ラオカイではとにかく嫌な思いばかりした。たった1日の滞在で、これだけ印象の悪くなる街も滅多にない。ハノイからサパや中国方面に抜ける観光客を相手に少しでも多くふんだくってやろうとする、がめつい下心を態度に出しているさもしい考えの輩ばかりの廃れた街である。
① 飯屋であからさまに釣銭をごまかされる。VND135,000であろう会計に対し、VND200,000を支払ったところ、帰ってきたのは何故かVND50,000のみ。え?何?VND15,000足りないじゃん?チップとしてしれっとVND15,000指し抜いたの?それとも消費税かサービスチャージとかそういった物の類?私のオーダーした物の値段をメニューで指差して抗議すると、sorryとかいってVND15,000戻ってきた。確信犯的に釣銭をごまかしたのか?まだ嘘でもサービスチャージとか言ってもらいたかったわ。額にして数十円だけど、気分を損ねること甚だしい。
② 3人の異なる物売りに道端で声をかけられた際、笑顔でスルーしようとした。一応、最低限の礼儀として愛想よくお断りをしたつもりだが、目の前を通り過ぎる際、こっちに聞こえる音で舌打ちされる。3人中3人だ。露骨すぎるだろう。というかレストランから出てきた客に対してレストランの出口で『ヌードル要らないですか?』って…レストランで食って出てきたって分からんもんかね。レストランに入る客に声かけるのでもあからさまな営業妨害だし、ヌードル屋台はもっと別のところでやれよコノヤロウ。
③ バックハーに向かうミニバンのバスが宅配のバイトで小銭稼ぎを始め、なかなか目的地まで発車しない。そりゃあ乗客が私含めて3人だけだったけどさ。乗客に対して何の断りもなしに宅配業者になるってどうなのよ。
④08:30発車のバスがあるのに、『今日のバスは運行キャンセル。バイクで連れて行ってやる。』などシレっと見え見えの嘘をついてくる悪徳ドライバーが多い。そして、嘘八百のくせして『俺は君を助けてやるんだ』という妙な偽善心を全面に押し出してくる。嘘も百回繰り返せば真実になるってか?どんなに困っても君の助けは乞いません。
バイタクの運ちゃんや行商人が値段を吹っかけてくる行為はまぁもう慣れた。③も④もまぁ中国でも起こり得るし、百歩譲って我慢できるとしようじゃないか。中国と国境を接しているだけあって、きっと中国文化の悪い面に毒されてしまったと考えよう。ただ、①と②は無いだろう。ハノイと一大観光都市を結ぶ経由地としてこれだけ外国人が街を闊歩しているのに、この街が観光都市として栄えずに廃れた一地方都市のままでいる原因が垣間見えた気がする。
こんなラオカイを離れ、朝一のバスでサパへと脱出を図る。サパはベトナムの首都ハノイからは376km離れた中国国境近くの標高1,600メートルの山岳地帯にある山間の小都市だ。ベトナム最高峰のファンシーパン山脈(標高3134m)を望むホアンリエンソン山脈にあり、峡谷の美しい景観の中で数多くの少数民族が暮らすらしい。洪水のように道路を走るモーターバイクの印象が強いハノイやホーチミンのような混沌とした都会とはまったく違い、日常的に民族衣装姿の女性が町中を歩いているという、秘境感たっぷりの長閑な街らしい。
サパまでのバスは06:00発、運賃はVND50,000也。ラオカイからの距離は南西に僅か30Km弱であるが、山岳地帯のクネクネ道が続くため、1時間超の時間がかかってしまう。ミニバスはSapaが最終目的地ではない為、サパに着いたら降ろしてもらうよう、事前に運転手に伝えておいた方が良いだろう。
道中はジグザグのトラバース気味の道を走るので、寝不足・直前の食べ過ぎも禁物だ。さもなければ同乗していたベトナム人男のように、不幸にもゲ○をしてしまうことになるだろう。車内でのゲ○は全然笑えません。もう本当にラオカイは呪われているとしか思えない。
同乗者のゲ○がなければ朝靄の向こうに見える山肌いっぱいにびっしりと切り開かれた棚田も神秘的に見えたことだろう。
人々の心まで廃れきった暗黒の街・ラオカイを離れ1時間もすると、空気の澄んだパラダイスのようなサパに到着だ。フランスにより開拓された避暑地らしく、ヨーロピアンな雰囲気を漂わせている。フランス統治時代の面影が残る建物が霧深い街の雰囲気にもマッチしていて、どこか神秘的ですらある。何と居心地が良いことか!!この爽やかな空気に流されて、ラオカイでのダークな思い出もすっかり吹っ飛んだ!地上の楽園ここにあり!!
サパの大自然を楽しみつつ、深呼吸しながら予約をしているSapa Panorama Hotelへと向かう。テラスからファンシーパン山脈とサパの街並みを見下ろせるPanorama roomが朝食込みで4,000円ちょい。ただ、場所が少々分かりずらく、迷った挙句に丘を登ったり下りたりを繰り返して息を切らしていると、目の前にめちゃくちゃ可愛い天使が表れた。
地図を持ってさ迷い歩く私を見て迷子の旅人だと察したのだろう。Panorama Hotelの住所を見て、途中まで案内してくれた。何てエエ子なんだぁあああ。
小生、ベトナム語はからっきしだが、『この坂の上にある、ここでバイバイ』みたいなことを言ってるっぽい。いやあ本当に助けられた。ありがとう!!坂の上り下りで疲れてきたが、最後の余力を振り絞って坂を登り切り、左手にホテルを発見。
ひゃーーーー!!!ホテルから出てくる外国人待ちしてる少数民族の物売り集団www疲れていて商談どころではないので、彼女らに止められぬよう、駆け足・伏せ目でホテルに駆け込みましたwww
部屋の前には石造りの立派な教会が有り、まどろみの中で聞こえてくる鐘の音が非常に幻想的。他の部屋よりは若干高いけれど、このホテルに泊まるのであればパノラマルームが絶対おすすめ!!
【サパでの計画】
・Ma Tra(マーチャ)村、Ta Phin(タフィン)村の見学
・Ta Van(タヴァン)村、Lao Chai(ラオチャイ)村の見学
・Cat Cat(カットカット)村のトレッキング
・バック滝の見学
・ハムロンの丘の見学
などなど。
荷物を部屋に置き、シャワーを浴びてから行動開始です。
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