一風も二風も変わったタイの寺院 プラタート・ルアン・ローン

カンペーン・ヤイ遺跡の見物に時間を費やし過ぎて乗車予定だったシーサケートへ戻る鉄道の時間を逃してしまったので、シーサケートまで戻りをロットゥーに変更。シーサケートに戻った後はいよいよ本日の〆、一風も二風も変わったタイの寺院プラタート・ルアン・ローン(地○の歩き方ではプラタート・ルン・ルアンと紹介されている)へと向かう。シーサケート市街から2373号線で約10km弱のところに位置。タイ、ラーオ、クメールなどイサーンに暮らす各民族の建築様式が融合された珍しい寺院で、摩訶不思議なオブジェが多数展示されている事でも知られている。

シーサケートのバスターミナルに着き、サッカー部のようなゼッケンを身にまとったバイタクのお兄さん方と交渉するも、何度「ルン・ルアン、ルン・ルアン」と連呼しても理解されず、最終手段の筆談すら通用しない…地○の歩き方に載ってた写真を見せると、それはPhraThat Ruang Rong(プラタート・ルアン・ローン)だと言われ、思わず握りしめた地○の歩き方タイ編を地面に叩きつけそうになる。流石に地球の迷い方と揶揄される通り、細かな地図などでしばしば間違いが見られる地○の歩き方だが、観光地の名称すら間違えているとは恐れ入る。

価格に関してもシーサケート市内から往復100-150Bとの情報が地○の歩き方にあるが、価格カルテルを組まれているのか、皆一様に200Bと言ってくるので交渉の余地無し。試しに外の通りに出て観光客擦れしてなさそうな気の弱そうな流しのバイタクに聞いてみるもやはり皆さん200Bだったので、諦めてタイミングよく通りかかったドライバーと200Bにて手を打った。

ちょっと英語が喋れるボブ。いかにも「ボブ」って感じの奴だなーと思ってたら英語名が本当にボブ。ワイルドな見た目とは裏腹に安全運転が信条の良い奴だ。

ひだり みぎ
ショートカットなのか、密林の獣道かのような砂利道をボブの超安全運転にて走り抜ける。


バスターミナルから20分程で絢爛豪華に装飾された侘び寂びとは無縁な本堂が見えてきた。


ゲートでは薬キメキメで悦楽の表情をした巨大馬にまたがる赤髪美白肌の女がお出迎え。設計ミスか馬の足が門からはみ出てしまっているが、こんなのは本の序の口。中にも厳めしいゴリラや鼻毛モッサリなフクロウなどコンセプトが解せない一風変わったオブジェが盛り沢山となっている。

ひだり みぎ
仏教にまつわる訓話の一幕なんだろうが、かなりぶっとんだ感じの像だが、やはり仏教徒の方はこれらを見てフムフムと感ずるところがあるのだろうか。上座部仏教、奥深し。

ひだり みぎ

ひだり みぎ

ひだり みぎ

ひだり みぎ
不気味なものから失笑を誘う可笑しなものから割と真面目なものまで盛り沢山。


東屋で仰向けになって気持ち良さ気に寝る涅槃仏。涅槃仏ってニヤリとした顔で右手を枕にして横臥しているものが殆どかと思うが、こちらは仰向けで真上を向いたままガチ寝しちゃってます。でも考えてみりゃ入滅する時に半身横になってニヤけてるよりは仰向けになってるほうが自然っちゃあ自然だわな。


さて、ユニークな像の数々を見て回りながら、ようやくたどり着いた本堂。ふざけた寺院の割には真面目なしっかりとした建物だ。陽に照らされた黄金が眩しい。


1階はお釈迦様の人生を中心に仏教の名シーンが描かれた絵画がこれでもかと並んでいる。お釈迦様は御年35歳で悟りを開いてから沙羅双樹のもとで亡くなられるまでの45年間、インド各地を行脚して仏法を説き広めたと仏教の開祖だ。彼の一生が記された涅槃経という経典に基づいて書かれた仏涅槃図の一種なんだろうが、見てみるとこれが結構面白い。

ひだり みぎ
苦行に耐えるお釈迦様(!?)を誘惑する悪の化身とピエロ。

ひだり みぎ
悟りを開き修行僧と共に瞑想に励むお釈迦様と、変な物を見てちょっと狼狽えちゃうお釈迦様。左の絵は思わず「ひいぃぃ」っていう声が聞こえてきそうなリアルさ。

2階より上はタイ、ラーオ、クメールなどイサーンに暮らす各民族の民具や古い仏像などが思いっきりガサツに展示された博物館になっている。
ひだり みぎ
最上階は仏塔を囲んだバルコニーになっていて、イサーンの大地を遥か遠く彼方まで360℃見渡すことができる。木々ばかりで面白みが無い景色と言われればそれまでだが、それでも遮るもの無く東南アジアの大自然を見渡せるのは開放的で乙なものだと思う。


おっ、下に目をやると、白い水牛2頭に引っ張られている牛車の格好をした寺院が!?どんな思考回路を持っていたらこんな設計アイディアが思いつくのだろう。


グランドレベルから見る水牛寺院。真白い体の二頭の牛は共に凄まじい形相で中々のド迫力だ。


水牛が引っ張る寺院へと入ってみる。一風変わった寺院の外観と比べると拍子抜けしてしまうくらいに平凡な仏像が正面に座り、左右の壁面には邪悪な感じのする絵画が掛けられている。傍らに置かれたお賽銭をねだる短髪のお坊さん5人の像がシュール。5人とも揃いも揃って前髪が後退気味というのがね。どうせなら坊主にすりゃええんじゃないのと突っ込まずにいられない。

ひだり みぎ
一方の絵画の方はというと…奴隷が如く首輪で繋がれる者、煮えたぎる熱湯の入った大釜で苦しむ者、拘束されて体を真っ二つに切断される者などなど、恐らく地獄の様子かと思われるが、邪悪過ぎて気味が悪い。


お坊さんによる説教コーナーもあります。

ひだり みぎ
掘り出し物が見つかる土産屋。仏具はもちろんのこと、抱き枕やクッションなどイサーンテイストのグッズが安売りされている。うーん、何だかな。何しに来たんだろう。寺院独特の“そこにいる”というだけで何か大きな愛情に包まれているような有難い気持ちになるのが好きなのだが、この寺院の神々しさや神秘的な空気といったものは全く皆無で、どちらかといえばアミューズメントパーク的な雰囲気が全開といった感じ。個人的にはわざわざ時間割いてまで訪問するような場所では無いと思う。

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