ハルビン 太陽島と“北極圏の生き物館”

西洋風の建築物を眺めながらぶらぶらと町を歩いていると、ハルビンの市街地を南北に分かつ松花江に行きあたりました。

アムール川最大の支流で、北朝鮮との国境にそびえる長白山の天池から発し、ロシア国境の黒龍江省同江市付近でアムール川に合流する国際河川で、かなりの川幅です。

こいつがたびたび氾濫を起こしてきたとかで、川辺には洪水防止記念塔なる厳ついモニュメントが建てられていました。1957年の大洪水を防止した記念として建てられたランドマークだそうで、当時の最高水位がマーキングされています。

モニュメントの周りの岸辺では太極拳をしたり釣りに興じる人がいたり、パジャマ姿で扇子を煽いで涼を取る地元民がいたり。隣のスターリン公園では合唱団も練習しているのかな。皆思い思いの時間を岸辺でまったりと過ごしていて、地方都市の河畔らしい実に長閑な雰囲気です。

対岸に見える緑地は国家5A級観光地の太陽島で、ロシア風情園なる東京ドイツ村的なテーマパークもあるらしい。スターリン公園の埠頭から対岸への渡し船が出ているので行ってみることに。

対岸のビーチからはハルビン市内の高層ビル群が見渡せます。この太陽島はロシア人の別荘地だったところで、人工湖や日本式庭園、鹿苑などを有するハルビン最大の総合公園だそう。家族ずれやカップルで中々の賑わいを見せていました。

ぼっち旅行者に人権無し。いくらぼっち上級者のワイでも、観光地でのぼっちタンデムはキツい。

中国最古のビールメーカーであるハルビンビールの本拠地ということもあってか、ここハルビンは世界でも有数のビール需要を誇る都市らしい。まぁようは飲兵衛が多いということで、露店で昼間っからグビグビいってるお父さんたち多数。女子供は庭園へ、男はビアガーデンでというのが太陽島の楽しみ方なのでしょう。
もうこりゃ郷に入っては郷に従えでワイも飲むしかないっしょ!ということでワイも昼間からグビー。牧歌的なラベルが欧州風情たっぷりのロシア産ライトラガーを頂きました。

野郎どもの為のビールフェスティバルを楽しんでいると、空模様が怪しくなってきて一気に土砂降り。雨宿りに160元の入園料は高いなぁと思いつつも、すぐ隣にあった“極地圏の生き物館(ハルビン極地館)”に避難することに。

水族館なんて幼少期に葛西臨海公園に行ったっきりくらいで1ミリも興味もなかったのですが、意外や意外。ホッキョクグマやシロイルカまでいたりして、結構なアタリスポットでした。

たかだかクラゲ、されどクラゲ。半透明で不思議な形をしたクラゲが水流に任せてゆらゆらと漂う様は、見ているだけで癒されます。

告白させて頂きますと、クラゲなぞ得体のしれない毒持ち刺胞生物として自分の中では有害キャラ認定しちゃってました。三国志のゲームで例えるとすると毒を吐いてデバフ効果を撒き散らかす李儒的なウザキャラ。でも実際はこんな回復効果持ちの癒しキャラだったんすね。

その動きをぼーっと眺めているだけで日々の悩みが解消されていくというか、安らぎ感が得られるというか。すべてを包み込んでくれるような、優しい透明感のある生体。その優雅な動きと独特の傘の拍動リズムに引き込まれ、日々の忙しない生活で磨り減り尖っていた心の角が丸くなっていくのが自分でも分かります。神秘的な心の砥石。クラゲリラクゼーション、最高です。

こちらの厳つい生き物はウミガメ。スイミングフォームにクラゲのような優雅さは感じられませんが、四肢を使ってゆっくりと、しかし力強く水の中を泳ぎ回っています。
カメって爬虫類で肺呼吸する生き物なのに、ウミガメ氏は海での生活に適応する形に進化を続けてきているそうですね。歩きやすさより水かきのしやすさを追い求めて四肢がヒレっぽくなったり、水圧を受けないよう甲羅が平べったかったり。こういった特徴の個体が徐々に増えてきていって、長い時間をかけ陸に留まったタイプのカメと分岐していったそうだ。生物って面白い。

もう一点衝撃だったのは、ウミガメの帰巣本能。何年間も大海原を回遊した後、きっちり生まれ故郷の浜に帰郷してきてから子孫を残すそうです。生物って凄い。自分も最後は地元に帰って恩返しができれば良いですね。

極地館ということだけあって、アザラシやペンギン、更にはホッキョクギツネといったレアものまで飼育されています。

荒ぶるホッキョクグマ氏の迫力たるや。これは陸上最大の肉食獣ですわ。

愛嬌たっぷりシロイルカ2匹も北極圏から参加。あざとかわいいw

ステージではアシカのショーなんかも開催されてました。

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オーディエンスから投げられた輪っかを首でキャッチし、渾身のドヤ顔をキメるアシカ氏。前足をパタパタさせて拍手を促すなど、最高に可愛らしい動きで観客を魅了していました。
司会の言葉は東北訛りの巻き舌全開アクセントで全然聞き取れませんでしたが、それでも十分に楽しめます。

ということで、気づいたら入館から2時間経過w 雨宿りでたまたま入っただけなのに思いのほか長居してしまい、ロシア風情園に入る時間がなくなってしまいました。後悔はしていませんw

ハルビン極地館

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