タイの学び場・サイアム博物館

観光と言えば寺院や遺構巡り、ムエタイ観戦などがメインのタイですが、『それでは観光大国としての芸が無い!新たなツーリズムスポットとして、これまでにないコンセプトの博物館を作って世界を驚かそう!』というタイ政府機関の力強い掛け声の下で、有識者の英知を集結して創設されたのが、このサイアム博物館。サイアムとは第二次大戦前まで使用されていた タイ王国の旧称『シャム』のこと。『タイ国がどのようにして建国されたのか?』『そもそもタイ人とはどういう存在なのか?』をコアなテーマに据え、タイが現在に至るまでの歴史を見て・聞いて・触って学ぶことができる体験型学習館が2008年にひっそりとオープンしました。気合を入れて建てられた割にはガイドブックでの取り扱いは極小の、マイナー観光スポットです。

立地条件も素晴らしく、場所はワットポーから南に徒歩5分程のところになります。寺院巡りのついでに地図を片手に乗り込むも…

工事中!!!?????? 否、工事は裏門のみで行われており、横の門から入場するようにと立ち往生する私にタイ人が優しく教えてくれました。流石、微笑の国・タイ。守銭奴に溢れる某国のように、親切の見返りに金銭を要求されるようなことはありません。


工事現場脇から入場してサイアム博物館の玄関に到着。博物館となっているこのネオクラシック様式のクリーム色の美しい建物は、チャオプラヤ川の関所や商務省の建物としても活躍してきたそうです。常設展示館ではタイの起源から各古代王朝の興亡と宗教や文化、タイの近代化などのテーマが、ビデオ映像や精巧なジオラマ、インタラクティブなゲームを織り交ぜて分かりやすく解説されています。


受付も凄くオシャレ。入館料は外国人300バーツ、タイ人100バーツ、学生50バーツと、学習型博物館だけあって、学生に優しい価格設定。チケットを求めたところ、30手前、オッサンルックの私に対しても『Are you student?(学生ですか?)』と律儀に聞いてくれる気遣いのできる心優しい係員。正直300バーツ(900円)は高いと思ったが、正直に外国人料金で入場しました。こんなことならカオサン通りで偽学生証を仕込んでおくんだった!

入館料を払うと、波状になったスクリーンが特徴的なミニシアターに通され、『タイとはなんぞや?皆で本当のタイを見つけましょう!』的なショートストーリーが放映されます。参観者はこの『タイとは?タイ人とは?』という漠然と提示された問いに対し、博物館の様々な展示物を通じて自分の答えを導き出すことを求められます。これこそサイアム博物館が別名Discovery Museumと言われる所以であります。
別に最後に試験があるわけではありません
ひだり みぎ
客層は外国人一部を除いては殆どがタイ人の学生。引率みたいな大人がついていたので、課外学習で来ていたのかもしれません。

ムービーのお次は『Thypically Thai』と名された小部屋に通されます。ここでは『タイとは?』との問いに対する典型的な回答例が模型と言う形で提示されています。
ひだり みぎ
ひだり みぎ
天秤棒を使った棒手売や屋台食、ムエタイ、トゥクトゥクなどの模型が並べられていて、学生たちの絶好の記念写真スポットになっています。近くで展示物を眺めようもんなら、『記念写真の邪魔だからどいてくれないかな。』との無言の圧力がかかります。

和気藹々と楽しむ学生に先んじて一人で1階を抜けると、3階に通されます。

進行方向は上から下、3階から1階に展示物を見回っていくことになります。建物自体も一つの展示物のような、非常に趣のある設計です。


バンコク国際空港の名にもなっている『スワンナプーム』とは何なのか?『黄金の地』の意味は?等、引き続き各展示室でタイ探しの冒険が続きます。


タイ人の祖先が原人から石器時代へと変化する過程、他国との交易を通じて社会が発展していく様子等が、実際に出土した用具や当時の調度品、電子パネルでの説明と共に詳しく解説されいます。ただ出土品を見るだけでなく、探索ゲームなどのインタラクティブ効果も交えることで、入館者が自分の頭を使って『タイ』について思考をめぐらせられるように工夫が施されています。

ひだり みぎ
こちらはアユタヤ朝(1351年-1767年)の街並みを表現したミニチュア模型。中国とインド、ヨーロッパ方面を結ぶ中間に位置する地の利を生かして水上貿易で繁栄しましたが、ビルマ軍によって滅ぼされました。16世紀の後半から外国人の 渡来者が漸増。山田長政の活躍は日本でも知られるところですが、何と最大で3,000人もの日本人がアユタヤの地で活躍していたそうです。


これは学生たちに大人気、スクリーン上に迫り来るビルマ軍を大砲で蹴散らすストレス発散ゲーム。ビルマ軍の駆逐に成功したタイ人学生たちは大はしゃぎ。過去の敗戦の鬱憤を晴らしたいのかしらないが、好戦的思想を植え付けるようなゲームは学習型博物館に於いて些か不謹慎ではなかろうか。江戸東京博物館に某国人民○○軍を制圧するようなゲームが設置されようものなら…

ひだり みぎ
こちらは戦時中のタイのプロパガンダポスター。

ひだり みぎ
タイの民族衣装やかつての軍服などを着て記念写真を取ることもできます。ビルマ軍撃退ゲームの次に学生諸君で賑わうコーナーです。

ひだり みぎ
ひだり みぎ
『タイの近代化』的なコーナーも記念写真スポット目白押し。タイで一番最初に開局したチャンネル4のスタジオでの録画コーナーやパブなどでアナウンサーやバーテンダー気分に浸ることができる。

こんな感じでサイアム博物館での学習は終了。学生諸君は勉強そっちのけでワイワイガヤガヤと記念写真の撮影に勤しんでいたので、余り集中して各解説書に読みふけることができなかった。300バーツは高いと思うけど、なんと16:00以降は無料開放されているそうですので、王宮周辺観光の締めには良いかと思います。


●開館時間:火~日 10:00~18:00
●休館日:月曜日+祝日
●入館料:外国人は300B。タイ人は100Bで学生は50B。16:00以降は無料開放。

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