香港の無国籍地帯・重慶大厦

重慶マンションは香港のシンボル的繁華街である彌敦道(ネイザンロード)に面した複合商業ビルです。商業施設や一般住居の他、世界各国からの旅人が集う安宿や両レートな両替商がひしめき合い、バックパッカーやバジェット旅行者のメッカとして世界中に名を馳せています。


こちらは3年前の写真。一つのビルに居住者・宿泊客合計4000人、推定約120カ国の人々が常時住み着いているという無国籍地帯で、香港の多様性を表す縮図のようなところである。


日暮れ以降は特に妖しい雰囲気を醸し出す重慶マンション。一階・二階の低層階は主に両替商やテイラー、世界各国のエスニック料理店などから成る商業施設となっていて、格安ゲストハウスは上層階に集中しています。


入口では神秘的なインド系の顔立ちの大きな目をした商人達が目をギラギラさせて獲物を狙っています。建物に入ろうとしようものなら即座にインド人に包囲され、『友達、偽物時計?』『本物に似てる。』などと日本語で話しかけられる。苦心の末に振り切ったと思ったら今度は別の奴に絡まれたりして面倒臭いが、相手をしない方がベター。宿や車手配の斡旋をする客引きも同様。『君の行きたいホテル/レストランは潰れたよ。もっと良い所を知っているよ。』と。ここで『おっ、マジ?教えてくれてありがとう!』などと反応してしまってはインド人の思うつぼ。彼らがマージンを上乗せできるところに連れて行かれるのだ。インディアンは嘘つかないかもしれないが、インド人は嘘つくので油断大敵だ。


インド人を無視して入口を突破!中に入ると粗末な格好をした 素性の知れないアフリカ系・インド系・アラブ系の人々でごった返している。何やらアラブ系のミュージックに合せて乱舞している中東系と見られる集団や、謎の言語で電話越しに大声でどなっている黒人がいたりと、アングラ感全開


二階は更にうす気味悪い雰囲気だ。


インド料理屋やインド系両替商、インド系雑貨店などでごった煮状態。サイババが祀られていたり、マハラジャ音楽が流れていたりとインド人集積回廊のようである。


屯する掘り深く浅黒い肌の人たち、ツーンと香る香辛料の臭い、奇妙なノリの音楽…このフロアを構成する何から何までインド。香港は旧英国植民地だけあって多くのインド人が住んでいるが、ここには香港在住の全インド人が集団居住しているのではと思える程のインドっぷりで、まさしくインド人の、インド人による、インド人の為のコミュニティーとなっている。


床屋もインド人経営。インド人にとって英語や中国語を話せずともすべての経済活動をこの建物内で完結できると言っても過言ではありません。


濃すぎて暑苦しい感じの印象があるインド人ですが、こちらでは耳上の刈り上げで爽やかさを強調したスタイルを推しているようだ。

残りは雑貨店や両替店が多く見られる。重慶マンション内の両替商は良心的レートで有名で、世界中のバックパッカーを重慶マンションに引き寄せる魅力の一つになっています。


1階、2階だけで軽く10数店の両替商が商いをしています。店舗によって最大で5%もレートが違いましたので、両替前は多少面倒ながらも全店のレートを確認された方が良いかと思います。因みに本日の栄えある換金率(日本円⇒香港ドル)トップは…


Singh’s Exchange Coで、レートは0.0947でした。

と思いきや…

出口を目指して歩いていると、『きゅうひゃくごじゅう』との声が。振り向くと、指で9と5をアピールしてくる両替商が現る。

JP¥10,000=HK$950とアピールしているらしい。てなわけで、City Fireign Exchange Limitedの差し切り勝ち。どうやら掲示板の表示価格は絶対ではないようなので、多少は交渉の余地があるようです。


この重慶マンション、建物自体はA棟~E棟までの5棟が連対した構造となっており、各棟2基づつのエレベーターを配置。右側が奇数階、左側が偶数階に止まります。3階より上のフロアでは各棟が独立している為にブロック間の移動はできませんので要注意。建物上層部の安宿の住居者はアフリカ系インド系の方々も多く、必然的にエレベーター内の黒人密度が高まりますが、エレベーター内部に監視カメラを設けるなどの治安対策が採られてからはエレベーター内でのスリ強盗は激減しています。


ゲストハウスはA座~E座の3階~17階に固まっています。料金は一泊HK$100以下の所もアリ、ホテル価格が高騰している中で魅力的なお値段ではある。かつては犯罪の温床としての悪評を欲しいままにしていましたが、現在は汚名挽回とばかりに修築が進み、先進国のバックパッカーでも利用できるほどの安宿集積地となっています。

かつては悪の巣窟だとか犯罪者の温床だとか揶揄されていた重慶マンションですが、建物の修築の他、建物内外の治安改善に力が入れられているそうで、建物前の客引き数もこれでも激減しました。今後も建物内外の環境改善は継続して進められるそうなので、カオススポットとしての魅力は失われていくことになるかもしれません。

●各座の安宿リスト
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