!といったこんな感じの厳つい建物が町中に溢れています。

ドイツ支配時の裁判所。

特に当時の町の中心で皇帝の名を冠したフリードリッヒ通り(現、中山路)の界隈では、石を投げればドイツ式建造物にあたるってくらい、右も左もジャーマンジャーマン。観光スポットというよりは生活の場として普通に人が住んだり仕事をしているので、辺に装飾されてないのもポイント高い。

ドイツ銀行旧址に至っては、生活感丸出しの普通の集合住宅で、パンツ一丁のオッサンが闊歩してたりしてました…。全国重点文物保護単位と書かれてたので入ってみたのですが…

ハルビンや大連のロシア人街、上海のフランス租界、天津のイタリア人街やイギリス租界、長春・瀋陽の満州国統治跡なんかもそれぞれ異世界感が凄いですが、ここ青島もヨーロッパ風情という点では負けてない。

町の新市街地には「不忘初心、牢记使命(初心忘れべからず。使命を胸に刻み込まん。)」「为实现中华民族伟大复兴的中国梦不懈奋斗(中華民族の偉大なる復興という中国の夢の実現に向け、たゆまず奮闘せん)」といった中国共産党のスローガンが至る所に掲げられていますが、これも不気味っすよね。清朝時代に列強各国にフルボッコされた恨みを忘れてない。次の覇権は中国が握ると言わんばかりというか。他国が蹂躙してきて中国の都市に建てた歴史的建造物を中国共産党が今なお保存しているのは何故なのか。旧植民都市の至る所で政治的スローガンを見ると、色々と考えさせられます。

ビーチと桟橋

青島といえば!のイメージで青島ビールの次に思い浮かぶのがビーチと桟橋。近くには八大関という優雅な別荘地跡もあるので、きっと綺麗な白浜のビーチが広がっているんだろうなぁと胸ワクワクだったのですが…砂浜までドイツ色でしたw

ビーチは汚いけどマリンアクティビティは色々とあって楽しそう。ビール飲んでなかったら潜水してたのに。

ダイビングも良いな!自分で飛び込むだけなら無料ですからね!

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