上海都市計画展示館

この日は上海が誇る地味系観光スポット・上海都市計画展示館なる施設に行ってみることに。その名の通り、上海の発展の歴史と将来的な都市計画の構想についての展示品が並ぶミニでマイナーな展示ルームになっているようだが…。〇〇市郷土博物館的な感じなんだろうな、中国AAAA級観光地に挙げられてはいるものの、観光地としての存在感は殆ど無い。


立地条件は素晴らしく、地下鉄1号線・2号線の人民広場駅2番出口から直ぐ。万博のパビリオンが如く、国威を発揚するかのように巨大で奇抜な建築物を創造してたけど、えらくこじんまりとした建物でちょっと拍子抜け。


中国にしては微妙に高い(30元≒450円)入場料に躊躇しながらも中に入ると、上海中心部の摩天楼群を模した模型や俯瞰図がお出迎え。そして、毎度おなじみの上海万博のスローガン「城市、譲生活更美好(Better City、Better Life)」の文字がデデーンと掲示されている。もちろん、大気汚染・地盤沈下・貧富拡大・開発区内に住まう人々の強盛移送などなど、都市化の負の部分は微塵も触れられておらず。

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こちらは上海じゃなく重慶のケースだけど、立ち退きに応じない場合はこんな事態になっちゃいますからね。(画像参照元:Record China様)


当局の人権蹂躙に対し、今年は一休さんかのような頓智の効いた防御策を取る策士が現れた(画像参照元:Record China様)。下っ端役員あたりが意外と率先して撤回作業を遂行しそうだけどなw

話が逸れてしまったので本題に戻そう。そんな上海の都市化を賛美した上海都市計画展示館の二階に進むと、そこは『歴史文化名城保存』をテーマにした展示会場。建物の外壁に沿って租界時代からの街の発展を示す写真屋模型が展示されている。

4,000年とも5,000年とも言われる長ーい歴史がご自慢の中国にあっても上海の歴史は比較的浅く、街らしい規模として発展したのは1843年の南京条約締結以後。古くからの都である北京と比べて桁違いに速い発展スピードは、歴史が浅く街づくりに関する規制が少ないからこそのものなのだろう。

江南地方の小さな集落だった時代から、外国列強の進出による租界時代を経て、ここ170年の間にアジア有数の経済都市へと発展を遂げた歴史が分かる。国家主導で全てをトップダウンで決めることが市民や地方自治体主導の草の根型町作りと比べて全てにおいて良いとはいえないだろうが…。
ひだり みぎ
1910年代の南京路と20年代の外灘。租界時代には外灘に早くも各国の領事館や銀行・商館の洋風建築が並び、南京路には先施や永安といった現代にも残る百貨店の姿が見える。

ひだり みぎ
豫園と新天地。歴史の浅い上海ではあるが、11の歴史文化景観保存地区があり、国家市級の歴史建築保存単位・歴史文化遺産・優秀建築の数も398を数える。

上海の歴史を学んだ後は、上海の未来についての展示が続く。

3階マスタープランホールの床一面に広がる巨大ジオラマはこの展示館一番の見所だろう。上海中心地のアスファルトジャングルが1/500のスケールで忠実に再現されている。街を貫くように蛇行する黄浦江、香港を彷彿とさせる高層ビル群の合い間を縫うように走る道路と高架鉄道…。陸家嘴地区に並ぶ高層ビル群にはマっ金金な成金ビル・高層階の中央がくりぬかれて空洞化された風水ビル・屋上が鋭角に尖ったパンクなビルなどなど、周囲との調和を考慮せずに自らの個性を主張しまくる奇抜な建物ばかりで見応えがある。

細部に至るまで正確な意匠を施され四方八方無数に林立するマッチ箱サイズの建物が並ぶだけでなく、川に浮かぶ小さな船舶や公園の樹木の一本一本までも見事に作品に入り込んでいて、芸の細かさを感じさせる。プラモデル世代には堪らない眺めであろう。

3階と4階の中央は吹き抜けになっているので、4階からは模型全体を俯瞰できる。2020年の都市計画に基づいた作品らしく、陸家嘴の高層ビル群の中に上海中心ビルなど未だ地図に無い構造物が入り込み、沼地はリゾートマンションになり、河川敷には大きな港湾が出来ている。土地を速やかに収用し、住民を立ち退かせ、膨大な資金を投入して突貫工事にあたる…。中国の街開発は、強固な中央集権体制と高度に専門的なテクノクラート集団による凄まじいスケールの芸当だ。

ひだり みぎ
一つ一つの建築物の精巧さに驚かされるが、インターコンチネンタルEXPOがある筈の位置に無いぞ!?自分の見落としだろうか、それとも模型製作時にインタコEXPOの開業が予定されていなかったのろうか。

5階はまたまた過去の上海へタイムスリップ。レトロなタッチで古き良き時代の上海が紹介されている。
ひだり みぎ
満庭芳臭豆腐・馬和記牛肉麺などなど、民衆の生活をテーマにしたレトロアートの一つ一つに対してどうでもいいアネクドートが紹介されている。

他にも、鉄道の路線距離や利用客数・各種車輛の登録車数・などなど、今日の上海の交通インフラに関するデータが紹介された博物館要素たっぷりなコーナーもあるけれど、観光地としてはどうだろう。わざわざ足を運ぶ必要はないだろうな。ジオラマに関しても、金茂大廈88階の展望台に120元払って入って実際の上海のパノラマ展望を見た方が感動するだろうし。30元払ってジオラマを見るか、120元払って生のダイナミックな上海の街並を見るか…。自分は後者かな。

上海都市計画展示館

住所:人民大道100号
電話:021-6318-4477
営業時間:09:00~17:00 ※閉館1時間前チケット販売停止
入館料:30元
休館日:月曜日
アクセス:地下鉄1号線、2号線、8号線人民広場駅から徒歩3分



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コメント

  1. […] 上海都市計画展示館…この日は上海が誇る地味系観光スポット・上海都市計画展示館なる施設に行ってみることに。その名の通り、上海の発展の歴史と将来的な都市計画の構想について […]