桂林観光の穴場 チワン族の村落と龍勝棚田巡りのツアー

本日は週末弾丸桂林旅行の最終日。広州に戻る前に、桂林から80kmほど離れた山岳地に1000年超の時間を費やし作られたという棚田群を拝んできたいと思います。

今回は移動効率を考え個人での移動ではなく、現地の日帰りツアーに参加することにしました。ホテルピックアップ⇒ヤオ族の村落⇒龍勝棚田⇒桂林の高速鉄道駅でドロップオフという旅程の小団体ツアーで、160元という料金。ドアドアで動けるし観光地の入場料も含まれているのでコスパは非常に高いと思います。

ツアー参加者はワイとカップル2組の計5名。それにヤオ族のガイドと運転手を加えた計7名のチームで棚田のある龍勝各族自治県へと移動します。

それにしても各族自治県なんてあるんすねw 複数の少数民族が住まうエリアのようですが、公式の地名で“各族”と一括りにするとか扱いが雑w

ヤオ族の村落

桂林を出て1時間ちょい、各族自治県に入ったあたりでヤオ族の村落が見えてきました。ヤオ族は主に中国湖南省から東南アジアの山岳地帯ににかけ広く分布する少数民族で、人口は少数民族といっても300万人弱。元々のルーツは古代湖南地方の山地民で、焼畑耕作を生業として各地の山々を転々とし続け、移住先の他文化と共生しながらも各地で自文化を絶やすことなく継承してきた誇り高き民族だそうです。

山の斜面と川沿いに木造家屋がぽつんぽつんと点在する程度の限界集落。家屋の周りには耕された田んぼが広がっていて、自給自足の生活を営む村民たちの暮らしぶりが覗えます。

木の壁に瓦葺の屋根というスタイルの伝統的家屋。どうせ見世物として建てただけで実際は誰も住んでないんでしょ?と思って中に入ってみると、どの家も普通に生活感丸出し。皆様、実際にこちらにお住まいになられているようです。

族長的御仁のお宅にもお邪魔します。
山地を渡り歩く焼畑耕作民として各地を転々としてきたヤオ族ですが、現在では観光による現金収入が見込める場所などを中心に定住化が進んでいるそうです。この日の族長もツアー客を受け入れることができホクホク顔といった感じでしたw
都市圏での定住化により漢族への同化が進み、いずれはヤオ族の独自文化が失われることになりやしないか危惧されます。

ニッコリ微笑むキンペーさんをみつめてもの悲しげな表情を浮かべるお婆ちゃん。何かを訴えかけているようで、実に印象的でした。ここがヤオ族の皆さんにとって最高の永住の地となれば良いですが…

村の見学の最後には、ご当地メシの代表格である竹筒飯とお茶がふるまわれました。具材は隣の畑で取れた野菜のみということで、肉無しベジタリアンバージョン。思いっきり雰囲気補正がかかっちゃってますが、優しい味わいで美味しかったです。

龍勝棚田(龍背棚田)

ヤオ族の村で腹ごしらえを済ませ、いよいよ龍勝の棚田へと向かいます。
龍勝の棚田というのは「金坑大寨紅ヤオ族の棚田」「平安チワン族の壮寨棚田」「龍脊チワン族の古壮寨棚田」という3つの棚田からなる龍背棚田群のことで、今回我々が訪問するのはヤオ族の棚田という説明を受けました。ガイド曰く、3か所はどこも大差ないんで、ヤオ族の棚田一か所を見とけば十分とのこと。まぁガイドさんはヤオ族だから、そりゃあヤオ族の棚田推しになりますよね。

ヤオ族の集落から川沿いの細い山道に進んでいくと、ロープウェイの乗り場が見えてきました。ここから空中散歩で棚田の絶景を楽しみながら山頂の展望台へと向かいます。

龍勝の龍背棚田景勝地の総面積は70k㎡で、標高は300mから1100mという信じ難いほどに巨大な規模。当然ながらこのような巨大な棚田は一朝一夕で作り上げられたわけではなく、なんとこの地に棚田が作られ始めたのは今から1400年も前の唐の時代。そこから代々少しずつ山の上へ上へと開発が進んでいき、明清の時代に現在の規模にまで至ったそうです。1000年超の時をかけ人の手によって作り上げられてきた地球アート。代々様々な想いが詰め込まれてきた超大作の芸術を目にすることができ、もう感無量です。

険しい斜面に道を造り、家を建て、田を切り開き、それが親から子、子から孫に引き継がれ…山の民が代々築きあげてきた棚田の青々とした稲が山の斜面を埋め尽くす。山の民による弛まぬ努力と技術が詰まったまさに生ける芸術、筆舌に尽くし難い絶景とはまさにこのことです。

狭い田んぼが一層一層横に伸び、まるで柔らかい緑の帯が積み重なり風にたなびいているかのよう。

これがもう少し時期的に早い4-5月だと田に水が張られた状態で山全体が鏡張りのような輝きを見せるだろうし、9-10月あたりには金色の稲穂の絨毯が広がるのでしょう。違うシーズンにも来てみたくなっちゃいます。

立ち込めた靄の奥にはポツリポツリとヤオ族の集落の姿も視界に入ります。
人類の知恵と生命力は尊く、どんなに過酷な環境でも工夫と努力を怠らなければ暮らしていけるのだなと。改めて人類が成し遂げられることの大きさを実感しました。
次は月のテラフォーミングをお願いします!

【龍勝 龍背棚田】

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