巴拉格宗大渓谷でアメージング雲南省を満喫 雲南省旅行7

シャングリラ二日目は巴拉格宗大峡谷行きのツアーに参加することに。
巴拉格宗大峡谷はシャングリラから北に80キロ離れた四川省との省境近くに形成された大渓谷。その規模たるや凄まじく、全長154km・最大標高差3,500mという途方もない大きさを誇るのだと。全長154Kmとか東京-静岡間の距離だし、標高差3,500mというのも富士山の高さ並ですからね…。大自然の中で中国のスケール感をこれでもかと味わうことができるトレッキングツアーになっているようだ。


巴拉格宗へのバスの乗車券は、独克宗古城の北の入り口近くのチケットセンターで買い求めることができる。シャングリラと巴拉格宗を結ぶバスの運賃だけなら往復50元と安いけど、巴拉格宗景区への入場料(150元)と景区内のバス運賃とガイド料(60元)も支払わなければ巴拉格宗に行っても何もできないので、結局はツアーに参加するにあたって合計で260元(≒4,500円)を支払うことになる。


この日は9時出発なので08:50には集まって下さいとのことだったのだが…時間を過ぎても現れない阿保が1組いたせいで出発が遅れ、09:35に漸く出発となった。やむにやまれぬ事情があるなら仕方ないとは思うが、悪びれる様子が無いどころか「遅刻してきた俺らカッケー」という中学生ヤンキーみたいな態度でバスに乗り込んできたのには原辰徳。

最後の一組が到着し、見事に満員御礼となった巴拉格宗ツアー。空席無しでギュウギュウ詰めとなったバスに乗りこみ、険しい山々を切り開いて整備された雲南チベット公路の新道を行く。道路は舗装され、山間はトンネルと橋とで繋がれていて道路事情は悪くない。
ひだり みぎ
四川省でも雲南省でも、観光資源となる辺境山間部の開発が驚くべきスピードで進行しているようだ。安全面は二の次といった感じで落石対策がおざなりといった感じで怖かったが。

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徳欽県の手前、金沙江と金沙江の支流である崗曲との分岐点で国道を右に折れたらいよいよ渓谷らしい景色が目の前に広がってきた。これこそが金沙江の支流が造り上げたグランドキャニオンだ。

巴拉格宗観光の起点・水庄村

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シャングリラを出て1時間半、巴拉格宗観光の起点となる水庄村でバスを降ろされた。

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ここからが巴拉格宗大渓谷ツアーの本番だ。小さな寺院を見せられた後にシャトルバスを乗り換え、リス族のガイドさんと共に巴拉格宗の見所3か所を順に回っていくことに。

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ヤクの群れを避けながら第一の見所へと山登り。ガイドのオジサンがとびっきりの嗄れ声でチベット歌謡“巴拉格宗(アカペラ嗄れ声バージョン)”を披露し旅情を掻き立ててくれる。

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ジグザグの山道を登るに従い怪奇な石灰石の岩峰群が次々に現れ息を吞む。ガイドの子供の頃なんかは最寄りの町まで下りるのも道なき道を歩いて進まねばいけなかったのが、香格里拉市政府の観光促進プロジェクトで10億元もの大金が投入され、ここ巴拉格宗の山道が整備されたそうだ。

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ストゥーパ。

巴拉村

山道を30分程登っただろうか。標高3,000メートル地点の山間の村・巴拉村に到着した。

今から300年ほど前に戦乱を嫌うチベット族の有力者一族が四川省から桃源郷を探して住みついた隠れ里。「巴拉格宗」「巴拉村」の名称は一族の出身地である巴塘に由来するらしい。

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チベット族が切り拓いた巴拉村はこんな山深い場所にある。観光地化される前は水庄村から丸一日かけて歩いてきたそうだ。シャングリラなんかはそれこそ1か月くらいかかったのではないか。幾ら戦禍を免れる為とはいえ、自給自足も難しそうなこんな場所を住まいに選んだのか不思議でならない。

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新築家屋が並ぶ巴拉村で、「老板(ボス)の家」とガイドが呼ぶ家屋の中を案内してもらうことに。

ひだり みぎ
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村落のボスが代々住まわってきた家だというが、妙に新しくて生活感がないというか…。山間部まで中共主導の開発の波が押し寄せてきいるので、ここも香格里拉市政府の観光促進プロジェクトの一環で建てられたのではと思えてくる。

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テラスからのビュー。空が澄んでいれば当地の聖山で未踏峰の巴拉格宗雪山の頂上までハッキリと見渡せるらしいが、生憎この日は曇り空。


生憎の天気ではあるが、山間に霧が立ち込め山稜がぼやける様が逆に神秘的に感じられる。

村に1時間程滞在し、ここから次なる目的地「シャングリラ大峡谷桟道」へとバスを走らせる。

シャングリラ大峡谷桟道

大峡谷では河を臨む渓谷の断崖絶壁に危なっかしい遊歩道が設置され、スリルと興奮を味わいながら渓谷を散策することができるという観光スポットだ。
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断崖絶壁にへばりつくよう取り付けられた遊歩道を川沿いに散策。切り立った深い谷の間を流れるエメラルドグリーンの川の水も綺麗で、なんとも絵になる秘境的風景が続く。

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2.5キロ歩いて最終地点のゴムボート乗り場へ。ここから再び2.5キロを歩いて戻るかゴムボートでラフティングをして戻るかの二者択一を迫られるのだが、このボートが高い!8人乗りで120元というので一人あたり15元かと思いきや、一人120元だと。かといって同じ道を2.5キロも歩いて帰るのも味気ない感じがするし…

せっかくなので、マイナスイオンたっぷりの涼しい風を受けながら川下りすることに。
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うおっ。

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超絶安全運転でエキサイティングなラフティング体験とはいかなかったが、大自然をより身近に感じられて貴重な体験ができた…と思ったら、他の乗客からは「つまらない」「一人120元とか詐欺もいいところ」みたいな感じで文句のオンパレード。少数民族風の船頭のお兄さんがボロッカスに扱き下ろされてて可哀想だった。

渓谷の絶景に大満足してすっかり帰る気でいたら、シャトルバスは山の間に切り立った狭い谷の前に到着。ここから高さ約700mの階段を上るのだと。

通天峡桟道

巴拉格宗氷河の雪水から成る川が地層の割れ目を千百万年に渡り浸食して出来た峡谷なんだけど、これまた大迫力で自然の力に平伏してしまいそうになる。
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険峻な大峡谷の急斜面を登る。峡谷のあまりの大迫力に、地球ヤヴァイってなるわ。

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大地の裂け目のように形成された峡谷の長さは約4,000m。両側の山の距離が短く、両側の絶壁はまるで巨大なカーテンのように太陽の陽を遮るので、谷底は深く狭く暗くて薄気味悪く、地獄の魔道を歩いている気にすらなってくる。今は雨量の少ない季節だから川が流れていないが、雨季には氷河の雪水と雨水が千軍万馬が如く勢いよく轟轟と流れ落ちてきて魔感が増すようだ。


700m程の高さを登るのだが、そもそも3,000m近い標高の場所なので、階段の登りが結構きつく、途中でギブアップしてバスに戻る方々も沢山いた。

体力に自信のあった自分は汗だくになりながら終点まで上り詰めたところ、終点には無情にも行き止まりと書かれた看板があるだけだった。頂上からの絶景的な御褒美を期待していただけにこれにはガッカリだ。

途中には氷河に削られて形成された滝なんかもあるんだけど、帰りは正直疲れすぎて景色を眺める余裕なし。もはや観光というより罰ゲームのように思えてくるエクササイズ系ツアーである。

帰りのバスなんか、小学生の遠足のように皆さんグッタリ。結局、09:30過ぎにシャングリラを出た我々がシャングリラに戻ってきたのは17:00過ぎとなった。朝から丸々一日拘束されてしまうしツアー代金も高いけど…それでも参加する価値はあると思う。日本じゃこんな凄まじい渓谷トレッキングなんて体験できないですからね。

【巴拉格宗シャングリラ大峡谷】

シャングリラ⇔巴拉格宗往復バス運賃:50元
巴拉格宗景区への入場料:150元
景区内のバス運賃とガイド料:60元

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